山の記憶 再び

「静岡のK」 山歩きの記録




コッフェル373 竜爪山から浅間神社へ  ―前編―

2010-03-26 | Weblog
2010.3・22(月・祝)

3連休の真ん中が出勤でガックリしていたが、
その21日(日)は突風吹き荒れる春の嵐に見舞われただけでなく、経験したことないような濃厚な黄砂に視界が失われ、山登りには最悪の天候となった。
3連休なら間違いなく遠出の山行を計画していたはず。結果的に出勤でラッキーだったかもしれない。

22日は予報もいい貴重な休日。前日まで山梨県の山に登ろうと思っていたが、
唐突に竜爪山と浅間神社を結ぶ稜線がどうなっているか知りたくなり、歩くことにした。

最大関心事は、第二東名建設のために失われた要衝「桜峠」を如何にして通過するかだ。

身近な里山縦走に過ぎないが、関心のある人には貴重な情報になるかも知れないので、前・後編に分けて詳細に報告する。

冒頭写真は、満観峰から望む静岡平野。
北岳から南下する南アルプスの稜線は、
最後の1000m峰竜爪山を過ぎると一気に高度を下げ、浅間神社で静岡平野に姿を消す。












登山口までは家内に送ってもらった。

写真は、これから歩く文珠岳と南下する稜線。

建設中の2本の道路は、奥が第二東名高速本線、手前が同高速取付道路。











竜爪山登山道旧道登山口。

今回は旧道を登らず、薬師岳を経ずに鉄塔のあるピークを経由して文珠岳へ直登するルートを選んだ。

このコースは「新・ハイキング」で紹介されて以来知るが多くなったようだが、旧道、新道に比べかなりハード。歩く人は少ない。











登り口は鳥居を過ぎて10数m行った左側。ルートがハッキリした旧道から離れるように、踏み跡と目印に沿って左上に進んでいく。











いきなり植林帯の急登が出現する。











鉄塔のあるピーク。

最近このコースを文珠岳からの下りに選んだS君が「中電があのピークを伐採してしまって道が分からなくなっていた」と言っていたように、
道は失われ、以前歩いたことがあって土地勘のようなものがある人でないと、道迷いする危険性が高いと思わせるほどだった。

その代わり展望は見事だった。

写真は静岡市街と駿河湾。











前の写真と同じ場所から目の前に望む薬師岳と文珠岳。











ピークから鞍部に下りながら振り返る伐採地。











鞍部から文珠岳山頂へは猛烈な急坂を登る。途中、花咲くミツマタに出合った。











ミツマタの花のアップ。











登り始めて2時間弱で到着した文珠岳山頂。

黄砂の前日と打って変わって、青空の下、富士山がクッキリ望めた。











文珠岳山頂表示。











南アルプス側の大展望。











静岡平野の展望。右にこれから歩く賤機山(しずはたやま)の稜線が延びている。











清水港もクッキリしていた。











9:30、富士山を背に桜峠へ向かい稜線を下り始めた。











しばらくは東海自然歩道を「牛妻」方向へ進む。










このルートにも大規模に伐採された中電の工事現場が現れる。











前日の強風でスギ、ヒノキの小枝が折れ落ち、周囲は「緑のジュウタン」の様相を呈していた。











桜峠への分岐点。しっかりした道を直進すると若山経由牛妻へ至る東海自然歩道。

桜峠、浅間神社へは、踏み跡の薄い左前方へ進む。











踏み跡は薄いが「桜峠」を示す標識はしっかりしている。






















鉄塔のある伐採地から望む清水港。











鉄塔を下から仰ぎ見た。











鉄塔から先は枯葉に覆われてルートが判然としない個所が現れる。

特に中電の作業者用の黄色い「火の用心」のテープは要注意だ。

写真の左のテープは中電、右の直角に曲がることを示す黄色い標識は登山道。

普通に進めば、ほぼ直進する中電のテープの方向に進む状況。そのまま進むと急坂をかなり下まで導かれる。誤りに気づいてからの登り返しはハードだ。(経験者は語る)











要所要所には、この山域には珍しいケルンが。心強い存在だ。











しばらく進むと「三角点」へのルートを示す、見たことのない道標。












標識に導かれて三角点に進むと「トリカブトの段」に至った。

何度か歩いたこのコースだが、この三等三角点を持つピークには初めて足跡を残した。











グングン下っていくと、荒れた茶畑やササ等に覆われた個所が現われる。












やがて茶畑の淵を進む道に出る。

この先ポイントポイントに目印が現れるので、道は悪くとも目印を頼りに進む。











やがて写真の分岐に出る。ここは重要だ。

左の標識は中電のもので導かれてはいけない。右に進む。











「本当にこの道で良いのだろうか」と思わせる道を「間違っていれば戻ればいいや」と開き直って進む。











と、前方ロープ越しに階段が現れた。











階段が上に続いていたので登ってみた。











登った先のピークからの展望。

第二東名工事現場の先に、浅間神社に続く賤機山(しずはたやま)の稜線。ピークにあるコンモリした木立はこれから向かう福成神社を囲む木々だ。

かつては桜峠を経て、写真左の茶畑の淵を進んだが、現在は一旦右に見える鯨ヶ池の畔に下山し、改めて賤機山ハイキングコースに進む。

以下、後編へ。

8 コメント

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Unknown (sw)
2010-03-28 15:01:54
はじめまして、こんにちは
安倍東山稜をよく登る者です
拝見したところ、安倍川流域の山にお詳しい方のようですので質問させていただきたいのですが、竜爪山の富士見峠から真富士山のコースはどのような感じしょうか?
以前このコースを歩いたのですが、藪が道を覆い被さるような状況で、踏み跡も薄かったので富士見岳で引き返しました
その後、聞いた話によると道が少し整備されたという話を耳にしたのですが、今の状況を教えていただきたいです
笹藪は問題ないと思います (静岡のK)
2010-03-28 17:29:59
swさんへ

お立ち寄りいただきありがとうございます。

約10年前、私が山を登り始めた頃は、専ら安倍川、大井川、富士川沿いのピークハント山行でしたが、ピークとピークを結ぶ稜線はどうなっているのだろうと最初に興味を抱いたのが真富士山~竜爪山の稜線でした。

初めて歩いたとき(真富士山→竜爪山)は笹藪に覆われ、僅かな目印を頼ってホウホウの体で富士見峠に辿り着き、穂積神社へのトラバース道を進みました。

最近は昨年2月に同じ道を歩きました。
驚いたことに、笹は約2m幅で刈られており、快適に縦走歩きが楽しめました。

そのときの記録が↓こちらです。
http://blog.goo.ne.jp/yamanokiokuhutatabi/e/4d4b1b68777ac866d7d197d2af973ae7

昨日(2010.3.27)富士見峠から富士見岳に向かって歩いてきました。
昨年に比べ少し笹が多くなったように感じましたが、縦走は問題なさそうです。

swさんもぜひ歩いてください。

笹藪といえば、第二真富士山~青笹がスゴイです。一度挑んでみてはいかがですか。
Unknown (sw)
2010-03-28 20:36:24
御返事ありがとうございます
早速今度行ってみようと思います
青笹の浅間原も行ってみたいです
御無沙汰してます (弱足ママ)
2010-03-29 16:24:26
Kさん、こんにちは!

桜の話題があちこちで出ているにも関わらず
ここ数日は真冬のような寒さです。
そちらはいかがですか?

なかなか大きな富士山を拝めない今日この頃・・
Kさんのところにくると 富士山がくっきりはっきり
大きく写ってるので いつもうっとりと見せていただいています。
ポレポレ隊も次は絶対に富士山をドカンと見たいです。

いつか時間がある時に 山リストを作っていただけたらな・・・なんて
一人言つぶやいてみました。
だってKさんのレポ、とってもわかりやすいんですもん。
静岡や山梨の山・・・ガイドブックで見たあと
確かKさんも行かれてたよな~・・
って思うことがあるのです。
いつか叶いますように。(*^_^*)
お立ち寄りありがとうございます (静岡のK)
2010-03-29 22:39:12
弱足ママさんへ

ご無沙汰いたしました。お元気そうで何よりです。
やっと ―後編― をアップしました。

今日静岡は珍しいことに雹に見舞われました。せいぜい直径5ミリ程度なので当たっても痛いこともなく、同僚たちが携帯デジカメを片手に屋外に飛び出していきました。

山リストですか… 弱足ママさんの山リストを見ながらいつも「こんな風にまとめられたらな~」と思っていました。
私がブログを始めたのは、弱足ママさんのブログへ書いた私のコメントへ「ブログを始めてみては」とご返答いただいたのがきっかけでした。複数の写真アップも弱足ママさんの助言のおかげで実現できました。
ところで当時、弱足ママさんは私のことを女性だと思っていたんですよね

弱足ママさんに促され、ぜひ山リストに取り組みたいと思います。が、もの凄くたくさんの時間をください。

もうすぐゴールデンウィークです。お互い、存分に山歩きを楽しみましょう!
良いルートでした (賢パパ)
2010-04-11 19:53:24
こんばんは。

このルート全く知りませんでしたが、Kさんのこの記事を読んで登ってみようと思いました。

登ってみて本当に良いルートだと思いました。

これからは、登りはこのルートを主に使うようにしたいと思います。

良い情報を有り難うございました。
ご無沙汰しています (純じゃぱ)
2010-05-04 16:15:04
久しぶりに貴ブログを訪問させて頂きました。気になっていた龍爪山~浅間神社の縦走路がいつもの明確な写真入りで紹介されていて今度これを参考に歩いてみたいと思っています。
前にも話をしましたが、静岡は榛原郡の方に転勤になりぐっと静岡が近くになりました。先日は静岡の駿府城の近くに研修に行きましたよ。天気が悪かったですが、研修後には歩き回りパルコに新しくできた好日山荘にも立ち寄りました。

5月の連休は、北アルプスはあの山本茂美で有名な「ああ、野麦峠」のあの野麦峠~(岐阜百山の)鎌ヶ峰~月夜沢峠を一泊2日で縦走してきました。例年より雪が多かったもののやはり高度が下がると笹薮や石楠花の藪が現われ、夏道がないだけにかなり苦労させられました。月夜沢峠からさらに境峠まで行こうと思ったのですが、さすがに手ごわい笹薮に退散することにして、林道の道すがらふきのとうを摘みながら帰宅しました。

(追伸)ところでこの記事の写真にある「南アルプス側の大展望」の中で、「小無間山」となっているピークは「唐松谷の頭」ではないでしょうか。小無間山はもうひとつ右側のピークだと思いました。余計なことを言ってすみません。
ご指摘の通りです (静岡のK)
2010-05-04 19:19:23
純じゃぱさんへ

お久しぶりです。藪山へのチャレンジ、とても前向きに思え、その精神は見習いたいと思います。

“唐松谷の頭”、ご指摘の通りでした。

山登りを始め、初めて大無間山の存在を知ったとき、
静岡市から見た大無間山の右に見える最高峰が小無間山と思い込み、現在に至っていました。
ご指摘いただけなければ、実際に登るまで唐松谷の頭を知らずじまいでした。

ご指摘ありがとうございました。

遅ればせながら、榛原郡へのご転勤おめでとうございます。
滞在期間中、一期一会のつもりで静岡県の山に親しんでください。

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