ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
★歌舞伎・スーパー歌舞伎・その他の舞台★

市川亀治郎×三響會特別公演~伝統芸能の今~ 1

2010-07-15 20:57:18 | 歌舞伎
2010年7月15日(木)浅草公会堂 16:30

【演目】

一、舞囃子『道成寺組曲』 
立方:市川亀治郎 笛:福原寛 小鼓:田中傳左衛門 大鼓:亀井広忠 太鼓:田中傳次郎

二、座談会 
市川亀治郎・亀井広忠・田中傳左衛門・田中傳次郎

三、一調『屋島』
地謡:坂口貴信 大鼓:亀井広忠

四、舞踊『藤娘』
藤の精:市川亀治郎 笛:福原寛 小鼓:望月太津之 小鼓:田中傳左衛門
大鼓:望月正浩 太鼓:田中傳次郎
唄:杵屋利光 松永忠次郎 味見純
三味線:今藤長龍郎 今藤政十郎 杵屋勝十郎

昨年は、東京一箇所で、500名の集客。
今年は全国行脚(←出演者談~)して、1万5000名くらいの集客があったとか。
本日昼の部までの募金額が800万円以上。
この公演の主旨は、小児がんの子供とその家族をサポートする、ゴールドリボン基金への支援です。

◆ゴールドリボン基金について(公演チラシ裏面より)
小児がんは医学の進歩にともなって、「不治の病」から「治る病気」になりつつあります。
しかし、小児がんの患者とその家族は、さまざまな問題を抱えているのが現状です。
(財)がんの子供を守る会は、患者とその家族が直面している困難や悩みを少しでも軽減すべく
患者とその家族が中心となり、医療関係をはじめとする多くの方々の支援のもとに活動をしています。
ゴールドリボン基金は、小児がん経験者の支援事業、小児がんのトータルサポートに関する
研究への助成、および小児がんの啓発活動に使われます。

前回の(財)がんの子供を守る会の理事長のお話にもあり、今回も語られていらっしゃいましたが
昔は、子供のがんがあることさえ、知られていなかった。理事長ご自身、三男の方が
小児がんにかかるまで知らなかったとの事。
啓発活動も含まれているのは、ご自身の経験からくるのかもしれません。
子供の死亡原因は、交通事故をはじめ「事故」が一番多いけれど、その次に多いのが、
白血病等、小児がんなどの重篤な病気。
昔は、それらの病にかかると、殆ど助からなかったそうですが、現在は、7~8割の生存率だそう。
でも、子供の場合は、治癒してから以降が大変で、学校への復帰、抗がん剤使用による脱毛等
(いじめにあったりもするそうです)
進学、就職、そして結婚への困難。(子供の頃から、放射線治療を受けた方を配偶者に選ぶことは、
本人同士がよくても、やはり、周囲の反対が多いとか・・・)
出産への心配も、もしかしたらあるかもしれませんね。
どうしても、小児がん経験者は、内向的になりやすいので、経験者の中からリーダーを育成して
交流の場を作るとか、医療費のみならず、心のケアの支援もされているそうです。
座談会の亀ちゃんのトーク、
「僕たち、伝統芸能の世界に生まれたものは、乳母日傘で育ち何の苦労もなく、
一般社会と関わらなくても、芸能の世界だけでも、死ぬまで安らかに生きていける」
(ちょっと文言違うかもしれませんが)と自嘲的なことを言ったりして
―でも、ユーモアを含む言い方だったので、会場の笑いを誘ってはいましたが―
でも、こうして、ゴールドリボン基金と関わるご縁が出来て、
芸能のこと以外何も出来ない自分たちではあるけれど(それを活かして)
社会勉強をさせて頂き、多少なりとも困難と直面している方々のお役にたてることに
そして、今回ツアーの来場者に感謝しています、と、熱っぽい亀節を披露していました。

確かに、代々続く役者さんや家元のお家に生まれ、芸の修行はあっても
生活の根本に対しての金銭的な苦労はなく、学校も有名私立に通い、
所謂、「お坊ちゃん育ち」な部分はあるのかもしれませんね。
(以前の3時間SHOWで聞いた「亀哲=亀治郎の哲学」によると
新幹線はグリーン、飛行機はファーストクラス!!と言い放ってましたからね・笑)
でも、その芸の力で、多くの人を集め、このような貢献をすることも出来る。

ボランティアなんて、売名行為じゃないか?という人もいるけれど、
僕なんか、クイズ番組に1時間出た方が、よっぽど名前売れるわけですからとも(笑)

傳次郎さんも、(プログラム)売り子、製作、そして太鼓も叩く(笑)←兄君(広忠さん)に
たまに小鼓も打っているじゃない、と突っ込まれてましたが―
「田中傳次郎です。」と自己紹介されたり、伝えたい事をしっかり伝えながらも
楽しいお話ぶりで、前回もそうだったので、舞台はもとより、今回も、座談会で
どういうお話が飛び出すかな~との期待も大きかったです。
(前回は、「猿之助にノーと言える男」と突っ込まれていた傳次郎さん。)

つづく

ポイント募金