浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

ISIS(ISIL)=「イスラム国」とは

2014-08-20 01:11:49 | 資料

 日本のメディアは中東に関しての情報や取材に対しては殆どと言って良いほど自らの取材を行わない。フリージャーナリストやカメラマンなど部外の情報に頼る。更に残念なことには、日本の外務省や官僚が全くの無力である。

言葉の壁と取材力、情報網がまったく無いと言えるほど貧弱な状態だ。恐らく公的機関はそんなことは無いと強く否定するだろうが、過去の事件を見ても、大使館も外務省も情報を殆ど得ていなかった。

 アルジェリアの人質殺害に関しても、現地に中国の人民解放軍がアルカイダのウイグルに対する中国への報復宣言の為にアルジェリア国内で展開し、アルカイダが活動していた。海外からの駐在員には傭兵や軍事企業の護衛が付いていたが、日本人は全くの無防備であった。情報が正確に得られていたら、護衛やアルジェリア軍への何らかの要請が未然に出来ただろう。

◆ ISIS(ISIL)「イスラム国」とはどんな集団



イスラム国(英語: Islamic State in Iraq and the Levant、略称: ISIL)

   

2014年6月29日、イスラーム国家の樹立を宣言し組織名「ダーイシュ」(ISIS/ISIL) の名を廃止し、イスラーム国 (Islamic State) の名を採用すると宣言した。
各国はこの宣言の有効性を認めていない。

2000年頃にアブー・ムスアブ・アッ=ザルカーウィーがヨルダンなどで築いた「タウヒードとジハード集団」を前身とする。

この集団はアフガン戦争後はイラクに接近し、2003年のイラク戦争後はイラク国内でさまざまなテロ活動を行った。

2004年にアル=カーイダと合流して名称を「イラクの聖戦アル=カーイダ組織」と改めたが、外国人義勇兵中心の彼らはイラク人民兵とはしばしば衝突した。

2006年1月にはイラク人民兵の主流派との対立をきっかけに名称を「ムジャーヒディーン諮問評議会」と改め他のスンニ派武装組織と合流し、さらに
2006年10月には解散して他組織と統合し、「イラク・イスラーム国」と改称した。

2013年4月、アル=ヌスラ戦線と合併し組織を「イラクのイスラーム国」から「イラクとシャームのイスラーム国」(略称: ISIS)(別称「イラクとレバントのイスラム国」(略称: ISIL))に改称し、シリアへの関与強化を鮮明にした。

2013年7月21日、アブグレイブ刑務所とバグダード近郊のタージにある刑務所を襲撃し、500人あまりの受刑者が脱獄。その殆どがISISに加わったと見られる。

2014年に入り、シリアの反アサド政権組織から武器の提供や、戦闘員の増員を受けたため、急速に軍事力を強化した。その軍事力を使い政権奪還を目指して、イラクの各都市を攻撃し始めた。

ISISは、アルカーイダと関連のある武装集団だが、
2013年5月に出されたアイマン・ザワーヒリーの解散命令を無視してシリアでの活動を続けているなど、アルカーイダやアル=ヌスラ戦線との不和が表面化している。
この不和の原因はISISの残虐行為が挙げられている。
2014年2月には、アルカーイダ側がISISとは無関係であるとの声明を出した。

シリア騒乱の反政府派とも衝突しており、一部のシリアの反政府派は連合を組んで、ISISを攻撃している。
シリア反体制活動家は、ISISについて「アサド大統領よりも酷い悪事を働いている」と語っている。

2014年2月には支配地域のラッカでキリスト教徒に対して、課税及び屋外での宗教活動の禁止を発表した。
また、シリアの油田地帯を掌握し、原油販売も行っていると伝えられている。

2014年に入り
・6月10日、モースルを陥落させた。
占領したモースルでシャリーアの強制による統治を行い、イラク政府への協力者に対する殺害ならびに盗みや強盗をした者の手足を切る刑罰を課しており、モースルの住民は退去を迫られている。
・6月15日、タルアファルを制圧。
・6月25日、アジール油田地帯を制圧。

   

★6月17日にイラク首相府はISISをスンナ派のサウジアラビアが財政的に支援し、大量虐殺を引き起こした責任があると非難する声明を発表した。
これに対してはサウジアラビアとアメリカから反発が出ている。

★米共和党のランド・ポール上院議員はISISが強化された理由の一つとして、アメリカ政府がシリア政権打倒のためISISに武器を移送したことを挙げている。

★オーストラリアのジュリー・ビショップ外務大臣は150人のオーストラリア人がISISに加入していると明らかにし、彼らの帰国の懸念を表明した。

    

2014年8月、シリアを訪れた民間軍事会社のCEOと見られる日本人男性がイスラム過激派によって拘束され、流血している彼を尋問している様子を写した動画がYouTubeにアップされ、波紋を呼んでいる。既に斬首され処刑されたという噂から日本政府に対する税金の身代金要求まで情報が錯乱している。

https://www.youtube.com/watch?v=bnBTACv2Pjg

https://www.youtube.com/watch?v=bvZUTMFCCRM

イラク日本人青年殺害事件と2013年のアルジェリア人質事件に続くイスラム教原理主義者による日本人への殺害行為に日本の安全保障の弱点が浮き彫りになった。日本政府は一刻も早い対応を迫られている。
2014年8月16日、アメリカのエリック司法長官は日本への敵対行為をやめるようISISに要求した。

(Wikipedia)

   

ISISにからんで米国は2つの大矛盾に直面している。
1つはシリアのアサド政権打倒に向けてスンニ派のISISなど反政府組織を支援してきたが、これがアルカイダも「過激すぎる」と驚く超過激派に成長して、イラクで内戦を仕掛けるまでに到ったこと。
もう1つは長年対立してきたイランと米国が反ISISでは一致することである。

◆イラク危機、空爆されても進軍を続けるISIS

2014.08.12(火) Financial Times  JB PRESS

 米国が、2年半前に正式に見放し、実際はそれ以前からほぼ見捨てていた戦闘地域に舞い戻り、イラク北部のイスラム武装勢力に大規模な空爆を数回行った。

 この空爆により、「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」の封じ込めに苦労しているクルド人の部隊とイラク政府軍への重圧は軽減されている。ISISはアルカイダから分派した武装組織で、2カ月前からイラク北部の領土を奪取・支配している。

 だがイラクの地上に降りてみると、空爆が最前線にもたらしたインパクトは限定的なものであることが分かる。ISISの部隊を後退させるには至っておらず、むしろISISがプロパガンダで勝利を収めていると見なすこともできるからだ。

 ISISの指導者層はまだ無傷であるうえに、この空爆に乗じて、自分たちの中東掌握を目指した戦いは米国と西側諸国によるこの地域の支配に終止符を打つ戦いの一環なのだと主張できるようになっている。

米軍による空爆、クルド人は一時的に士気を高めたが・・・

 米国はクルド人自治区の境界の西側や、シリアとの国境に近いイラクの街シンジャールの近郊にあるISISの拠点に空爆を行った。バラク・オバマ大統領はこの行動を、クルド人自治区の主都エルビルを守り、ISISの攻撃にさらされているヤジド派やキリスト教徒などクルド民族少数派の人々を守るためだと表現した。

 だが、米国による空からの支援に感謝しているクルド人でさえ、自分たちの部隊の限られた軍事力は敵が持つ高度な装備と戦術に対抗できずにいることを認めている。

 「F18戦闘機から500ポンド爆弾を数発落とし、無人機攻撃を数回仕掛けるだけではISISを止められない」。元駐イラク米国大使で、現在、テキサスA&M大学ブッシュ・スクール・オブ・ガバメント・アンド・パブリック・サービスの学長を務めるライアン・クロッカー氏は本紙(英フィナンシャル・タイムズ)にこう語った。

 「そもそもISISが(制圧を)意図していなかったエルビルの防衛が目的だったと言うのであれば、任務はもう終わり、我々は帰れる」

 米国の空爆は一時的にクルド人の士気を高め、1991年に確立されたクルド自治区3州を線引きした境界線沿いの町、クワールとマクムールでISISを後退させるのに役立った。

 「進展を遂げているのが我々の方であることは明白だ」とクルドの民兵組織ペシュメルガの報道官、ホルガード・ヘクマート氏は言う。「戦いは今も進行中で、米国の攻撃は続いており、我々が成功を収めている」

 ヘクマート氏によると、イラクとクルドの治安部隊は攻勢に出ており、クルド、イラク、米国の治安部隊の担当者が集まるエルビル郊外の統合作戦室でISISとの戦いの新段階を立案しているという。

 だが、ISISは戦略を調整できることを立証しており、既に焦点を、クルド人自治区の主都エルビルを攻撃することから、エルビルから南に行ったところにある、クルドが掌握したキルクークを攻撃することに移したように見える。多くの人はISISが近くキルクークを攻撃すると見ている。

高度な武器を持つISIS、「まだ弱体化していない」

 独立系の観測筋は、まだら模様で問題含みの戦場の様子を描写する。米国の支援を称賛するクルド人の幹部でさえ追加の装備を求めており、クルドが持つ老朽化したロシア製軍備は、6月にイラク北部を急襲した後にISISがイラク軍の基地から略奪した米国製の高度な兵器には太刀打ちできないとこぼしている。

 前線に立つペシュメルガを訪問したクルド人政治評論家のアブドゥラ・ハウェズ氏は「いくつかの戦線ではISISが前進しており、実際にはISISの攻撃能力は弱められていない。ISISは増援部隊を投入している。戦闘員の多くが殺されたが、まだISISは弱体化していない」と話す。

 今のところ、米軍はISISが占領している建物や武器貯蔵施設、モスル近郊の砂漠に基地を構える指導者たちを狙えずにいる。バグダッドに本拠を構えるイラク武装勢力の専門家、ヒシャム・ハシェミ氏は「いまペシュメルガとクルド人に実際に必要なものは、米軍による絶え間ない空爆だ」と言う。

 また、米国の介入は、シリア北部の一部地域をISISが掌握しているという問題にも対処できていない。この地域はISISに、回復し、立て直し、再編する場所を与えている。ワシントン近東政策研究所のフェロー、アンドリュー・タブラー氏は「シリアがISISに戦略的な奥行きを与えている。ISISは国境を越えることができ、国境を越えて装備を運ぶことができる」と指摘する。

 また、限定的な空爆を行う作戦は裏目に出て、ISISの戦闘能力を損ねたり指導者を標的にしたりすることなく、ISISを隠れた存在にしてしまう恐れもある。開けた場所で戦っているISISの戦闘員は今後間違いなく態勢を変え、攻撃がずっと難しい都市部に身を隠すだろう。

 「ISISの指導者たちを攻撃し、その指揮系統と統制機構を破壊する機会が1度だけあったが、もう終わってしまった」とクロッカー氏は言う。

米国の関与がISISの新兵募集の手段になる恐れも

 米国の関与はISISにとって新兵募集の手段となり、仲間のイスラム教徒に対するISISの戦いに加わろうとしない信心深い若者に、ISISは米国の帝国主義と戦っていると説得することができるかもしれない。

 あるISIS支持者はツイッターで「イラク人が流した血一滴ごとに、米国人は血の川を流すことになる」と書いた。

 「もし米国が関与を深めようとし始めたら、ISISはプロパガンダのメッセージを変えるだろう」。ジェームズタウン財団のアナリストでエルビルに駐在するウラジミール・ヴァン・ウィルゲンバーグ氏はこう言う。

 「ソーシャルメディアを見ていると、米国が関与してきたことを彼らは全く気にしていないようだ。プロパガンダの観点からすると、米国の関与はISISにとって何ら悪いことではない」

By Borzou Daragahi
© The Financial Times Limited 2014. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web.

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41457

◆焦点:イラクで攻勢強めるISIL、指導者は第2のビンラディンか

2014年 06月 12日 ロイター

イラク第2の都市モスルを掌握し、首都バグダッドに向けて攻勢を強めるイスラム教スンニ派過激派組織「イラクとレバントのイスラム国(ISIL)」。同組織を率いるアブ・バクル・アル・バグダディ容疑者が今、過激派の間で支持を集めている。

 アブ・バクル・アル・バグダディ

同容疑者が率いるISILは、シリア東部とイラク西部にまたがる広大な地域を手中に収め、このエリアは中東で活動するスンニ派過激派にとって国境をまたぐ避難所となっている。

これまで表舞台に出ることを避けてきたため、絶大な力を持つにもかかわらず、その人物像はほとんど明らかになっていない。米政府は、同容疑者の拘束につながる情報提供に対して、1000万ドル(約10億2000万円)の懸賞金をかけている。

ISILのみならず対立組織の構成員までもが、バグダディ容疑者について、シリアの混乱と米軍撤退後のイラク中央政府の弱体化をうまく利用し、自らの拠点を築き上げた戦略家として称賛する。

また、イスラム国家樹立という自らの野望実現のためなら、障害となる人々を徹底的に排除する冷酷さと、かつての仲間にさえ反旗を翻すことをいとわない人物像が明らかになってきた。

ISILと宗教観を広く共にする過激派さえ、ひとたび敵と見なされれば攻撃を受け、徹底的に打ち負かされる。ISILに捉えられれば、活動家だけでなく非戦闘員までもが、射殺されるか首を切り落として殺害される。そうした殺害の場面は動画に残され、他の組織にISILへの恐怖と嫌悪感を抱かせてきた。

シリアで活動する外国出身の構成員は、バグダディ容疑者の目的は極めて明快だと語る。「イスラムを除くすべての宗教が、それぞれの国家を持っている。端的に言えば、イスラム教もイスラム法に則った国家を樹立するべきというのが、バグダディ師の考えだ。」

<シリアで拡大>

米政府の手配書によると、バグダディ容疑者は1971年、イラクのサマラで生まれた。過激派のウェブサイトによると、同容疑者はバグダッド大学でイスラム学を学び、学位を取得。アルカイダ系組織の構成員として戦闘に加わった後、2010年にアルカイダ系組織「イラク・イスラム国」の指導者に就いた。

翌年、シリアでアサド大統領に対する民衆蜂起が起こると、バグダディ容疑者はアルカイダの足場を築こうと側近をシリアへ送り込んだ。シリアに送られた側近のアブ・モハンマド・アル・ゴラニ容疑者は、アル・ヌスラ戦線を設立。自動車爆弾攻撃を繰り返し、その名はたちどころに知られるようになった。また、アル・ヌスラ戦線は、アサド大統領に対抗する複数の勢力の中で、もっとも実戦的な組織だという評価も得た。


しかし、シリアで力をつけたゴラニ容疑者は、バグダディ容疑者が自らの指揮下にある部隊に合流するよう命じたが、これを拒否。これに対して、バグダディ容疑者はアル・ヌスラ戦線への攻撃を開始した。両者の戦いを収めようと、アルカイダの指導者であるザワヒリ容疑者が仲介を試みるが失敗に終わり、その結果、バグダディ容疑者とザワヒリ容疑者は袂を分かつことになった。

バグダディ容疑者の支持者にとって、これは驚きに値しなかった。なぜならバグダディ容疑者は戦場で戦う闘士だが、ザワヒリ容疑者は戦場から離れた存在で、アルカイダの指導者といっても名目だけの存在にすぎないと見られていたからだ。

ISIL構成員によると、2011年にアルカイダの指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者がパキスタン国内で米軍の作戦により殺害された時、後継者のザワヒリ容疑者に忠誠を誓わなかったのはバグダディ容疑者だけだったという。「バグダディ師はオサマ師にイスラム国家樹立を指示されていた。それはオサマ師が殺害される前からの計画だった」。

ISILは、イスラム国家の樹立こそが預言者ムハンマドのもとでイスラム教の栄光を復興させることができると考えている。一方、イスラム国家ができて過激派が一カ所に集まれば、西側の攻撃を受けやすくなるというのがザワヒリ容疑者の考えだという。

これに対しバグダディ容疑者の部下は、同容疑者が敵に対する「秘策」を数多く用意していると反論する。「彼は適切な時が来るまで、秘密を隠し通すことができる」と、別のISIL支持者は語った。

<強大な兵力と財力を手中に> 

シリアはアル・ヌスラ戦線に託せというザワヒリ容疑者の呼びかけを無視して、2012年から13年にかけて、バグダディ容疑者はシリア北部と東部で戦闘を開始した。アサド大統領の軍隊と戦うこともあったが、それ以上に他の反政府武装勢力と頻繁に交戦した。

シリアの民間人に対するISILの容赦のない扱いは、多くの敵を作ることとなった。アル・ヌスラ戦線などの武装勢力は、昨年末までにシリア東部の砂漠地帯を流れるユーフラテス川まで、ISILの勢力を後退させた。

ところが、ISILは弱体化するどころか、さらに勢力を増した。シリア北部のラッカを手中に収め、厳格なイスラム法をしいた。

さらに隣接するデリゾール県では、他の反政府武装勢力に6週間に及ぶ攻撃を行い、イラクとの国境から100キロ離れたユーフラテス川北岸の町と油田を支配。一連の戦闘で兵士600人が死亡した。

反政府勢力によると、この油田で生産された石油はブラックマーケットで売られ、数百万ドルもの資金を生んだという。さらにイラク国内で仲間を集め、モスルを掌握した際に軍の装備品も手に入れたことから、バグダディ容疑者の兵力や財力は、もはや侮れないものとなった。

ISIL構成員は、それこそがバグダディ容疑者が望む、独立した資金や人材、武器、エネルギー供給にいたるまでの流れを担保する自給自足の軍隊を作る鍵だと語る。

<アルカイダはもはや存在しない>

バグダディ容疑者が明らかに強くなっていく様子は、10年以上も逃亡生活を続けながら戦場の活動家たちに影響力を行使しようとするザワヒリ容疑者とは対照的だ。 

対立勢力の構成員でさえ、バグダディ容疑者が主導的立場にあり、その影響力はシリアやイラクだけにとどまらないと語る。「バグダディはイスラム戦士たちの間で多くの支持を得ている。彼らはバグダディについて、聖戦を戦う人物だと見ている」と語るのは、対立するアル・ヌスラ戦線の構成員だ。この人物によると、バグダディ容疑者はアフガニスタンやパキスタンでも支持を獲得しつつあるという。

支持者らにとって、バグダディ容疑者は、ビンラディン容疑者が夢見たイスラム国家樹立を実現しようとする新世代の過激派を代表する人物だと映るようだ。「バグダディ師とオサマ師は似ていると思う。2人とも常に先を見ていて、イスラム国家の樹立を求めている」と、あるシリア人のISIL構成員は話す。


ISILはもはやアルカイダに代わる存在となったという者さえいる。「アルカイダという団体はもはや存在しない。(アラビア語で「基地」を意味する)アルカイダはイスラム国家樹立のための基地だった。もはや我々は(シリアとイラクの一部を収め)イスラム国家を持ったのだから、ザワヒリはバグダディ師に忠誠を誓うべきだ」と別のISIL構成員は語った。

<邪魔者は殺せ>

バグダディ容疑者は外国人に対して、自らの組織の門戸を開いた。とりわけ欧米人を積極的に仲間に引き入れ、軍事訓練を施した。外国人の構成員はシリアの戦闘で有用なだけでなく、いずれ帰国して中東以外の地域で攻撃を実行する新たな構成員を集めるのに役立つのだ。

こうした構成員は恐怖心を抱かず、また相手に対して無慈悲になるよう訓練されている。活動家らの話によると、バグダディ容疑者の部下は爆発物を巻きつけたベストを着用して歩いているという。

ISILの残虐性を示すものとして、インターネット上で投稿された動画が挙げられる。この中にはISIL構成員が数人を処刑する様子が映し出されているが、その際、殺害された人物のうちの2人がイスラム教の信仰告白であるシャハーダを唱える最中に処刑されている。

この点について多くの聖職者が、シャハーダを唱えている間にその人物を殺害することは禁じられていると指摘する。だがISILのルールはこうだ。宗教、宗派にかかわらず、邪魔者は殺せ。

バグダディ容疑者がどれだけの脅威か尋ねると、支持者の一人はこう答えた。「世界がバグダディ師を恐れていないのなら、愚かなことだ。やがて自分の身にどんな破滅が降り注ぐのか、気付きもしないのだから。」

(Mariam Karouny記者 翻訳:新倉由久 編集:橋本俊樹)

http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0EN10G20140612

◆イスラム国、2週間700人殺害 シリア東部で

2014/08/17  共同通信

 【カイロ共同】シリア人権監視団(英国)は16日、イラクとシリアにまたがって活動する過激派「イスラム国」が過去2週間で、シリア東部デリゾール県の地元部族の700人以上を殺害したとの情報を明らかにした。フランス公共ラジオなどが伝えた。

 このうち100人は戦闘員だが、残りは非戦闘員だったという。

 地元のシャイタート部族はイスラム国と同じイスラム教スンニ派。イスラム国の支配を認める代わりに、攻撃されないとの合意が成立していたが、イスラム国が部族の3人を拘束したことで合意は崩壊。イスラム国は住民を襲い、首を切断するなどした。

http://www.47news.jp/CN/201408/CN2014081701001019.html

◆米の支援受けクルド人部隊、要衝ダム奪還―イラク

モスルダムに向かうクルド人部隊「ペシュメルガ」(17日) Ahmad al-Rubaye/Agence France-Presse/Getty Images

2014 年 8 月 19 日 ザ・ウォールストリート・ジャーナル

 【デリク(シリア)】米軍は18日、ジェット戦闘機や無人戦闘機による空爆を続け、イラク軍がスンニ派の過激派組織「イスラム国」からの奪還を目指すイラクの戦略的要衝であるモスルダムを奪還した。

 この結果、過激派勢力はダム周辺の一部の拠点から撤退した。この地域は最近、クルド人部隊が米軍の空爆や助言、武器支援で勢力を拡大している。ただ、クルド人部隊にはここにきて、米政府がテロ組織に認定しているクルド系のゲリラ組織の兵士たちも加わっており、米政府には頭の痛いところだ。

 このゲリラ兵士たちは数百人に上り、クルド労働者党(PKK)と関係が深い。先週末から、クルド人自治区の民兵組織「ペシュメルガ」に加わり、米軍空爆支援の下での自治区の首都アルビルや山間部でスンニ派反乱勢力への攻撃に加わっている。この山間部ではクルド系少数宗派ヤジディ教徒が、イスラム国の武装勢力の急襲によって、身動きが取れない状況に陥っている。

 ゲリラ兵士たちが、モスルダム奪還のため米軍の空爆と連携したクルド人部隊の地上侵攻に加勢しているかどうかは現段階で明らかでない。

 とはいえ、シリアやトルコ、イラクではそれぞれ別の名前でクルド人独立をめざす戦闘活動を行う組織であるPKKが、スンニ派組織との戦いの主要メンバーに加わったことは、イスラム国の勢力拡大を受け利害関係者が新たな外交的、戦闘的同盟の結成に躍起になっていることの新たな証しだ。

 先週、PKK司令官らはヤジディ教徒の窮状を調査するために山間部を訪れた米国関係者と会談し「建設的な議論」を交わしたと語った。

 ワシントンの米軍高官は、この会談が行われたかについては確認できないとし、PKK兵士がペシュメルガと共に戦っているとの報道については「イラクの前線で誰が戦っているかをワシントンから掌握するのは困難だ」と述べた。

 この高官は、米国はPKKをテロ組織として認定しており、米軍が「一緒に何かすることはない」と述べた。

 米国務省のハーフ報道官は17日、「米国による支援はイラク軍とクルド人部隊向けというのが基本だ」と語った。

 シリア内戦でのイスラム国や他のイスラム反乱組織との2年にわたる戦闘を耐え抜いてきたPKKにつながるクルド人ゲリラ兵士らは、最近相次いで軍事拠点を奪取し、影響力を拡大させている。 

http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970204162404580100322523622394?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesSecond

◆クルド独立「唯一の選択肢」=国家建設の動き加速-イラク

2014/06/24 時事ドットコム

【アルビル(イラク)時事】イラク北部クルド自治政府のハミド・アハメド大統領府広報担当次官は23日、時事通信の単独取材に「イラクの現状を見る限り、クルド人の権利と安全を守るには独立以外の選択肢は残されていない」と述べ、独立国家建設に向けた動きが加速していると明らかにした。

 クルド人はイラク全人口の2割を占め、北部で自治権を獲得している。隣国トルコやシリアにもクルド住民は多く、イラクで独立が現実味を帯びてくれば、地域全体に影響が及ぶのは必至だ。

 アハメド氏は、マリキ政権が多数派のイスラム教シーア派を露骨に優遇したことがスンニ派住民の反発を招き、過激派勢力の浸透を許すことにつながったと分析。その上で「イラクがシーア、スンニ両派とクルド人の三つの勢力に分裂したことは紛れもない事実で、既に後戻りのできない段階に達した」と述べた。

 対立解消には、マリキ首相が退陣し、宗派を超えた支持を受ける新首相が全勢力に平等な権限を与えることが必要だと指摘した。その一方で「3勢力の不信感は極限まで高まっており、和解は極めて難しい」との見方を示した。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014062400112

◆ISIL(イスラム国)の最大攻撃目標は中国新彊ウィグル自治区
   だから米軍の空爆に諸手を挙げて賛成する中国

平成26年(2014)8月19日「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」

 ISILは当初「イラクとレパントのイスラム圏」と訳されていたが、最近のマスコミは、このテロ組織を「イスラム過激派」とか「イスラム国」という訳語を当てている。
7月に記者会見したISIL指導者は15分にわたる演説で「ISILは北アフリカからスペイン、東は中央アジア、パキスタン、アフガニスタン、インド。そして最終最大の目標は中国である」と述べた。
 こうなるとレパント(地中海沿岸)の範囲を超える。

 有力華字紙の「多維新聞網」(8月16日)は、最近北京への批判色を弱め、反日報道では新華社と同じトーンになるため、がっかりさせられることが多いが、「イスラム恐怖分子」(テロリスト)への脅威感は、北京政府同様のメンタリティを伴っている。
 同紙は、このイスラム過激派の膨張目的を「危険の弧」と命名した。

 事実、アフガニスタンのアルカィーダ秘密基地で軍事訓練を受けていたウィグル人は、1000名とされ、米軍の攻撃でグアンタナム基地に数十人が拘束され、うち何人かはアルカィーダと無関係とわかってアルバニア、ポリネシア諸国が身柄を引き取った。中国は執拗に身柄の引き渡しを要求している。

 ISILはアフガニスタンからシリアへ渡った過激派外人部隊。構成人員は7000名と推定され、おそらくウィグル人が多数含まれるであろう。

 新彊ウィグル自治区からのテロは遠く雲南省、北京などへと突出し始めた。ISILとの関連はいまのところみられないが。。。。

http://melma.com/backnumber_45206_6078056/

◆イスラム国が1500人性奴隷に=少数派女性ら-国連声明

2014/08/14 時事ドットコム

【ニューヨーク時事】国連事務総長のムラデノフ特別代表(イラク担当)とバングラ特別代表(紛争下の性暴力担当)は12日付で共同声明を出し、イスラム過激派「イスラム国」がイラクのヤジディ教徒ら少数派住民を誘拐し、性暴力を働いているとの情報があるとして「重大な懸念」を表明した。女性や少女、少年約1500人が拉致され、性奴隷となることを強いられた恐れがあるという。

 誘拐されたのはヤジディ教徒やキリスト教徒のほか、イスラム教徒のトルクメン人やシャバクなどイスラム国が制圧した地域の少数派の人々。声明はイスラム国の行為が戦争犯罪や人道に対する罪に当たる可能性があると指摘。その上で、地域諸国政府を含む国際社会に対し、被害者の即時解放に向けた支援を訴えた。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201408/2014081400063&g=int

        


最新の画像もっと見る