熱心に彼を追いかけていたのは1990年代の事でもう20年以上も前の話だ。その頃の彼はピアニストとしての活動が主でwynton kellyの流れを汲む歯切れの良いタッチが好きだった。そんな彼もいつの間にか還暦を迎えたらしい。現在はオルガン奏者としても知られ本場米ジャスシーンで活躍するベテランミュージシャンとなった。調べてみるとリーダー作を17枚リリースしているが私のコレクションは初期の6枚なので熱心なファンとは言えない。サイドマンとしては主なもので40枚以上に参加している様で、如何にミュージシャンの間で信頼されていたかが解る。これもkellyと一緒だ。
当アルバムはそんな彼の初リーダーアルバムで当時31歳、遅咲きの部類に入ると思うが年齢を重ねたが故の落ち着きが感じられ好感が持てる。また、彼の魅力はピアノトリオよりもフロントラインが1~2本入っている編成にあると思っていて、その点でもヘビーローテーションの1枚だった(何曲かトリオ演奏も入ってるけど)。ラストのタイトルナンバーは一分に満たない演奏で曲と言うよりマイクのソロの断片を敢えて収録したもでまるでkellyの生き写し、やはり彼のルーツなのだろう。
来日したら是非聴きに行きたいジャズマンの一人。
◆MUSIC DATA
1.Boo's Blues (Mike LeDonne) 7:35
2.Minor Contention (Hank Jones) 5:29
3.All Too Soon (Duke Ellington) 7:42
4.Olla Padrida (Mike LeDonne) 5:30
5.Why Was I Born (Jerome Kern) 7:18
6.Kelly's Gait (take 2) (Mike LeDonne) 10:13
7.B.P. Bossa (Mike LeDonne) 7:38
8.Jay Street (Mike LeDonne) 6:14
9.'Bout Time (Mike LeDonne) 0:52
◆PERSONEL
Mike LeDonne (P)
Tom Harrell (Tp / Flh)
Gary Smulyan (Bs)
Dennis Irwin (B)
Kenny Washington (D)
◆RECORDED
1988.1.11
◆ENGINEER
Rudy Van Gelder
◆LABEL
Criss Cross