民事裁判の記録(国賠)・自衛隊車とバイクの交通事故の民事裁判

1・訟務検事の証拠資料のねつ造など不法な弁論。
2・玖珠署の違法な交通犯罪の捜査,虚偽の実況見分調書の作成

15:原告・準備書面(3)

2006-03-25 09:58:59 |  第3訴訟 第1審 被告国(訟務検事)
平成17年(ワ)第3710号 国家賠償請求事件
原告 出羽やるか
被告 国
             準 備 書 面 (3)
                                                       平成18年3月24日
横浜地方裁判所第9民事部合議係 御中
                             原告 出羽やるか

 原告は,次のとおり弁論を準備する。
 略称等は,本準備書面で新たに用いるもののほかは,従前の例による。
第1 事故再現見分に対する玖珠警察署の関与
 1  事故発生の状況4ブレーキを踏んだ地点の写真(甲64)に写っている,バ
  イクの後ろを支えている,白色の半そでシャツと藍色の野球帽及びズボンを着
  用した人物は,着用している帽子が警察活動帽(甲第72号証)で,金線顎紐付
  であることなどから,幹部級の警察官である(仮に,堀部警部補とする。)。
 2 同写真のバイクのハンドルを持った人物は,白の半そでシャツ,濃緑色の佐
  官級の制帽と同色のズボンなど陸上自衛隊の第三種夏服を着用していることな
  どから,佐官級の自衛官である(仮に,講初3等陸佐とする)。
 3 陸上自衛官が使用する野球帽は,部隊識別帽と呼ばれ,第8師団の識別帽の
  色は基本的に濃緑色である(甲58)。
 4 事故再現見分に玖珠警察署が関与していることは明らかである。
 5 事故再現見分は,第8師団司令部法務官室が立案実行し,西部方面総監部法
  務課及び陸上幕僚監部監理部法務課の自衛官・事務官を迎えて本件事故態様を
  演出したもと理解される。玖珠町には,第8師団の玖珠駐屯地があり,玖珠警
  察署との関係は深い。自衛隊から1等陸佐を含む上級幹部が参加しているから,  
  儀礼的にも,玖珠警察署からも上級幹部が参加しているはずである。(甲63)の
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  KP34.9の里程標のすぐ近くに写っている所属不明の人物は玖珠警察署の
  交通課長以上の上級幹部であろう。
第2 証拠資料(事故現場写真)のねつ造・改ざん
 0 浅香らは,別件訴訟で,平成13年11月5日に,乙1として事故現場写真
  を提出したが,原告には副本として写しを提出した(甲第68号証)。
   原告は本件訴訟で,甲13,15,24,33,34,35として,一部拡
  大などして写真を提出したが,原告の所持するパソコン・スキャナー及びプリ
  ンターを使用して画質調整を行なって印刷したものがある。
   原告は平成18年2月17日に原本の文書提出命令の申立を行なっているが,
  とりあえず原本に近づけるため,原告の所持する副本を新たに市内のスーパー
  の複写機(京セラ・KM-C850)で複写して甲第67号証として提出する。
 1 事故当時の道路状況(熊本方面から別府方面)(甲35⑦,甲67①,甲24)
  (1) 本件事故直後から,現場で捜査にあたっていた,保安警務隊及び熊本県警
   小国署員から,事故当日午前11時50分に現場に到着した早水巡査長が捜
   査の引継ぎを受けている場面である。引継ぎ時間を30分とすると,平成1
   1年10月7日午後0時20分ころの写真である。
  (2) 画面左に,白シャツの制服を着た警官(早水巡査長),紺色のシャツに反射
   ベストを着用した2人の警官(小国警察署員),右腕に腕章をつけた作業服の
   自衛官(保安警務隊幹部)その他数名のヘルメットの自衛官が写っている。
   この一団の後方に警戒標識(KP34.9の警戒標識)が写っている。 
    原告の主張①・この警戒標識は事故当日存在しない。
    原告の主張②・画面の右側には,適当な草地があるのに(甲第66号証),
   交通統制も行なわずに,ヘヤピンカーブの頂点の危険な位置に,たむろして
   いるのは危険でもあり不自然である。
  (3) 画面右にKP34.9の里程標が写っている。
    原告の主張③・この警戒標識は事故当日存在しない。
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  (4) 画面右に黄色の荷物を積んだ原告車とその後方に原告の靴が写っている。
    原告の主張④・この時点では原告車に荷物は積まれていない。原告の荷物
   は,原告の身元確認のためなど内容を確認する必要があり,既に降ろされ,
   靴と共に原告の搬送先小国公立病院に運ばれるため車に積み込まれている。
  (5) 草地の上に約6名のヘルメット,作業服の自衛官の一団が写っている。
    原告の主張⑤・ここにたむろしている理由がない。
  (6) 画面左上の草木の部分が真っ黒に写っている。
    原告の主張⑥・写真の草木の部分が加工・隠蔽されている。  
 2 事故当時の道路状況(別府方面から熊本方面)(甲35⑧,甲67②,甲24)
  (1) 自衛隊車進行車線のカーブの頂点付近の路側に長者原駐在所の小型警ら車
   が駐車している。実況見分調書写真(甲32⑩)の位置と同位置である。
    原告の主張①・事故現場見取図((甲41)で長者原駐在所は別府方面にあ
   り,早水巡査長が駐在所から現場に来る場合,当然に進行方向の左側の草地
   に駐車する。なぜ,Uターンして,反対車線のヘヤピンカーブの頂点付近に,
   路側帯を塞いで,進行してきた逆方向に違法駐車しているのか。
    原告の主張②・小型警ら車,自衛官と早水巡査長,73式小型トラック及
   び草地付近の視線誘導標などの写り具合が,擁壁上の警戒標識の色合いを含
   めた背景と調和せず不自然である。
  (2) 小型警ら車の前で,自衛隊の作業帽,作業服に腕章を着けた自衛官が,早
   水巡査長に何か手渡している。
    原告の主張③・この二人は何をしているのか,甲35⑦,甲67①の写真の
   場面で二人の引継ぎは終わっている筈である。浅香らがこの写真で何を証明
   しようとしているのか理解できない。
  (3) 画面左の草地に真っ黒な73式小型トラックが駐車している。
    原告の主張④・実況見分調書写真(甲32⑩)に小型トラックが駐車して
   いるのに合わせるため,画像を挿入した。トラックの下方の草地の影まで直
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   線で切り抜いているので素人目にもねつ造がわかる。
    原告の主張⑤・小型トラック付近の草地の視線誘導標の配置が実際と異な
   る。誘導等の配置(甲32⑩甲66①②③④⑤⑧⑨)と比べると余分な誘
   導標が挿入されている。
  (4) 画面の左上方が真っ黒である。
    原告の主張⑥・背景の草木の状態を隠蔽するため黒く塗りつぶしている。
  (5) 原告車の車線中央にカーブに沿って9個のひし形の白色のマークが,あた
   かも原告車の走行位置を示すように写っている。このマークは,実況見分調
   書添付写真(甲32⑩)及び事故から22日目に撮影され写真(甲66①②
   ③⑧⑨)にも,6個写っている。また平成13年9月に撮影された事故状況
   再現写真(甲27)にも同様のマークが写っている。
    原告の主張⑦・このマークについて,警察も自衛隊も言及していないが,
   原告車の走行地点を表示していると考え,「第3・原告車線のひし形マーク」
   で,さらに詳しく検討する。
 3 本件自衛隊車両1・2(甲67⑤⑥),炊事車の衝突痕1~3(甲67⑫⑬⑭)
  (1) 甲67⑬の本件トレーラのタイヤホイール及びホイールナットには傷一つ
   なく,塗装もはげていない。
  (2) 原告車前輪右ホークに傷がある。(甲67⑩甲第69号証⑨⑩)。小野寺
   は別件訴訟で,この傷について見分した警官は「この傷は,トレーラのホイ
   ールナットがありますけれども,そのホイールナットのところと接触したと
   きの傷だと。」と言ったと証言している(甲22,速記録26頁)。
  (3) 写真(甲67⑫⑬⑭)の説明で,炊事車の衝突痕(赤で囲った部分)とし
   てタイヤの側面に赤でしるしがつけられている。 タイヤは天然,合成ゴムで
   作られているから,原告車に上記の傷はつかない。
    原告の主張①・甲67⑬のトレーラは事故当日に撮影されていない。故に
   甲67の写真で自衛隊車が写っている写真は事故当日に撮影されていない。
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 4 急ブレーキによるタイヤ痕(甲67⑦)
   写真は,測定基準が写されていないので位置が特定できず,道路面だけしか
  写されていないので付近の草木の状況もわからず撮影の時期も推定できない。
  警察・自衛隊(小野寺)が主張する真新しく残っていたという40cmの急ブ
  レーキによるタイヤ痕が写っていない。
 5 原告自動二輪車転倒位置(白い部分)(甲35⑨,甲67⑧)
  (1) 画面右上の草地にKP34.9の里程標が写っている。
    原告の主張①・この里程標は事故当日存在しない。
  (2) 草地に黄色の荷物を積んだ原告車とその後方に原告の靴が写っている。
    原告の主張②・この時点では原告車に荷物は積まれていない。
    原告の主張③・経験則では,靴を置くとしたら通常人は,靴はバイク(原
   告車)のすぐ近くにおく。(甲32②③)
  (3) 草地に,約7人の作業服の自衛官がたむろしている。
    原告の主張④・左側で後ろ手を組んでいる自衛官の左側の迷彩服の自衛官
   の背中から足の部分の画像が直線的に切り取られている(甲第70号証)こ
   とから,この自衛官の画像は挿入,写真がねつ造されている。
 6 原告自動二輪車1・2(甲67③④),同破損状況1・2(甲67⑨⑩)
  (1) 写真③④は原告車の荷物の積載状態を正面と真後ろから撮影している。
   原告の主張①・この場合,通常人であれば,バイクを草地の中央に置き前
   後左右から撮影する。写真③④では,バイクは茅の生え際近くに置かれて
   いる。③と④ではバイクの置かれている場所が同じであるかも疑わしい。
 7 まとめ
  (1) 浅香らが提出した事故現場写真(甲67)の内訳は,ア・道路状況①②⑧,
   イ・原告車③④⑨⑩⑪,ウ・自衛隊車⑤⑥⑫⑬⑭,エ・路面⑦で,合計14
   枚である。
  (2) 通常の場合,道路状況写真を撮影するときはなるべく人物や車が写らない
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   ようにするが,ここでは①②⑧の3枚全部に,自衛官・警察官が写っている。
  (3) ①②⑧の写真から,自衛官・警察官・各車両を消したほうが道路状況写真
   としてはすっきりする。
  (4) ①②⑧の写真の撮影時には,KP34.9の里程標と警戒標識はこの場所
   には存在しない。
  (5) ①②⑧の写真の撮影時には,自衛官は存在しない。写真の自衛官の画像は
   挿入・ねつ造されている。
  (6) ⑤⑥⑫⑬⑭の自衛隊車の写真は事故当日撮影されていない。
第3 原告車線のひし形マーク
 1 平成11年10月7日に自衛隊が撮影した,事故当時の道路状況(別府方面
  から熊本方面)の写真(甲35⑧,甲67②,甲24)(以下,「自衛隊写真②」
  という。)の原告車の車線中央付近に,ヘヤピンカーブに沿って9個のひし形の
  白色のマーク(以下,「このマーク」という。)が,あたかも原告車の走行位置
  を示すように写っている。写真の一部を拡大して甲第71号証として提出する。
 2 警察署等の許可を得ずにこのマークを設置するのは,取締法規違反行為であ
  り,又,このマークの存在は原告車の運転に影響をおよぼすから,堀部警部補
  が実況見分時このマークの存在を認めたら,実況見分調書(甲42)に記載す
  べきところ,このマークについての記載はない。
 3 このマークを設置するには,専門の業者・技術者・材料・機材と,その手配
  時間・作業時間が必要であるから,事故当日には設置できない。
 4 ゆえに,このマークは本件事故当日には存在しない。
 5 したがって,自衛隊写真②(甲67②)は事故当日撮影されていない。
 6 浅香らには,事故当日撮影されていない写真を,事故当日撮影された写真で
  あると偽って,証拠写真として,弁論に使用した違法がある。
 7 なお,このマークは,平成11年10月7日に玖珠警察署が撮影した実況見
  分調書添付写真(甲32⑩)(以下,「警察写真⑩」という。)及び平成11年1
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  0月7日に原告が撮影され写真(甲66①②③⑧⑨)(以下,「原告写真甲66」
  という。)にも6個写っている。また平成13年9月に自衛隊が撮影した事故状
  況再現写真(甲27)にも同様のマークが写っている。
(「平成11年10月7日に原告が撮影され写真(甲66①②③⑧⑨)」は
「平成11年10月29日に原告が撮影した写真(甲66①②③⑧⑨)」が正しい。)
第4 被告準備書面(2)について
 1 警務隊の調査資料
  (1) 被告は,「規則7条は,発生報告書及び事故現場見取図を作成すべき場合に
   ついて定めているところ,本件事故は,事故発生直後に行なわれた玖珠警察
   署による実況見分により,相手側のセンターラインオーバーが原因であると
   して小野寺(国)には過失がなく,国に責任がないと判断されたため,「隊員
   が職務中に他人に損害を与えた」(規則第6条)にあたらないと判断され,上
   記各書類を作成しない運用がなされたものである。」と繰り返し主張する。
  (2) 原告の主張は,文書提出命令申立事件(平成17年(モ)第2411号)
   の,平成18年2月9日つけ文書提出命令の申立に対する意見書・第1に詳
   しく解説したとおりである。要するに,規則では,隊員が自己の職務遂行中
   に他人に損害を与えた場合を賠償事故の発生とし,賠償責任の有無に関係な
   く,順序を経て必要な処置・事故の調査報告が行なわれるのである。
  (3) 規則(甲28)は,高校卒業程度の国語力があれば理解できる事故処理の
   マニュアルである。
 2 KP34.9の警戒標識と里程標
  原告車線のひし形マークは,本件事故後,自衛隊の警務隊が,玖珠警察署及
  び玖珠土木事務所の関与のもとに大掛かりな調査(実況見分)を行なった事実
  を示している。
   実況見分(調査)を行なったら実況見分調書(調査報告書)を作成しなけれ
  ばならない。(自衛隊犯罪捜査服務規則153条)
   玖珠警察署作成の実況見分調書添付の写真については,おって,準備書面で,
  主張・立証を行なう。
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第5 終わりに
 1 本件訴訟は民事事件であるが,本件事故はもともと小野寺を被疑者とする業
  務上過失傷害事件である。事故態様は,単車対四輪車の対向車同士のセンター
  ライン付近での接触事故である。原告がセンターラインをオーバーしたと判断
  したというが,事故発生直後作成された玖珠警察署の実況見分調書,その他の判
  断資料及び原告の道路交通法違反の証拠はない。一方,小野寺は,制限速度毎
  時40kmの,幅員の狭い曲率半径25mのヘヤピンカーブに,トレーラを牽
  引した大型トラックを運転して時速40km以上の速度で進入したことを認め
  ているのであるから,著しい過失がある。
   そもそも,交通事故の当事者の過失の有無,賠償責任の有無を判断できるの
  は裁判所だけであり,警察や自衛隊は判断できない。
   自衛隊,警察及び浅香らはこの事実を認識して対処する義務があった。自衛
  隊が発生報告書及び現場見取図を作成しなかったとしたら判断の誤りであり,
  書類を故意に作成しなかった場合,虚偽の書類を作成した場合,作成した書類
  を破棄又は隠蔽した場合は,自衛隊内部の問題ではなく,刑罰法規違反である。
 2 事故現場写真(甲67)の,ア・道路状況①②⑧,イ・原告車③④⑨⑩⑪,
  ウ・自衛隊車⑤⑥⑫⑬⑭,エ・路面⑦で,合計14枚すべてにねつ造・改ざん
  の疑惑があり,特に道路状況①②⑧の画像挿入疑惑を解明するために,原告の
  平成18年2月17日つけ文書提出命令の申立を採用されるよう求める。
   なを,写真の解析を行い書証として提出できるよう,写真の原本の複製また
  は複写した写真を,原告用として,被告が提出するよう釈明を求める
 3 その他,必要に応じ,主張・立証を行なう。
証拠方法 証拠説明書に記載のとおり。
附属書類
 1 証拠説明書(4)平成18年3月24日 (甲第66~72号証) 各1通
                                  以上