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アメリカに於ける死刑制度の現状

 「週刊ダイヤモンド」の8月23日号にアメリカの死刑情報センター(ワシントンに本拠を置く、非営利組織)のエグゼクティブ・ディレクターであるリチャード・ディーター氏へのインタビューが載っていた。興味深いので要点をご紹介する。

 最近の米国の死刑に関する世論には相反する二つの要素があるらしい。
 一つは、DNA鑑定によって多くの犯罪の潔白が証明されており、死刑判決とその執行が減っているらしい。
 他方、連邦最高裁が今年の四月に、ある死刑囚からの「注射による死刑執行は肉体的苦痛を与えている」との訴えを退けたことで、現在、死刑の執行が通常よりも早まっているという。
 ただ、時間の経過と共に米国全体の大まかな動向を見ると、1990年代には毎年300人以上が死刑判決を受けていたが、現在、死刑判決が毎年110人から120人に減り、死刑執行も99年には100件あったのが、一昨年は53件、昨年は42件に減ったという。アメリカでは、判決・執行の両面でずいぶん死刑が減っている。
 この背景をディーター氏は、「死刑執行に至る司法システムの随所で関係者が注意深くなり、過程が長引いている」からだと語っている。過程が長引くと、新しい証拠を探したり、優れた弁護人を雇ったりすることが出来て、死刑を免れるケースがあるのだという。
 一方、人道的な理由で死刑に反対する人は約20%に過ぎないという。しかし、現在の司法システムが非効率的・非生産的だと見なすゆえに死刑に反対する人が増えているようだ。現在、陪審員も、死刑か否かではなく、死刑か終身刑かを問われるようになっていて、終身刑が選択される場合が多くなっているらしい。
 「極刑として死刑がふさわしいかどうか」は現在の論点ではなく、それ以前の【コスト】が問題にされているとディーター氏は語っている。
 端的にいって、囚人を40年間拘置するコストの方が、死刑よりも安いのだという。死刑執行までには様々な司法過程を経る必要があり、高いコストが掛かるのだという。この理由から、昨年末、ニュージャージー州は死刑廃止を決めたという(現在、50州中36州が死刑を存置しているという)。
 尚、死刑制度によって犯罪が抑止されるかどうかという点に対しては、「犯罪が抑えられるから死刑制度を支持する」という国民は13%しかいないのだという。犯罪の抑止効果は目下主要な論点になっていないようだ。

 もちろん、上記は、死刑制度に関して倫理面も含めた決定的な答えを出すものではない。ただ、死刑の社会的「コスト」に関しては考えやすい事例になっているだろう。
 ディーター氏の言うコストは、死刑制度を存置した場合と廃止した場合で社会が使う費用全体の差に注目したコストだ。制度の存否を問う上のコスト論としてはオーソドックスなものの一つだが、もちろん、この点のコストの議論だけで、死刑制度を存置すべきか否かの最終的な答えが出るものではない。一つのご参考としてお知らせする。
 死刑制度の可否については、過去に当ブログで賛否両方の立場から多くのコメントを頂いた。しかし、たとえば、「コスト」を理由に死刑制度の存置を支持する意見があり、他方でこの意見の持ち主は、自分の言っているコストに関して自分で説明することができずに終わるなど、議論が中途半端なままであった。
 死刑制度存置の可否について、根拠のあるご意見があれば、是非拝聴したい。

 尚、コメントは歓迎しますが、単なる好き嫌いや、意見として意味をなしていない叫びのようなもの、あるいはコメントの内容を自分で説明できない方のコメントは、読者の参考にならないので、ご遠慮いただけると助かります。

(あまりにレベルの低いコメントは削除した方がいいというご意見を複数頂き、基本的にそうだとも思うのですが、なるべくなら、そのような野暮なことをせずに済むと有り難いと思っています)
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Unknown (吉村)
2008-08-22 08:21:54
「囚人を40年間拘置するコストの方が、死刑よりも安い」
という点に関して、下記のような疑問があります。

1.常識的な感覚では「終身刑のコストの方が死刑よりも安い」と言うのはおかしい。これは司法制度に無駄があるだけであって、制度変更によりコスト削減が可能なのではないか?

2.そもそもデータが死刑廃止論者からだされたもので、意図的に終身刑のコストを低めに、死刑のコストを高めに出されているのではないか?

3.コストの大部分は恐らく訴訟費用が占めると思われるが、結果的に死刑になったケースは、結果的に終身刑になったケースよりも、そもそも重大な事件であり長期の審議を必要としたため訴訟費用が掛ったのではないか?

終身刑と死刑に関するコストの内訳やデータ元を知りたいですね。
 
 
 
終身刑のコスト (山崎元)
2008-08-22 11:56:30
吉村 様

コメントありがとうございます。

終身刑の側のコスト計算には洩れがあるかも知れませんね。終身刑でも、再審を求めたり、新たな証拠探しをしたりということがあるでしょうし、延々と司法関連のコストがかかるというケースもあるでしょう。終身であるがゆえに、これが長引く可能性もあります。

ただ、死刑という刑罰が存在すると、これを争うコストが非常に大きくて、40年の拘置コストを大きく上回るということは十分にありそうな話です。

死刑だと殺してしまえば終わりだし、終身刑だと長年費用が掛かるから、死刑がある方がコストが安くつく、というような単純な話ではないということでしょう。

死刑制度がないほうが、或いは死刑を争うケースを減らす方が、社会的に無駄が少なくて、現実的なのではないか、という立論は十分ありそうです。

一方、コストが高いから死刑を廃止すべきだと直ちに言えるわけでもありません。死刑の可否には明らかに複数のポイントがあります。
 
 
 
Unknown (tomo)
2008-08-22 15:50:24
確かに単なるコストで見た場合、終身刑にして労役を貸したほうが経済活動に寄与するしコストもかからないとは言えるでしょう。

しかし、では自分の家族が殺された場合、それで納得できるかといえば私は納得できません。
間違いなく全てを投げ打ってでも復讐を果たそうとするでしょう。
そんなことをしても殺された家族は帰ってこない・・・そのとおりです。
問題はそこではないのです。
家族を殺した人間がのうのうと生きている事が許せないのです。
殺された家族の仇を取ってやりたい・・・そう思うのは自然な感情ではないかと思います。

これは感情なのでコストは度外視です。でも人間はコストばかり考えて生きている訳でもありません。
 
 
 
収監費用 (ふらっと)
2008-08-22 16:21:59
刑務所における一人あたりの収監費用は、根拠がしっかりしてそうな試算で、年間55万とありました。

http://q.hatena.ne.jp/1178102199

実感としても、「娯楽活動のない、寮生活をしながらの現業職で、給与は最低賃金をはるかに下回っている」ようなものなので、そんなものだろうなと思います。

また、死刑といっても、相当の期間収監されるため、結局裁判費用などのコストが、その差異のほとんどを説明できるのでしょうね。

また、死刑をあらそうような事件(まあ、殺人が多いのでしょうが)の犯人の再犯率は、相当程度高かったと記憶していますし、また、そうでなかったとしても、生活保護対象などで、刑務所以上の「コスト」を社会が払うことも多そうです。また、その事件の被害者側の感情としては、(死刑も含め)社会に復帰して欲しくないと思っている人が大多数でしょうし、また、社会不安として、殺人を犯した人が街中にいる、ということの心理的コストは相当なものと思われることから、経済学的にいうと(根拠が正しければの前提ですが)、死刑を廃止し、途中出所のない終身刑を設定すればいいという結論になるのでは?(あくまで経済学的にですが。)


 
 
 
他意は文字通りない、が (作業員)
2008-08-22 16:22:54
>家族を殺した人間がのうのうと生きている事が許せない

大野ケースの医者が生きているのはいいのか?
ってーのは、意地が悪いメモだわなあ。しっかし、ひとつの見方として、7○1武見医師会が裁判官にニギニギさせたんではないのか? ってーのがあるやろ。それが、声を出して応援したら派クラレそうな方の斉藤風ジャーナルな物の見方ってーもんだわなあ、日歯の前科、があるからなあ、藪医者どもには。医者つながりやし、もうじき麻酔医にスライドだか格上げだかになるんやろ歯医者先生も。
押売の小僧とか犬面のエセ仏教徒とか十月のセミとかズラの疑いのある元役人議員とかが、殺せ殺せ死刑!死刑! って大騒ぎしたらば、当該医者も吊されるわけやろ、で、ご遺族の感情は・・・、わしは、ご遺族でないので、知らん。国策捜査があるなら、国あるいは特定団体に操作された判決ってーのも、あるかもなあ。もちろん、国ってーのは、国民がつくってるんだがなあ、このあたり、難儀なところだわね。
 
 
 
被害者感情に配慮して (joy408)
2008-08-22 16:39:20
被害者(遺族)感情に配慮して、終身刑を創設の後、死刑相当の罪を犯した加害者の処遇の最終判断、つまり死刑か終身刑かを被害者関係者の判断にゆだねる。
そして、死刑と判断が下されたのなら、被害者に死刑台のボタンを押してもらう。

これなら被害者側の復讐心も満たされるだろうし、現行死刑のように全く加害者とは関係のない刑務官に殺人の心理的負担をさせずに済むから、いいのではないか。

過去、被害者側の中には加害者の罪を犯すに至った経緯を知るに及んで、死刑にしてもらっては困るとの思いを抱くも、結局死刑執行に至った事例もあります。
こういうことは防げるでしょう。

あと、死刑執行は関係者(被害者も勿論含む)全員に公開すべき。
非公開で行われることには疑問を感じる。
死刑執行を実際見て、反対論に至った人は多いです。
 
 
 
企業の税金を下げるために死刑は必要 (kasu)
2008-08-22 17:23:57
日本の税金は高すぎて企業は大体5年以内に倒産する。税金が高いのは、経済の成長力がないのに人口が多すぎるからだ。地球上の50人に1人が日本人なのは多すぎる。企業の税金を下げるために死刑は必要。
 
 
 
たぶんネタだとは思うものの (作業員)
2008-08-22 17:46:18
>製造業の税負担率が最低 海外利益を還流せず(日経)

事実ってーのは、こんな感じで。たぶん死刑廃止論者の斉藤貴男、が声にだして、税金なんぞおめーら負担してねーでねーべか! とか叫んでいる、わけである。倒産はしない、拠点が移る、自国民を搾取の対象とする、次に外国人。が、そんなことをこんなところで叫んだらば、経団連に訴えられるので、わしは失敬する。
 
 
 
Unknown (ペイトン)
2008-08-22 17:52:42
>囚人を40年間拘置するコストの方が、死刑よりも安いのだという
この文章をそのまま解釈すると囚人一人が終身刑か死刑かのコストだけを考えてしまいそうですが、ひょっとしたら違うのでは?
すなわち、年間の死刑判決100件分の死刑囚100人がそのまま終身刑になったとしても、現在存続している刑務所で100人程度の増は大きなコストにならないということなのではないのでしょうか?
ちなみに2001年(少し古い)の全米犯罪件数は1184万9006件だそうです。このうち、有期刑は何件で終身刑は何件なのかは想像するしかないですが、そこにプラス100人終身刑が増えるだけ・・・大したコストにならなさそうです。しかも死刑に関するコストがゼロになるのですから。

しかし感情論だけを展開させると、私にとって「日本の刑罰に死刑が無くなり重犯罪者が命長ら得る」ことに対してのストレス(精神的負荷コスト)は数字で計れるものではありません。漫画「デスノート」がこれだけ流行ったことを考えても、客観性があると思います。むしろ欧州の死刑廃止傾向が不思議でしょうがありません。
 
 
 
死刑/終身刑コストの評価について (安井)
2008-08-22 18:29:38
初めて書き込みさせていただきます。興味深い記事をありがとうございます。

計量できる経済的コストが、死刑よりも終身刑を支持するという主張は興味深いです。この主張の正否が客観的に検証されれば、死刑問題の議論が少なくとも一歩前進しますね。

ところで、最初の吉村さんのコメントにある3つの疑問点は私ももっともなものだと思いますが、特に困難なのは(1)の論点ではないかと思います。なぜ困難かというのは、(1)の疑問は「死刑の現行制度のコストが、適正値と異なるのではないか?」と言い換えられると思うのですが、冤罪の頻度と運用コストの間にはトレードオフが避けられないとすれば、適正なコストは客観的には決定できないからです。

つまり、「現行制度のコスト」ではなく「適正なコスト」を問題にし始めると、当初の問題は計算によって結論が出る問題でなくなってしまうのだと思います。

ですので私の考えは、現行制度に無駄があるかどうかという点はとりあえず保留をして、現行制度を所与としてコストを評価しよう、という形で一度問題を限定するのがよいと思います。

なにはともあれ、もしコストの議論を進めるなら、コスト評価に関する具体的な議論を見てみるのが先決かと思います。死刑のコストに関するディーター氏の議論は以下で読めるようです。

死刑情報センター
http://www.deathpenaltyinfo.org/

"Costs of The Death Penalty and Related Issues"
http://www.deathpenaltyinfo.org/COcosttestimony.pdf

まだ読んでいませんが、近いうちに時間を見つけて読んでみようと思っています。

***

最後に、死刑制度そのものについての意見を述べます。
上記資料などをまだ何も読んでいない現状では、倫理的問題や「取り返しのつかない冤罪」の不可避性だけでなく、経済的コストすら死刑制度を支持しないのであれば、私個人も死刑制度を支持しようという気持ちにはならないというのが率直な感想です。しかし、私という個人の人生経験の狭さを顧みると、自分の意見に全く自信は持てなくなります。

長文の上、文章がよくまとまっておらず失礼いたしました。

 
 
 
どっちが残酷 (ケビン67)
2008-08-22 18:33:35
保岡法務大臣が、就任の新聞インタビューで、「終身刑というのは、『刑務所の外に出られる』という希望をもつことのできない残酷な制度である」と答えていたと記憶します。
そういう見方もあるのかと関心した次第です。

本当にそうだとしても、世の中の人は、「囚人は塀の中でのんきに暮らしている」と思っているので、世の中に「どの程度、つらい生活をして、罪を償っているのか?」についてきっちりと周知したほうがいいと思います。
 
 
 
所感 (Unknown)
2008-08-22 18:56:07
終身刑と死刑で費用の中身に大きな違いはなく、訴訟(再審)を繰り返す、時間がかかることが、現実に差の生じる理由だと思います。
終身刑や死刑を言い渡されると、確実に長引いていくというのも言えないと思います。
結局、社会に終身刑のしかない場合、死刑だけの場合、二つともある場合で、コスト面で違いがあるのかが私には分かりません。
遺族感情であるとか、宗教的に受け入れられないとか、主観的な問題になってしまうのだと思います。
個人的には、将来自分や親しい人が当事者になったときのことを考えると、死刑はあった方が良いです。

大雑把な意見ですみません。
 
 
 
なにさまなの? (覚醒Ⅲ)
2008-08-22 20:37:44
大野のお医者さんは、殺そうと思って手術したのかい。!詰まらん例の引き方をしなさんな。それでなくても傷ついている人の傷口に塩を塗りこめて嬉しいの?
 
 
 
Unknown (もし「コスト」を正確に試算できるのであれば)
2008-08-22 21:02:47
仮に、死刑を存続させた時の社会的コスト・廃止した時の社会的コストを客観的かつ正確に試算することができるとすれば、それは例えば遺族感情とか生命倫理などといった曖昧模糊としたものよりは、ずっと説得力を持った判断基準になることは間違いないと思いますね。どういった制度が日本社会にとって望ましいのかを議論する上では。

ちなみに、私は死刑制度に関しては容認(というか現制度でいいんじゃないですか)的な意見を持っています。死刑を廃止する方向で物事を進めること自体、多大なエネルギーとコストを要すると思いますので。面白くともなんともない意見で大変申し訳ないです。。
 
 
 
恩赦法 (shotoku)
2008-08-22 23:16:56
日本には恩赦法という法律があり、再審以外にも死刑執行をまぬかれる可能性が残されています。

参考までに法令データ提供システムのURLを引いておきます。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO020.html
 
 
 
目には目を (ny)
2008-08-22 23:29:50
目には目を・・・

↑これは「目をつぶされたらつぶし返せ」といった意味で使われますが、本来は全く違います。

相手の目をつぶしたら自分の目をつぶして償わなければいけない、という公平な司法制度を意味しています。世界でももっとも古い司法制度(ハムラビ法典)の一つです。

あいてに違法な手段で損害を与えたら、同じだけ損害を受ける、といのは公平な世の中の最低条件に思いますがどうでしょう。「同じだけの損害」に死刑は含まなくても良い、というのが死刑反対論者の言い分ですが、それは公平な世の中の運営を阻害しているように思われます。

↓参考までにどうぞ。
「ハムラビ法典 wiki」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%83%93%E6%B3%95%E5%85%B8

以下、上記ウィキより引用
「(目には目を、は)現代では、「やられたらやりかえせ」の意味で使われたり、復讐を認める野蛮な規定の典型と解されることが一般的であるが、「倍返しのような過剰な報復を禁じ、同等の懲罰にとどめて報復合戦の拡大を防ぐ」すなわち予め犯罪に対応する刑罰の限界を定めること(罪刑法定主義)がこの条文の本来の趣旨であり、刑法学においても近代刑法への歴史的に重要な規定とされている。」
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-08-23 00:33:50
死刑をコストで語ることがそもそも間違い。
あなたはいつも机上論だけご立派です。
ダイヤモンドの提灯持ちもほどほどに。
 
 
 
別の視点 (ワシントニアン)
2008-08-23 00:43:54
もう一つの論点として、犯罪人引渡し条約の関係があると思います。現在、日本はアメリカ及び韓国としかこの条約をむすんでおらず、容疑者がこの二カ国以外の国の国民で祖国に逃亡した場合、日本は引き渡しを受けることができません。時折犯罪被害者の遺族(家族)が、怒りをぶつけているのをテレビでみます(と同時に昔ペルーのフジモリ元大統領が日本国籍を有するが故にペルーの引き渡し請求を逃れたことがありました)

なぜ、犯罪人引き渡し条約が結ばれていないかというと、極端な例で言うと、女性が肌を露出させた場合、むち打ち百回などというように、日本として受け入れられない刑体系を持っている場合があること、

それからお気づきでしょうが、先方の国が死刑制度を廃止している場合になります。例えば、欧州諸国で犯罪を犯し日本に逃げ帰った日本人を欧州諸国に引き渡すことは日本として受け入れ可能かも知れませんが、

欧州側からすれば、日本に自国民を死刑にさせることになるかもしれない犯罪人引き渡し条約を結ぶことはできないわけです。

一言で言うと、日本に死刑制度があるが故に、犯罪被害者やその家族(遺族)が、容疑者がその祖国でのうのうとしているのを我慢しなければならない(無論その国での(死刑を含まない)裁判が行われる可能性はありますが)ということになります。

 
 
 
Unknown (やまいも)
2008-08-23 01:30:15
純粋に経済的に考えるとすると、
犯罪者に対しては、次の考えが
原則なのではないかと思う。

1.更生できるのなら、更生させ社会で財を
 生み出してもらう。

2.もし、更生できないのならもっとも安価なコストで
  すむ方法をとる。


で、死刑廃止の是非についてですが、


死刑か無期懲役かを判定するために、
多大なコストをかける
というのは、
どちらにしても更生をあきらめているわけだから、
2の立場にたてば、NGだと思う。


というわけで、死刑廃止に賛成。



 
 
 
死刑にコストを考慮しないで (よさぼうず)
2008-08-23 10:59:10
死刑は存続すべきである。
そして死刑か終身刑でのコスト論議は本質を直視し真摯に問題提起しようとしない、死刑廃止論者のある意味詭弁である。
そもそも刑罰法廷主義と、刑法の基本たるハンムラビ法典によれば、犯罪に対しては同等の刑罰を加えることにより解決を図ることが、古来からの知恵である。
しかるになぜ死刑だけを排除すべきなのか。もちろん誤審の可能性はあるものの、全ての死刑案件が誤審の可能性を含んではいない。たとえばさきに秋葉原での連続殺人事件など立証されており、すぐに公開死刑を執行すべきである。死刑執行では被害者に対して報いるということ以外に、犯罪者を社会から抹殺し他の市民を安心させる効果に加え、犯罪抑止力に資するという大きな大切な効果を忘れるべきではない。先般の秋葉原事件もその前の茨城荒川沖事件が誘発したものであり、所詮人間とはその程度の存在なのである。某国のアッホな首相が過去、人の命は世界よりの思い、なとど田分発言をしたが(ナントそのムスコも同じ仕事やっている)中国やロシアをみるまでもなく、この日本では石井コウキ議員の暗殺や、耐震偽装を暴こうとした某新聞記者が行方不明になるなど、人の命なんて全くをもって軽く扱われている事実を知るべきである。ましてや、被害者に対して、そして社会に対して悪影響を与えた輩に対して、死刑を執行するのは当然である。上記2例は社会悪を暴こうとしたがために、殺されたのである。程度の差こそあれ、日本も中国もロシアも、そして当然ながら米国も、為政者にとりまた市民にとっても人の命は軽いものである。コストがかかるなら、裁判官の怠慢を厳しく指摘し、さっさと判決して殺せばいいのである。そうすればコストは大幅に軽減される。オームの松本なんか刑務所に入ったから、麦飯食べて却って健康になって長生きしているではないか。捕まらずにあのまま怠惰な生活していたら、とっくの昔に糖尿病か脳梗塞かなんかで死んでいたのに。こんな例などは確かに高コストといわれるかもしれない。コストをいうなら、裁判官の怠惰と今迄の法務大臣の怠惰と、弁護士の悪行を批判すべきである。
 
 
 
わしに吠えているのかどうかもわからんのだが (作業員)
2008-08-23 15:51:44
>それでなくても傷ついている人

なにさまかというと、俺様かわし様、ということになるのであるが、それでなくても傷ついている人って、誰よ? 医者か? 医者というのは、こういうケースに当たり前にドショウメンで向き合わねばならんのだからさあ、そんなショーネもねーのに、医者になって、続くわけなかろうに、やめれやめれ、ハケンでカメラでもつくれ。医者の数を抑制したのは、医師会、今日の医療崩壊の元凶は、医師会と自民党プラス公明党。ま、これは、筋ちがいな話だった。
国家は、特定個人の救済はしない、何度いえばわかるかね、誰かが傷ついている、その傷を国家がいやしてくれる? ファンタジーではないかね。もうちょっと、まじめに死刑を考えようではないか。現法務大臣のあの満面の笑みを思い出せ、大臣に任命されたときの、あの満面の笑みを。死刑が執行される日は、朝から晩まで、あの男の、あの笑みを、マスコミは垂れ流すべきである。
 
 
 
恐怖による抑止 (XYZ)
2008-08-23 16:10:55
死刑存置廃止論議第二ラウンドですね。
私が思うにハムラビ法典的な死刑制度というのは、核抑止論とよく似ているような感じがします。コストの問題も平和を維持するのに核を廃止した方が安くつくのか、それとも高くつくのかという論議に代替して考えても、そう間違ってはいないのではないかと思います。核廃絶が冷戦時代より進んでいる現代、本当のところ平和維持コストが以前より安いのか高いのか試算は色々とできるのでしょうが、きっと結論はでないと思います。それはそもそも平和が以前より実現できているのかいないのかという回答困難が問いが出てきてしまうからです。多分、死刑と終身刑のどちらがコストが安いのかを問うと、それ以前に死刑と終身刑のどちらが治安コストが安いのかという問いが発生し、さらに遡って治安程度を測る指標が何かで紛糾し、きっと論議の筋道はよく分からなくなってしまうでしょう。
死刑の存置・廃止を定量化によってすっきり解決できる論議にもっていく道ならしを行うことは相当時間と頭をしぼらないと人々を同じコンセンサスに達する土壌を醸成することは無理ではないでしょうか。(あるいは実験的にやめて結果を測定するという方法もあるでしょうが)
そこで、私はそのような高度な議論に近づくことはやめ、より感覚的な意見だけを述べようと思います。
核ミサイルを撤去すれば、少なくとも恐怖感がどこかで減るような感じがします。では死刑制度がなくなって、ほっとするのかしないのか? これも意見が分かれるところですが、私は太古から続く恐怖を与えるための制度が無くなり、国家の重みが軽くなるは、ひとつの進歩だと感じます。
 
 
 
Unknown (XYZ)
2008-08-23 16:15:29
>作業員様

>現法務大臣のあの満面の笑みを思い出せ

あんまり人を見かけで判断したくないのですが、
仰る通り、あれは殺しが好きな顔ですよ。
 
 
 
やりますな (作業員)
2008-08-23 17:41:50
>国家の重みが軽くなるは、ひとつの進歩

そもそも、国家ごときに、人殺しをする権利などあるのか、ちゅう話ですなあ。国家が求めてやまないのは、秩序、です。死刑が廃止されても、秩序、が維持できるのであれば、国家は、無関心であるか、いくらかすすんででも、死刑を廃止します。問題は結局、こちら側、にあります。死刑など廃止されても、なんちゃーない、涼しい顔、でいられる人間の数、まだまだ、少ないですが、進歩、ということでいえばそういうことでしょう、早晩、死刑は廃止されます。なし崩し的にか、上からの教育や洗脳によるか、これは、時間の経過を見るしかないでしょう。
 
 
 
Unknown (インフル)
2008-08-24 01:41:36
犯罪の発生率が低い方を選びたいですね。
ただ日本はデータが取れないのでアメリカを参考にするしかないのかな。
犯罪の抑止力としては、どちらがいいのか今のところデータで出ていないので。
 
 
 
死刑はいったい何円なんですか? (みっく)
2008-08-24 01:44:20
コストは大切なのでしょうが、
国家運営の論点としては無視するほど小さくはないんだろうかと思います。

死刑廃止に反対する人の、
「コストがかかるから死刑存置」
も同様な理由で無視して良いと思います。

しかし、いったい何円なんでしょうね?

--

罪人に対する罰として、
死刑と同等なものを発明できれば、
私は死刑を廃止するべきだと思いますが、
それまでは極刑は死刑で仕方ないですね。
 
 
 
しかたないですめばいいのだが (作業員)
2008-08-24 13:32:19
>それまでは極刑は死刑で仕方ない

本の紹介が仕事と化しているので、ここでも一冊。

「自白が無実を証明する 袴田事件、その自白の心理学的供述分析 浜田寿美男著 北大路書房3600円なり」

あの見るからにツマラナイ男が、笑いながらパウロ袴田を吊るしたとき、そのことがひとつの契機となって、死刑廃止は実現に向けて動き出す、かどうかは、パウロ袴田が吊るされてみないとわかりません、万国のヤソやムスリムやクソ坊主どもが、どういう反応をするか、でしょう。
大野ケースは、国がでっち上げた、冤罪だ! 彼は名医だ、藪医者ではない!
と叫んでいる藪医者どもも、死刑は廃止せにゃならんわなあ、わしらも(国あるいはテレビ芸者に煽られた大衆に)吊るされそうだし、と思ってもらえれば、幸甚です。

ついでなので、森炎というチバケタ名前の著者が書いて、パロディ社というこれまたチバケタ名前の出版社が出している、「あなたが死刑判決を下すその前に」、という本があるので、パクリでっけど、死刑の基準、についてメモしておきましょう。

まず、死刑適用の三要素は。
ひとつ、被害者の数
ひとつ、被告人が若年かどうか
ひとつ、犯行の計画性
であります。いろいろすっとばして、結論、は。
「三人殺害の場合は、原則的に死刑、一人殺害の場合は、逆に、原則的に死刑にはならない。二人殺害の場合は、保険金殺人、誘拐殺人、強盗殺人では死刑となることが多いが、単純殺人や、放火殺人、婦女暴行殺人では必ずしもそうではない」
被告人が未成年のケースは。
「三人殺害の場合は、死刑の結論に影響しない、一人殺害の場合は、なおさら死刑にならない。二人殺害の場合は、未成年ということで今までは死刑にならないとされてきたが、これからは死刑もありうる」
あくまで、形式的に、であるので、感情的に、ならないように。
 
 
 
梅川事件 (kayano)
2008-08-24 13:49:54
>死刑と終身刑のどちらがコストが安いのかを問うと、それ以前に死刑と終身刑のどちらが治安コストが安いのかという問いが発生し、さらに遡って治安程度を測る指標が何かで紛糾し、きっと論議の筋道はよく分からなくなってしまうでしょう。

それそれ!それですよね。おかげさまですっきりしました。これで前回からのコスト論争(?)は決着がつくのでは?

ところで、気になっているのですが、死刑賛成の方々は「殺人はばれるもの」「犯人はつかまるもの」という前提で話をされていませんか?
   殺人事件発生→犯人逮捕→刑の執行
という流れが100%確実であれば、「殺人者はすべて死刑にすれば安心」という考えも成り立つのでしょうが、ばれない殺人はありそうだし、つかまらない犯人はいっぱいいますよね。私はそれが怖いので死刑制度は怖いです。

死刑というのはつまり人間界からの追放ですよね。死刑確実の罪を犯した人間というのはつかまっていてもいなくても生きながら人間界から追放されるわけです。(鬼扱いになるのかな)。もう説得ができる相手ではなくなります。(狩の対象でしかない)。そういう人間(?)が誰とも分からずいるというのはとても怖い。死刑がなければ「親が泣いておるぞ」と呼びかけることが出来ても、死刑があると呼びかける言葉は全くなくなります。

梅川事件(三菱銀行人質事件)というのをご記憶でしょうか。リアルタイムでTVを見ていてあれは本当に怖かった。今から29年前、猟銃を持った男が銀行に押し入り、4人を射殺、客と行員39人を人質にして42時間立てこもったのです。既に4人を殺した人間に人質にされている恐怖はTVを見ているだけでもいたたまれませんでした。あとは死刑しかない人間なんですから。親を呼んで説得させたりしているのが空しくて辛かった。(犯人射殺でことは終わりましたが)。

あれ以来、「死刑はイヤ」と強く思うようになったのかも。
 
 
 
梅川ケースについては (作業員)
2008-08-24 14:04:11
破滅 梅川昭美の三十年
という本が、幻冬舎アウトロー文庫から出ていて、鬼畜反日新聞扱いが極まっている、三日遅れの毎日新聞社会部がまとめていまーす、たまには、毎日の仕事も読んでやってください、三日遅れですが。

コストはやめにして、価値、に移るわけでっか。命の価値、といい始めると、また紛糾するので、わしは、命の数、と言うようにしています。追加的に、一個、命を奪う、ことの是非、店主は早くにこの話を理解しておられたので、馬鹿でかい理系脳にも、慈悲の心があるんだな、仏教徒の頭は汚い! とか叫んでいたわりには、と思ったものでした。犯罪被害者の懊悩とは、人として、か、修羅として、か、という苦しみなわけですね。その悩みそのものが、人として、の悩みだ、と言うと話がキレイすぎるので、失敬します。
 
 
 
そのうちEUと・・・ (ABR)
2008-08-24 18:25:47
>死刑をコストで語ることがそもそも間違い。

こういう結論を引き出せればこのコラムの目的は達せられたように思います。
死刑制度存置派の今までの主張が相対化されるわけですからね。

ちょっと話が飛躍しますが、EU加盟を目指すトルコが死刑制度を廃止しました。そのうちEUが死刑制度のある国との貿易を不利に扱う日もやってくるかもしれません。アパルトヘイトが廃止される前の南アフリカのように。または鉛を使った製品をEUが率先して輸入禁止したように。

排出権取引だってはじめはみんな相手にしてなかったから、こういうことも万に一つあるかもしれません。
 
 
 
結論を出すなら (k)
2008-08-25 01:52:48
コストだけが唯一結論を出すことができる論点なんですよね。
他の点を議論しても平行線で終わる気がします。

死刑存置の唯一の根拠である「応報」にしても
私はその考えを理解はできますが、同意はできません。

罪人は生きて苦しむべきです。
死ぬなんて逃げですよ。

自分のやったことを自覚し
気が狂うほど後悔してもらいたい。
現実にはそうはうまくいかないのだろうけど
これが理想形で、それに近づけていくべきだと私は思います。

でも、そうは思わない人は(たくさん)いるでしょうし
そういう人たちを相手に有意な結論を出せる気がしません。
主義主張の問題ですから。

なので結局は、
外交関係とか死刑制度のコストとかの現世利益だけで
判断してしまうのが良いと思います。
 
 
 
コストがゼロか否か (山崎元)
2008-08-25 04:30:27
kさま

すっきりしたコメントありがとうございます!

現実的には、広範囲を包含するコストが重要なのでしょうし、とはいえ必ずしも合理的ではない「多数決」で物事が決まります。

極端な仮定として、コストがゼロで、犯罪の事実と、犯罪に対する社会的に適切な処罰を決めることができるなら、「殺人には死刑を対応させよう」というのは、納得できる考え方の一つでしょう。

しかし、個々のケースに死刑が適当なのかどうかを決めるには大きなコストが掛かるというのが現実なので、死刑存置に賛成の人は(死刑なしの方がコストが掛かる場合には死刑廃止論者がですが)、このコストに見合うメリット(倫理的、あるいは実利的)の大きさを説得する必要があります。

この場合、死刑が存在することによる犯罪の抑止効果については、いまのところ、説得力のあるデータがありません。

一方、上記のようなデータがあっても、絶対的な倫理的観点において、殺人には死刑であるべき、といった信念の精神的効用や、被害者の関係者の効用といった要素は意見ないし尊重されるべき好みとして主張可能でしょう。

一方、仮に死刑がない方が諸々のコストが小さいということがデータでほぼ説得的に立証されたとしても、「国」にこれをやらせるはよくないとか、人を追加的に殺すこと自体がダメだといった意見や(ある種、死刑廃止原理主義的な)好みも主張できるのだろうと思えます。

ところで、懲役や禁固がどれくらい「苦しい罰」なのかが、案外重要なポイントなのかもしれません。

仮に、これらが、相当に苦しいなら、また、苦しさの程度を調節できるなら、死刑存置の可否に関する人々の意見が変化する可能性があります。

たとえば、死刑と拷問はどちらが残酷なのでしょうか?

それがいいかどうかは、よく考えてみないと分かりませんが、拷問並みに苦しいか、あるいは恥ずかしい、懲役ないし禁固刑があれば、重大犯罪抑止の上では、ひと思いにそれなりに尊厳を維持して死ねる死刑よりも強力かもしれません。

仮にえん罪の場合にはこうした刑罰は何とも非人道的でひどい話ですが、それでも容疑者が生きているので、後から何らかの形でミスを償うことはできるかもしれません(死刑の場合は無理ですが)。

こうした状況は、国家にとっては、考えることさえ嫌なことでしょうが・・・。
 
 
 
僭越ながら (XYZ)
2008-08-25 12:50:58
>山崎様

一年くらいこちらのブログを拝見してきて、なんとなく(もちろん間違っているかもしれませんが)山崎様の考え方の枠組が分かってきたような感じがします。
山崎様はある種のプラグマティストなのではないかなと最近は思っています。特に経済・政治・法律といった歴史的な制度をよりプラグマティックな道具、即ち工学として再構築しようとされているのではないでしょうか。なるほど純粋に工学として社会的メカニズムを設計・実践できれば国家という概念は不要になるでしょうし、死刑制度廃止の特にコスト面からの考察や最低収入保証制の提唱・鉄道の深夜運用の提案等々についても得心がいきます。工学側面からの検討ですので、歴史的垢が積もり積もった倫理的な価値やヒューマニズムから距離をおかれているのも頷けます。ですから、硬骨のヒューマニズムを背負っている作業員様のコメントがひとつの錨として重要になってくるのでしょう。
そう考えがいたってから、はじめて先日の『「一流会社の二流社員」か、「二流会社の一流社員」か?』のお題の意味がわかりました。まさにプラグマティックな視点だったのですね。
別な言葉で言えばより正当的な近代主義の権化とも言えないこともないですね。私的には工学的方法というものに100%の賛同を与えることはできないのですが、そういう現実的な視座も確かに必要だと思います。もっとも時々現実的というよりハイパーリアルになってしまう場合もたまにあるようですが(そういうときは必ず作業員様から突っ込みがはいりますですね)。
 
 
 
硬骨は恍惚でもええけどね (作業員)
2008-08-25 18:08:01
わしはですね、この国には、原理主義者が足りない、と思っているわけですね。師匠にしそこねた、上岡龍太郎師匠はよく、極論だけが社会を動かすんだろが! と言っていました、京都人の反骨、ですね。
原理主義的に言うと、死刑の問題は、(店主がリンクさせる)戦争と、あと、中絶、につながります。藪医者どもは、経済的事由、によって、毎日毎日、人のため、として、中絶を行い、シノギの一部にしています、そして、統計を出しません、赤線があったころ、百万といわれた中絶件数が、30万に減っている、といわれますが、本当でしょうか? 着床前の診断による産み分け、間引き、は、本当に、一件も、行われていないでしょうか? という話は、筋の悪いトンパチなものなのでやめますが、こういう話より、受ちゃんやポンちゃんのようなトンパチが突っ込んでくる方が盛り上がりますよね。あんまり、上手に筋を読んでしまうと、トンパチの傷が深くなるように思うのですが、いや、そこも誤読できるのかなあ、トンパチだもの。
 
 
 
観音様の出番に期待 (mistral)
2008-08-25 18:17:09
>そのうちEUが死刑制度のある国との貿易を不利に扱う日もやってくるかもしれません。

ABRさんの指摘どおり、EUが経済大国ユーラシア連邦への牽制に持ち出してくるかもしれませんね。

人権蹂躙大国の隣国と差別化するために、財界あたりが「死刑、やめたいなあ」なんて言い出す時代が来るかも!
覚醒69さんが死刑廃止せんと亡国じゃあ中国に呑みこまれるぞおと絶叫し店主を責立て(イメージとしては、「北斗の拳」の主題歌みたいな感じ。フレディマーキュリーのよう、と言うと褒めすぎでしょうかね。)、作業員さんがこまわり君のように「死刑!」を連発する(イメージとしてはボブマーリーよろしく、腰に来る感じで)、そんな未来予想図を描いております。

今回、なかなか論議がかみあっていて素敵なセッションなんですが、そろそろ、受ちゃんが知のカンニングというか生協購買部で本の題目だけ携えて、店主の店におしっこ引っ掛けに来るころですかね。受ちゃん、前世はブルジョアタウン・下北沢のバカ犬だったのかなあ、なんて思ったりしてます。受ちゃん、はうす!
 
 
 
 
ですからですね (作業員)
2008-08-25 18:36:08
>財界あたりが「死刑、やめたいなあ」

わしが言っているのは、御○所○せ! なわけですよね、理不尽極まりなく、あの○器野郎を○せ! と繰り返しているわけですね、理不尽が、世界を動かすこともあるのです。ひょっとしたら、あいつら本当に、偽装請負や偽装管理職店長やセクハラを事由に、市中引き回しの上打ち首獄門、にするかもしれない、コーノイケみたいに、と思ってくれたら、幸甚です、財界の豚ども。
で、よいよいの辺見庸が、繰り返し書いてますが、ほんの少し前、中国では、資本主義の犬、を引き回して打ち殺していた、わけですね、水に落ちたが最後。国家などに、人殺しをさせてはいかんのです。ケジメは、自分でとるのです、いや、すいません、冗談です、冗談。
水に落ちたって、○器に顔つっこんどるがね、こっちの財界アホジジイどもは、とか、そういう嫌味をですね、言っているとですね、ほんとに吊るされますよ、国家を甘く見てはいけません、安倍並3!が首相になる国なのですから。ポストにビラを配ったら逮捕、の国で、娘を殺した疑いをかけられて、逮捕されないわけなかろうに、ちゅう話ですわ。しっかし、このブログの主役はどう考えても、受ちゃんじゃないか、相場とブログは予測不能だな、まったく。
 
 
 
本当かどうかは知りませんが (みっく)
2008-08-26 00:46:51
作業員さん

中絶をやめると犯罪が増えるようですよ。

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A4%E3%83%90%E3%81%84%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6-%E2%94%80%E6%82%AA%E3%82%AC%E3%82%AD%E6%95%99%E6%8E%88%E3%81%8C%E4%B8%96%E3%81%AE%E8%A3%8F%E5%81%B4%E3%82%92%E6%8E%A2%E6%A4%9C%E3%81%99%E3%82%8B-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%88/dp/4492313656

コストから考えるなら、わざわざ犯罪を起こさせて捕まえるより、早めに芽を摘んでおいたほうが安いですね。

秩序も守れます。
 
 
 
終身刑の苦しさ (Rum)
2008-08-26 02:24:25
アメリカでは死刑が減っている代わりにどのくらい終身刑が増えているのでしょうか。アメリカの終身刑はどれくらい「苦しい罰」なのでしょうか。死刑執行までの過程において新しい証拠を探したり、優れた弁護人を雇ったりすることができて、死刑を免れるケースがあるように、死刑執行までの過程よりも長い刑の執行過程が続くと思われる終身刑も同様に免れるケースがあるのでしょうか。
 死刑を廃止した国に終身刑はあるのか、それはどれくらい「苦しい罰」なのか、死刑を廃止にしてどんな点が良くなったりまたは悪くなったりしたのか、コスト面でどんな変化があったのか等知らないことばかりでお話になりませんから勉強しなくてはなりませんが、こんなに無知な私にも12月くらいにはもしかすると「裁判員になってください」というお国からの通知が来るかもしれないのですよね。勉強不足はお断りする理由にならないようですからとても恐ろしいです。
 
 
 
中絶は「仕方がない」と思おう (山崎元)
2008-08-26 02:47:27
中絶をどう考えるかというのも、場合によっては死刑に関係する論点ですね。

私は、現時点で、中絶はOKだと考えています。

女性が生みたくないと思う命は生まなくてもいい、と考える方がいいのではないでしょうか。

胎児がどの時点で一個の人格と認めうる人間になるかという点については脳科学その他から諸説あるようですが、社会のルールとしては、生まれた子供を社会が完全に責任を持って育てるのだということがはっきりしていない以上、出産を望まない女性に「産むべきだ」とは強制できない(より正確には「強制しない方がいい」)と思います。

現在確かに生きている人の主体性を尊重するのがよかろう、という理由です。

一般論としては、産まないともったいないなあ、と思うケースが多いのですが(子供ほど無条件に「いいもの」は他にありません!)、あくまでも産む本人の選択を尊重すべきでしょうし、その選択を他人が批判しない方がいいというのが原則論です。
 
 
 
Unknown (XYZ)
2008-08-26 07:34:23
確かに死刑制度を技術面からのみ考えますと、
いったん諸々の感情や価値(タブー)の問題から開放されますので考えることが楽になります。
で、死刑と終身刑のコストについてですが、何事についてもコストは発生しますので、当たり前の話ですがコスト自体は別に悪でもなんでもありません。
すると、妥当なコストはいくらなんだという問いがまず最初にあるべきではないのでしょうか。
死刑と終身刑の現行コスト比較前に極刑の妥当な予算あるいはお値頃感はいくらなのでしょうか?
故殺の犯人に対しても憲法上の最低限度人間らしい暮らしを保障すべきでしょうから、生活保護制度を維持するのと同じ程度のコストをかけてもよいと仮定し、その費用で賄われる範囲内で死刑と終身刑の制度を再設計すればよいと考えてもよろしいでしょうか?
そう考えると、妥当なコスト内に収まるのであれば、最終的な極刑が死刑か終身刑かは犯罪者自身に選んでもらえばいいだけのような感じがしてきます。

また、かかった費用を誰かに押し付けるという手もあります。中世ヨーロッパのように捜査・審判(拷問を含む)にかかった費用を犯罪者本人や犯罪者の家族に請求するというのも、ひとつの方法ではないでしょうか? その場合も極刑が死刑か終身刑かは自身に選んでもらえばいいだけです。ただ保険会社の商売の種になってしまいそうですが。
 
 
 
コスト議論の有用性 (meguro)
2008-08-26 12:27:17
死刑をコストの観点で議論すること自体は、資本主義的であり過ぎる気もしますが、無意味ではないと思います。それを前提とした上で…

1)死刑に賛成・反対のバイアスを排除したコスト試算は難しい気がします。例として、役所の出す数字が信用ならないのは周知ですが、民間企業にしたところで自社に都合のいい解釈でしか数字は出てきません。“善意の第三者機関”があるとしても、その証明が多数決であることは民主主義の限界でしょう。

2)命を奪うという行為の反対を考えてみます。余命を宣告された家族の延命に、「コストで考えると非合理だ」との理由で医療費を使わない選択ができる人は少ないと思います。(払えないのなら本当に残念ですが仕方ない)

山崎さんは「解が必ずある」とお考えではないと思いますので、どなたかが指摘されたようにその思考をプラグマティズムと言い切ってしまうのは言い過ぎの気がします。私は「差し当たりの意見だとしても現時点の結論を言う」という山崎さんの姿勢は共感します。
 
 
 
プラグマティック? (山崎元)
2008-08-26 17:32:54
XYZさま、meguroさま

コメントありがとうございます。

私のものの考え方がどの程度「プラグマティック」なのかは何とも言えませんが、「歴史」のコンテクストを相対的に軽視していて、「工学的」だ、というご指摘は、傾向としてその通りでしょう。

私は民族・国家の歴史や伝統などといったものよりも、社会の「仕組み」とその「作用」や「機能」に関心があります。

従って、自分や他人の考え方が「近代主義」的であるか否かということには殆ど興味はありませんし、「市場」や「国家」も含めて、制度は目的に合わせて作り直せばいいと考えています。

一方、制度を作り直すといっても、現実は急には変わらないので、可能なことから徐々に進めていく必要があるとも思っています。

また、間違ってもいいから結論を「差し当たり」持っていることは重要ではないでしょうか。その時々の結論に対する「賭け」の大きさは様々ですが、(この種の)賭をしない人間は、生きていないのと同じでしょう。

一方、私は、概念や考え方の正しさが、機能や実用性から決まると考えているわけではありません。(狭義のプラグマティズムの信奉者ではありません)「自由な意志」がどの程度可能かというのはそれ自体が大きな問題ですが、私の価値観や好みは、実用性の外にあります。

他人とコミュニケーションを取る上では、論理性と実用性の立場からの立論が分かりやすくて便利なので、もっぱら、そうした立場から書いたり話したりすることになります。もっとも、書いたり、話したりという形式は、価値観そのものにも大きな影響を与えるので、私の価値判断が、そういった方向に傾くことは大いにあり得ます。



「コスト」という概念は、単に金銭的損得にとどまらず、広く使うと価値観や倫理を包含する柔軟な概念です。

ただ、その分、コンテクストによって、何と何をどのような観点で比較した「コスト」なのかが重要になります。

私は、「(金銭換算された)コストによって死刑の可否を決めよ」と言いたいわけではなく、「コストも死刑の可否の考慮の要素に入れる方がいい」と考えているだけです。

死刑の可否について、コストだけで結論を出すことは論理的に可能でしょうが、たとえば<倫理的感情のコスト>といった金銭的な計測が難しい(不可能と証明できるわけではありませんが)ものも含まれるので、現在の文脈ではコストの概念を最も広い意味で使っている訳ではありません。

現実的に達成可能で説得的な「解」があると本当にいいとは思いますが、私は、まだその「解」に達したという感触を持っていません。現段階では、「差し当たって」死刑廃止賛成の方向に少し賭けているということです。
 
 
 
Unknown (晴耕雨読)
2008-08-27 01:18:59
只今、「エコノミック恋愛術」を読了し、(良い意味で!)緩く仄々とした読後感を楽しみながら背表紙の山崎様の経歴や代表作の数々を眺めていると・・
名著「会社は2年で辞めていい(正)」の表記が「会社は2年てやめていい(誤)」と記されている(「で」が「て」になっている)誤植を見つけてしまいましたのでご報告差し上げます。

尚、よりによってこの様な真剣な議論が交わされいる場での「野暮な」ご報告になってしまいました事、名著への愛情に免じてお赦し下さい。
 
 
 
お邪魔します (ブロガー(志望))
2008-08-27 08:25:13
お邪魔します。
 「コスト」云々を言われましてもその"明細"が示さ
れなければそれは「反証不可能(言いっ放し)」な言説
ではないでしょうか。

>死刑執行までには様々な司法過程を経る必要があり、高いコストが掛かるのだという。

 終身刑も「被告の人生を奪う」という点では死刑と
同等であり(生物学的に殺さないという違いはある
が)、行うなら死刑と同等の"慎重さ"が必要ではない
かと思います。「間違ってたら取り消せば良い」(死
刑及び終身刑も含めた)刑罰はそんなに"軽い"ものな
のでしょうか。

 死刑廃止論には死刑を無くす事「だけ」が目的で、
「死刑を無くした社会とはどういうものか。それ
は"より良い"社会」なのか。」という考察に乏しいの
もあるように思われます(例えば終身刑に関してそれ
程"本気で"考えていない?)。例えばロシアは「事実
上の死刑廃止国」だそうですが、一方ではリトビネン
コ毒殺事件のように「政権に都合の悪い人間を闇に葬
る(反体制ジャーナリスト含む)」国でもあります。
「死刑を未だ存続している」という点において日本は
ロシアよりも"劣った"国なのでしょうか。後同時爆破
テロの後、無実のブラジル人青年を射殺したイギリス
よりも。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-08-27 09:43:24
コストで語るなら内訳も必要でしょう。
議論の材料が足らないと思います。

経済活動から考えても、矯正施設の生産行為は民業圧迫している可能性があります。

 
 
 
合理的に決められるか (meguro)
2008-08-27 21:27:35
山崎さんのコメントは常に歯切れがよく分かりやすいですね。

さて、コスト議論ですが、全てを金銭に換算する姿勢を貫かないと、この話は無意味になると思います。倫理感情のようなものであっても、例えば精神的苦痛に対する慰謝料の判例を適用するなど、無理にでも金銭換算して初めて議論の材料になりうるのではないでしょうか。前回にも書きましたが、この作業は無駄ではないと思います。
(例として適当ではありませんが)例えば死刑が免れないような逃亡犯を捕まえるのに、コストを無視して国家予算を投下すれば、犯人は死んでいない限り捕まえられるでしょう。時効という制度もコストを考慮してこそだと思います。

しかし私はコストをはじめ、合理的理由とみなされるものが死刑存続の是非を決定する要因になると思いません。死刑に限らず、現在成立している法は合理性を持つと思いますが、その成立過程は重いものであるほど、決して“合理的”ではありません。個人の一生をはるかに超える、その国の歴史を積み重ねて成立してきたもので、異なる国々を単純に一般化して比較する姿勢も説得力を欠くと思っています。諸外国を例に犯罪抑止効果を疑問視する論も同様です。結論があいまいで恐縮ですが、多くの日本人が自然な感情として死刑廃止に傾くような時代が生まれてきたら、その時は廃止していいんじゃないかと思います。
 
 
 
コストはすべて (まつどん)
2008-08-28 01:00:37
死刑をコストで語るなという意見がありましたが、コストで動いていない世の中が今までありましたでしょうか?
終身刑はすばらしいといっても、現実問題牢屋が終身刑の人たちでいっぱいなったら運営できないのではないでしょうか?
コスト度外視の話がニホンには非常に多すぎてがっかりします。
終身刑がコストが引くければ(社会的なインパクトも含め)終身刑を、 死刑がコスト的に低ければ、死刑を!!というのが私の自然な考えです。
 
 
 
Unknown (XYZ)
2008-08-28 09:21:18
コストを裏返しにすると利益な訳ですが、死刑と終身刑ではどちらが経済効果が高いのですかね?
(財界が死刑廃止を支援する可能性があるとすれば、コストではなく経済効果の論議からでしょう)
 
 
 
Unknown (BB)
2008-08-28 21:55:12
 コストって?なんだかなあ~
 
 裏返せば、憎しみをはらすためにカネを積めば死刑にできますと聴こえます。それが公平な裁判とはだれも思わないでしょうけど。
 
 金持ちに有利な国という印象は深まったな。
 
 
 
 
 
コスト概念の不人気 (山崎元)
2008-08-28 22:37:43
「コスト」という概念自体は、ある種中立透明なもので、合理的(ここでは論理的に一貫した、という程度の意味で使っています)意思決定と相性のいいものだと思います。

「社会的に価値を最大化する選択をしよう」といえば、「(社会的)価値とはなんぞや」という議論は百出するでしょうが、とりあえず、価値の最大化には反対が少ないような気がします。

厳密に言うと違うかもしれませんが、価値を最大化する選択をするとは、機会コストも含めたコストを最小化する選択をすることと殆ど同義でしょう。合理的に考えるのが「嫌い」という立場は感情としてあり得ますが、それでは、コミュニケーションや他人の説得が殆どできなくなってしまいます。

それにしても、皆様からのコメントを見るに、コスト概念の人気のなさは深刻です。私の商売は違うからいいのですが、経済学を教えることを商売にされている方々は大変だろうなあと思います。

近時、人間までもコストとしてしか扱わないことが増えて、「コスト」という概念自体が嫌われているのかもしれませんね。
 
 
 
コスト概念 (ひるね)
2008-08-29 10:41:40
>それにしても、皆様からのコメントを見るに、コスト概念の人気のなさは深刻です。

僭越ながら、お察し申し上げます。大げさですが、日本が「経済大国」や、一部の技術、芸術、職人芸、話題を発信する国にはなれても、オピニオンを発信する「先進国」になれない一因は、この辺にあるのではないでしょうか。もっとも、多くの「先進国」も相変わらず、手前勝手なオピニオンを発信し続ける野蛮な国ではありますが・・・。

>近時、人間までもコストとしてしか扱わないことが増えて、「コスト」という概念自体が嫌われているのかもしれませんね。

政府、企業、組合、各種団体などが自らのガバナンスで、その基本機能としてのコスト概念も含めて、日常的、漸進的改革を行うべきところを、大半の組織が機能不全を晒し、相対的に責任の小さい従業員、一般国民をバッサリと広義の「リストラ」してしまったところに、深刻なコスト・アレルギーが残った理由があると思います。当事者の傷は簡単には癒えないことでしょう。まあ、言うのは簡単なのですが、「膨大な無責任の体系」の再現、ともいえると思います。やはり、日本という国が「先進国」に届かない一因と思えます。

僭越ながら、そういう意味では、土壌の問題は別として、各種エコノミスト、経済学者のオピニオンリーダーとしての責任も大きいのではないでしょうか。
違和感を感じ、ウィキペデスで調べてみると、歴史上の著名な経済学者は殆どが哲学者であり、思想家であり、畑違いからのめり込み、創造的経済学を作り上げた人たちですね。人間観、社会観、思想の練磨の中から、重要な社会科学としての経済学に達しているように感じられます。
野暮な大言壮語失礼致しました。
山崎様の新鮮な問題提起には大いに刺激を受け、楽しませて頂いております。
 
 
 
そうですね^^; (BB)
2008-08-29 20:28:12
 いや全くその通り。自分はアレルギーモノですよ。合理的なんて言葉もちっとも中立にきこえません。自分の場合
 
 合理化 = 手抜き or 人員削減
 
 という図式ですから。
 
 
 
 
 
胎児の人権。 (通行人)
2008-08-30 06:34:21
日本では胎児は母親の体の一部と言うような認識で、欧米の考えは胎児も人権を持つと言った考えだと聞いた事があります。
なので、大統領選では そこも問題に上がるんだなぁと思いました。

私は胎児も人権があると思います。
 
 
 
ひるね (「コスト概念」おっかけ談)
2008-08-30 13:01:42
今まで、あまり「死刑制度」について考えたことが無かったのですが、当エントリーを読んで、これも一つの「国家制度」であり、「政府サービス」であることを改めて認識しました。(考えてみれば当たり前のことではありますが)。
さて、「コスト概念」についてですが、日本におけるコストや経済問題についての議論は、従来から、「供給側」、企業側、政府側か労働側の立場での論説が目立ち過ぎていたところ、特に、ここ数年来、高コスト・低機能・過剰供給体質を作り上げた供給当事者側が、なりふりかまわずコスト論を振りかざしすぎたために、コスト≒合理化≒リストラの傷跡と図式が定着してしまったのではないでしょうか。
この間、GDPの過半を占め、経済活力復活の中枢を占めなければならない筈の個人「消費」の方は、氷河期経済の物価下落による恩恵を受けてはいたものの、アホな「供給側」の激しい痙攣のあおりをまともに受けて、セーフティネットなどは不渡り手形、雇用収縮、賃金低下、格差拡大(非既得権者の抑圧)、医療・高齢者サービス荒廃、自殺増大等々、要する社会弱者主体に生活不安が増大し、新たな「消費」劣化が進んだと思われます。
治安も悪化し、新型社会問題が目立ち、毒入り・偽装食品問題や家庭機器の経年劣化・発火問題など、従来からあったのであろう事故が社会問題化して、政府もおっとり刀で、女性大臣消費者庁を作りましたが、供給側省庁との新たな利権争いや、新たな規制強化が懸念されるなど、またぞろ、「消費」拡大よりも「供給」側の利権拡大、「コストアップ行進」(「消費」抑圧)が心配されるところです。消費者庁という「政治商品」までが、毒入りかどうかはわかりませんが、少なくとも動機不純物含有率の高い(供給側の利潤拡大動機)高コスト・ハイブリッド商品と思われます。
前置きが長くなりましたが、要するに「コスト概念」も供給側過剰、消費側過少という「豊かさを感じられない国」の言説構造のために、正しく浸透しないのではないか、という感じがします。
「コスト概念」は、特に成熟社会においては、供給側よりも、むしろ消費者の立場でこそより重視すべき社会価値概念ではないでしょうか。需要、供給両側に正常なコスト概念があってこそ、社会・経済循環がスムーズに行われる気がいたします。
スタグフレーションが起これば、暴動は起こさないものの、スーパーマーケットで少しでも安い商品を買い、自動車離れし、ドライブも節約する国民が、生活や企業サービスに対するコスト意識が低いはずが無いのですが、需要を喚起する人件費や、最近では資源コスト等、いずれも「素材」そのもののコストばかりが強調されます。しかし、大切なのは、「政府サービス」や「経営サービス」、「技術・知識サービス」といった人間本来の付加価値サービスであり(まさに「自己責任」のサービス)、そのコスト・パフォーマンスの分母である「コスト概念」はパフォーマンスと同じ系列の価値概念であると思います。
もちろん、「死刑制度」はコスト概念だけでは測りづらい「価値概念」を含むでしょうから、いろいろな側面から議論されなければならないでしょうが、「政府サービス」である以上「コスト概念」でのアプローチを排除するものではないと思います。
 
 
 
「コスト概念」おっかけ談 (ひるね)
2008-08-30 13:03:13
反対でした。
 
 
 
死刑の議論からは離れますが (BB)
2008-08-30 15:10:30
 工業製品のコスト削減についてこんな話を聞きました。ライバル会社の製品を買ってきてバラバラにし部品を数えて、もっと少ない部品でできるように設計するんだそうです。自社の製品でもネジの数を減らせということをやるらしいです。工夫して省くわけですな。
 立法・司法・行政の各サービスで工夫すべきものと省くべきものは何なのでしょうね。
  
 工夫してと言うところにスキルがいるんだよなあ、それができる後継者を育てることさえ省いてしまっては、一代で終わるやろ。妙な世襲が悪影響のこともあるだろうし良いこともあるかもしれないが・・・
 
 
 
中絶は… (kayano)
2008-08-30 16:35:34
>死刑の問題は、(店主がリンクさせる)戦争と、あと、中絶、につながります。

個々の中絶は「国家的」でないところが少し違うような…。かつてのハンセン病患者に対する中絶などは、もろ「国家的」ですが。(ああ、おぞましい)。

それと臓器移植に似た感触が…。
 
 
 
コストと聞いただけで (kayano)
2008-08-30 17:10:28
あまりにもコストを無視したというか、利権のための屁理屈だけで税金がたくさん使われているので、コストと聞いただけでうんざりしてしまうところがあります。(車がほとんど通らない高速道路など)。

例えば、六ヶ所の再処理工場。稼働させずに凍結すれば国民負担は4兆円で済むが、ひとたび工場を稼働させると(つまり核で工場が汚染されることになると)十数兆円にふくれあがるのだそうです。世界中が見切りをつけ、日本でも失敗続きで、万一成功しても採算が取れる(かも知れない)のは50年先(!)という恐るべき技術なのに…。しかもその間もその後も放射能まみれ…。

詳しくは河野太郎議員が分かりやすく説明しておられます。
http://www.taro.org/policy/saishori2.php
 
 
 
コストと聞いただけで (kayano)
2008-08-30 17:13:43
あまりにもコストを無視したというか、利権のための屁理屈だけで税金がたくさん使われているので、コストと聞いただけでうんざりしてしまうところがあります。(車がほとんど通らない高速道路など)。

例えば、六ヶ所の再処理工場。稼働させずに凍結すれば国民負担は4兆円で済むが、ひとたび工場を稼働させると(つまり核で工場が汚染されることになると)十数兆円にふくれあがるのだそうです。世界中が見切りをつけ、日本でも失敗続きで、万一成功しても採算が取れる(かも知れない)のは50年先(!)という恐るべき技術なのに…。しかもその間もその後も放射能まみれ…。

詳しくは河野太郎議員が分かりやすく説明しておられます。
http://www.taro.org/policy/saishori2.php
 
 
 
受け売りだからわしも受ちゃんだな (作業員)
2008-08-30 17:37:09
>ハンセン病患者に対する中絶

わしのハンセン病ネタは、すべて、元革命戦士藤野豊のパクリ、だと前置きしとくが。路傍に、乞食やカッタイがいる社会は、遅れている、とされて、ライ病者狩り、が行われたわけ。で、集められたライ病者には、御皇族さまがたによる、仁慈、とかが施され、ついでに、種を残さない施術が、お医者様の手で、行われた、わけね。
死刑を存置している国は、遅れている、と天皇様がご発言なされば、死刑は廃止されるやろねえ、ジンドの国、ニポン、であるならば。
 
 
 
いずこの国でも同じでは? (kayano)
2008-08-31 15:48:10
>死刑を存置している国は、遅れている、と天皇様がご発言なされば、死刑は廃止されるやろねえ、ジンドの国、ニポン、であるならば。

あ、ひょっとしたら、いずこの国でも同じでは?

辺見庸講演録(前にお教えいただきました)からたどっていった先で、ピーター・バラカンさんとフローラン・ダバディーさんが言っておられました。イギリスはEU加盟時に、フランスは1981年に、国民全体としては乗り気ではなかったのに、死刑廃止にしたとのことです。しかるに、今では、かの国々の人々は、「死刑のある国は野蛮」と思っているみたい。

考え方が制度を作るのではなく、制度が考え方を作るのではないでしょうか。消費税導入時は「山が動く」騒動だったのに、3%が5%になったときは微動だにしませんでしたものね。

ちなみに
http://homepage2.nifty.com/shihai/
↑では、他にもいろいろな方が死刑廃止について語っておられますが、一番、心にも頭にも入ってきたのは亀井静香さんでありました。
 
 
 
語れるものならば語ってみよ (作業員)
2008-08-31 17:07:20
日曜朝ネタ、なじぇか、こちらで、失礼。朝生は、天皇様ネタ、だったみたいですね、再放送、ちらっと見ました、あいかわらず、ハゲ尾失礼西尾先生のぶっ飛び具合、すんばらしいものでした、以上、日曜朝ネタ、終わり。

コストで、制度を語れる、のであれば。
死刑制度も、天皇様制度も、制度、ですから、コストで語れるはず、ですね。その能力もなければ、ショーネもない、では、コスト論者、としては、いかんでしょう、がんばってほしいものです、店主のような、極左のコスト論者には。
天皇様制度のコストは、いくらでしょうか、何千万人を殺し、何千万人を救ったのでしょうか。武烈や雄略の蛮行を、数値化、できるでしょうか、君側のカンや我が神軍の蛮行は半値八掛け五割引でっか、やんごとなき人々のお下血テンシーシー、いったい、ハウマッチ? ですね。では、不敬にて、失敬。
 
 
 
我慢の比較 (ABR)
2008-09-03 22:19:27
日本で死刑廃止運動が盛り上がらない理由の一つは、返済期間の長い住宅ローンが蔓延(?)していることです。

無期懲役でも早ければ10年そこらで出てくる?冗談じゃない、こっちは35年のローンを我慢して払っているんだ!

我慢を分かち合わない人にはとことん厳しい社会ですからね。私の観察結果では、ブログのコメント欄に社会的問題を記入するような理屈好き(笑)を除いた平均的日本人は、コストの比較より我慢の比較を好みます。経験論で数字はありませんが。
 
 
 
Unknown (祝!三浦和義・自殺!)
2008-10-13 00:03:26
安っぽいヒューマニストの死刑廃止論者の皆様は
号泣されたでしょうが、期せずして正義が実現
(共謀罪から逃れられないと観念しての自殺なので)!

死刑廃止論者の希望の星である悪人がまた1匹消えました。死刑廃止論者の皆さん、次は誰を希望の星とするのですか?
 
 
 
厚生省元次官殺害について (Unknown)
2008-11-23 19:56:41
年金制度崩壊や数々の不祥事があった厚生省の元次官は殺されても仕方のない人物です。動機はどうあれ天誅と言えます。しかし、天誅であっても殺人なので、犯人は死刑にすべきです。

死刑廃止論者は当然、犯人の死刑を望まないんですよね?天誅であるが残念ながら死刑にせざるを得ない犯人を死刑廃止論者が擁護してくれるのは愉快です。
 
 
 
正義回復コスト漏れ (あいひこ)
2008-12-04 19:58:16
この雑な総額計算は小学生並みの知能しかない人間は受け入れるでしょうが、管理会計論の取り替え投資の経済計算の知識を多少なりとも持っていれば違和感を持つわけです。それは、正義回復コストの計上漏れ。すなわち、被害者側のコストです。

私は最近、スタンコ事件というものを知り、ますます凶悪殺人者は文系論理ではかたがつかない医学的(精神科医除く)原因究明が必要だと思いますね。PETスキャンを導入し、眼下前頭葉を観察すべきです。

私は重大犯罪を起こす【(中年)無職】というのは、脳機能障害による産出物という持論を持っているのでそういう仕損(欠陥品)が発生したらそれをどう除却し、廃棄するか(速やかにラインから外す)かが早急の制度設計、すなわちメカニズムデザインの課題だと思っています。

脳機能障害犯罪者を死刑にすべきではないという反論には、それは【ラヴディ氏の遠足】のような事態が起こった場合、誰が責任を負うのか再度問いたいね。人権派が責任を持って社会復帰した精神障害犯罪者を面倒みてくれるのかね?山崎氏は、この問いに反論になっていない反論でにげているのだけれど。早く、【アファーマティブ・アクション】と同じ発想の逆差別で、偽善的なハンディキャピズムと認識すべきです。
 
 
 
やはり無職であった (愛★☆彦)
2008-12-06 17:40:35
【東金の女児遺棄事件】

やはり【【無職の男】】であった。国家権力が無職マップを作り、無職のクズを監視する時季が来ているのである。
 
 
 
障害者というオマケ (愛★☆彦)
2008-12-06 22:34:18
続き【東金女児遺棄事件2】

【【無職】】に続き、
【【知的障害者】】というおまけ付き。

山崎論理は、凶悪殺人事件が起こるたび、ことごとく論破されている。お金儲け本出版ラッシュの山崎氏の笑わせる机上の空論的自民党批判と同じように、死刑廃止論もまた、評論家的“皆があっち向けばそっち向く”的軽々しい戯言に過ぎないのだ。
 
 
 
またもや知的障害者 (愛¢¢彦)
2009-01-04 20:00:53
【世田谷区路上生活者襲撃事件】

またもや、軽度の知的障害者なのであった。山崎氏の知的障害者の息子は大丈夫なのだろうか?知的障害者にも厳罰を科す制度設計が望まれる。責任の所在なき殺人犯罪は被害者の死に損である。

 
 
 
コストによる議論に賛成です (眼鏡)
2009-01-19 16:05:22
知的障害や精神病による減刑や無罪について「診断は曖昧だから物証のみで判断したら」と弁護士さんに話してみたら横暴だと言われた事があります。責任能力による無罪制度は幼児が罪に問われないのと同様、人間だとみなされてないから、と解釈してます。それも慈悲、でしょうか。うつ病患者へ職場で配慮があるのは余裕ある事かもしれません。

一方で「被告は回復不能な精神病患者なので死刑」との判決を読んだ事もあります。整合性に疑問を感じますが合理的な判決です。

精神病患者の犯罪率はそれ以外より低いのは有名ですが、再犯率は高いのでは、と推測してしまいます。生活苦の窃盗等ではなくレイプや殺人については。

回復不能な人は消えるべきかもしれませんが程度問題です。また、知的障害と精神病は違うし精神病と神経症も違います。重度の抑うつ患者は自殺以外の犯罪は犯せないでしょう。悲観はしても自分への絶望や罪悪感なので無理心中はしません。

ただ、重度の抑うつでは生産活動は出来ません。親は、生きててくれるだけで、と思っても税金で養うのに抵抗感強い人は沢山いるでしょう。

私は、質はともかく生産活動しています。IQは標準より僅かに上です。でも頭の弱い人間と感じて脅えてます。存在しない方が社会に負担掛けない、と罪悪感もあります。立場上自殺出来ないのでウツの治療受けてます。「自分は存在しない方がいい、消えてしまいたい」は病気の症状なのが常識ですが消えた方がいい人間もいて、それは私なのでは病気の症状でなく客観評価として真実として消えるべき存在ではとも思います。万人に何らかの使命はある、といってもね。

自殺出来ない立場上、考えても仕方ないので楽しくいきてます。社会の中のごくごく一部とはいえ、私を喜びの原因にしてる人もいます。

死刑とずれてるかもしれませんが、その人間が存在した方がいいか、の議論でもありますよね。更正を期待するから全ての有期刑はあるのだし。司法の基本は性善説だろうし。

終身刑との比較だと違う議論か、すいません。

知的障害者の抹殺はある意味賛成ですが、末期ガン患者も含まれそうです。ある基準を作って社会構成員を選別するのは権力者によっては可能だけれど、幸福な未来に繋がる選別基準を作れる人間はいないと思います。

そう考えていくと幸福も一つには定義出来ないしな、と思考がどんどん拡散して面倒になってやめてしまいます。多様な価値観ある世の中の方が非合理であっても平和でいいやーと。

私は山崎様と違い、歴史や思想に関心が向いてます。が、私の頭レベルでは処理出来ない分野なので結論作りの助けにはなってません。意見の海に溺れてます、楽しいですが。

なので山崎様のプラグマティックな視点は新鮮だし助かります。整理しやすくなります。御自分の好みや価値観と実用性は別、と明記なさってる率直さも素敵です。JMMで初めて文章を読んだ時の「えらく頭いい人がいるなぁ」の思いは変わりません。

とりあえずの結論出す事の有用性はデカルトも書いてる通りです。人間社会は全て見切り発車でしょう、完璧は無いし。ベストが無いからといって無秩序なままの方がデメリット大きいでしょう。

今後のご活躍、陰ながら期待・応援しています。コスト感覚は生産的議論のキッカケになると思うからです。長文失礼しました。

 
 
 
死刑絶対不要論 (Unknown)
2019-03-27 11:23:27
数多の死刑関連本サイト資料等読んで得た結論をまとめた死刑絶対不要論です。ご参考までに・・・
 
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