やちくまのブログ

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Mountain Lionをインストールしたので、タッチI/Fについて考えてみた。

2012-08-18 23:26:10 | デジタル・インターネット

20120806_133646  会社のiMacをMountain Lionにアップグレードした。Lionの時に感じたほどの変化や驚きは無かったけど、前評判やレビュー記事通りの順当なブラッシュアップで、使用感も幾分か軽くなったように思う。
 Notification CenterやiCloud完全対応とかが目立った進化だけど、個人的にはOSレベルでのSNS対応が一番大きな変化かなと思ってたり..。でも、この辺のことで真新しいことは書けそうにないので、ここではマルチタッチUI対応について僕の思ったことを述べて見ようと思う。
 「Back to the Mac」と銘打ってiOSとの操作性の親和性を鳴り物入り?で打ち出した2年前の新OS発表イベント。
http://www.apple.com/apple-events/october-2010/
 「Macへの回帰」とは、もともと、iOSがMacOSXのサブセットから発したOSだからで、その大成功したタッチ操作のOSの操作感を元のOSXでも!という意味だと思う。一年前そのLionが出た時は、これまでのマウスでの操作ではなく、マルチタッチ対応のトラックパッドによるマルチタッチジェスチャー利用前提の操作法追加や変更が沢山あり、その斬新さや先進性にいささか興奮して、その操作の楽しさに浮き足立ってたように思う。
 しかし、ちょうど一年Lionを利用してみて、さらに今回Mountain Lionにアップしてみて、このOSの変化について冷静に考えられるようになった。時に、同じマルチタッチデバイスでの利用を強力に意識して作られたと思われるWindows8のCP版、RP版が今年3月、6月にリリースされて、それらを実際に使ってみて、この新しいタッチI/FをこれまでのPCで使うということがどういうことか?ということも少しずつ実感できるようになってきた。
 AppleのMountain Lion、MicrosoftのWindows8、どちらもマルチタッチに対応した新しいOSなんだけど、この2つのOSはその立場やアプローチの仕方が全く正反対ぐらいに違う。AppleのOSXとMicrosoftのWindowsはご存知の通り、PCのOSのシェアでは圧倒的にMicrosoftの独占状態で、90%以上のWindowsに5~6%のMacってところ。パソコン業界での決着は当の昔についていたと誰もが疑ってなかったくらい明確な勝ち組と負け組みという立場状態だった。
 ところが、ここ数年状況が変わってきた、iPhoneから端を発した直接画面に触って操作するタッチI/Fのデバイスが、iPadに代表されるタブレット型のPCに進化するや、Appleはあっという間にこの新たな市場のリーダー的マストプレイヤーになってしまった。競合するGoogleのAndroidとその市場を二分するものの、メーカーとしては寡占状態だし、そもそもMicrosoft社はここでは完全に出遅れで、WindowsPhoneのシェアは1%にも満たない。(携帯電話用OSにおいて..だけど、これは正にイノベーションのジレンマ!)
 Appleの立場としては、長年辛辣を舐めさせられたPC市場で、ようやく新しい芽が出て成功したマルチタッチOSを支持してくれるユーザーを取り込まない手は無い!ってことだと思う。逆にMicrosoftとしては、完全に出遅れたモバイルタッチデバイスの市場で、形勢逆転を賭けて投入するのが、旧来のデスクトップ型OSでは圧倒的シェアを誇るWindowsで、これを利用しない手はない!ってわけだ。
 ここにきて、パーソナルコンピューティング用OSのシェア争いは、20年以上も前にあったPC黎明期の争いや、その後のブラウザシェア戦争以上に面白いことになってきている(外野から見ればネ)。
 さらに面白いのが、Mountain LionとWindows8どちらも新しいこのOSは、見た目も考え方も全く違うとこだ。これまでWindowsはMacOSを追っかける立場だった。Windowsは新しいバージョンが出るたびにMacOSのマネって言われ続けて来たし、確かにそんな風に見えるとこも多かった。ところが、今回のWindows8の新しいUI、MetroUI改めWindows8 Modern UI??は(めんどいので以下メトロUI笑)タイルと呼ばれる独特のI/Fで、これまでのUIとも、またMacOSのUIともまるで違う新しいUIを採用している。僕はRP版を使って見て、これはアリだなと感心してしまった。Microsoftやるぢゃん!と..。
 かたやAppleのMountain Lionの方は、前述したようにLionからの順当進化にとどまっていて、大きくドラスティックに変化したのはLionでの変化ということになる。ただ、このLionはWindows8のメトロUIが完全なマルチタッチデバイス用のUIなのに対して、一見iOSの操作感に似せているものの、その実は全く別のものといっても過言ではない。Appleのアプローチとしては、デスクトップでiOSのようなタッチ操作を行うのは難しい、もしくは時期尚早だと思ったに違いない。なので、iOSとOSXは見た目やフィーリングは似ていても(似せようと努力していても)互いに別のデバイス専用の違うOSなんだと思う。
 Windows8は違うアプローチで、旧来のデスクトップはWindows8の中では一アプリということになってしまっている。これまでMicorosoftは一代前のWidows7で、旧来のデスクトップでタッチUIに対応するようなアプローチを見せてはいた。でも今回そのアプローチは無理で諦めたということだと思う。まぁ実際僕も難しいと思う。なので、旧来のデスクトップと新しいタッチUIのメトロは切り替えて使おう!と割り切ったんだと思う。これは潔い判断だし、ある意味正しいと僕は思う。
 結果として、どちらがこの新しいインターフェイスの市場を取ることができるのか?僕にはわからない。でも、Microsoftは旧来デスクトップとは決別し、必要なら切り替えてどっちも使ってよ!っていうアプローチ。Appleは今のところ、全く別物なんだけど、ユーザーにできるだけ意識させないように互いに似せ合って、その差をシームレスにしたい!っていうアプローチだ。
 Appleのアプローチはより難しいことへのチャレンジに見えるけど、その困難さ故の無理が操作系の節々にカオスを呼ぶし、Microsoftのアプローチは切り替えはシームレスではないので、度々操作系の断絶が起こる。個人的にはこのカオスさがどちらも大好物なので大歓迎な変化だ。けれども、一般的には混乱を生むだろうとは思う。まだまだ人類に最適なコンピューティングのI/Fは進化途上なのだ!

 PS.Microsft社製のタブレットSurfaceが$199で10月に発売!っていううわさが出てきた!それが本当なら、MSの本気さは相当なもの。Windows関連のエコシステムはMacの比じゃないので、Win8がローンチされて、プリインストールされたPCが増えてくれば、安価なマルチタッチディスプレイや、既存のモニタをマルチタッチ化させるためのシートだの、傾斜角変更スタンドだのいろいろ出てきて、あっという間にタッチI/FはPCでも一般化して、マウスや物理キーボードをニッチI/Fへ追いやるかもしれんね。


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