うう・・・
ルイサダせんせのショパン・コンチェルト第1番(『ジャン・マルク・ルイサダのスーパー・ピアノレッスン』(NHK教育火曜夜放送))はあまり好きになれないなあ・・・。あれはちょとくどいんではないかと思う。
コーダまであんなくどく弾かれたんじゃ、ただでさえ第1楽章長いのにあれじゃホントに胃もたれしちゃいますよぉ。
センセの演奏より昨日の生徒さんの演奏の方が全然好きだなぁ。たしかにルイサダせんせのおっしゃるように少々メリハリが欠けていたとは思うけど、タッチは生徒さんの方が美しかったし、テンポ感も実にスマートでこのショパンの若書きの作品にはうってつけの演奏だったのに。。。ワタシにはルイサダせんせの演奏は少々下品に聴こえましたですわ
今回の生徒さんはいままで出てきた生徒さんの中では一番お上手な気がいたしました。この方は磨けばもっともっと光ると勝手ながら思って観ておりましたー
まあ、ルイサダせんせのすぅぱぁレッスンの話題はこれくらいにしまして、今日もおひとつオススメCDの紹介しちゃいマス♪
ちょっと唐突かもしれませんが・・・
ロベルト・シューマン(1810-1856)ていう人はちょっと変わったお人だと思いませんか?
だって、唯一のピアノ協奏曲の第2楽章が“Intermezzo”(間奏曲)なんですもん。これってちょと不思議。全楽章の有機的な連関性を高めるための“Intermezzo”だということはわかるのですが、通常3楽章で構成される協奏曲の第2楽章に“Intermezzo”なんぞを持ってきた人はワタシの知る限りこの人だけです。
“Intermezzo”っていうのは、本来「オペラ」の幕間に器楽で演奏される間を持たせるための音楽だから、シューマンのこの曲ではもちろんすでに形式化してしまっています。なにしろ、曲全体が器楽曲ですからね。 ブラームスのピアノ小品でもこの“Intermezzo"が多用されているし、ショパンやラフマニノフ、スクリャービンといった人たちが“前奏曲”だけでひとつの連作(全24曲)を作っているのとも発想は同じと言ってよく、要するにこれらは“キャラクター・ピース”(性格的小品)と化している。
ワタシ個人としては、ショパンやブラームスのようなキャラクターピース的な扱い方は普通にしっくりくるのですが、このシューマンのピアノ協奏曲への“intermezzo”の扱いかたは少し違和感があるんです。ちょと珍しい例なので。
それにね、この第2楽章は、要は恋人同士の他愛もないやりとりなわけですよ。最初にピアノで奏でられる少し無邪気な主題が「シューマン本人」だとすれば、途中まずチェロソロから始まりストリングス全体に受け継がれていく、甘~いため息のような曲線的で女性的な主題はまさしく「クララ」と捉えてもなんの不思議はない。ただそんな二人の恋人どうしのやりとりを赤の他人が聴くことほど、退屈なものはにゃい!!(爆)
まあいずれにせよ(苦笑)、シューマン本人に第2楽章の地位をおとしめるような気がなかったのは明白にもかかわらず、このピアノ協奏曲にのみIntermezzoをもってきたこと自体やはり非常に興味深いことに思えます。彼のチェロ協奏曲の第2楽章もヴァイオリン協奏曲の第2楽章も、Intermezzoではないし、4つある交響曲にもひとつとして出てこない。
と、まあいろいろと言ってきましたが、
この曲はワタシも人並みに好きな曲で、ルプーや、クライバーン、ツィメルマン、ペライアなどの秀演をいろいろ聴いてきましたが、この少々風変わりな第2楽章については、intermezzoであるなしに関係なく、今までさして感動をもって聴いたことはなかった、というかいつも軽く聴き流してきたように思います。アルフレッド・コルトーの演奏を聴くまでは。
実は最近アルフレッド・コルトーの演奏が密かにマイブームでして、少しずつ、しかし着実にコレクションを増やしつつあるのですが、最近手に入れたものの中に、このコルトーせんせのシューマンがあったわけです。これもNAXOSヒストリカルシリーズのおかげ
ワタシがとっても素敵だと思ったのは、両端Allegro楽章ではなく、まさしくこの第2楽章Intermezzo。コルトーせんせの演奏だと、いままでかる~く聴き流していたはずのこのIntermezzoが突然、瑞々しい生命力を持った音楽としてワタシに訴えかけてくるではありませんか!!(別に大袈裟に言っているわけじゃありませんのよ) この泉のように湧き出てくるファンタジーは、もうどう説明してようのかわからないくらい素晴らしいとしか言いようがないです。特に最初のピアノで奏でられるテーマとそのテーマが再現するところを聴いただけでもう萌え萌え 言葉ではこれが限界
よく、有名な批評家の批評などを見ていると「最初の一音を聴いて、涙が溢れた」とか、歯の浮いてしまいそうな少々信じがたいような文句を目にすることがよくありますが(苦笑)、今回はワタシにもめずらしく「何かが降りてきた」のでしょうか、まさに「最初の1音」から「コルトーせんせ、素敵ぃ~」と思ったんです。ウソじゃないDEATH!!
ちなみに、このディスクにカップリングされているショパンのピアノ協奏曲第2番もとっても素敵です!それと、おそらくこの曲の第2楽章も今までワタシが聴いてきた中で最高の演奏だと思います。本当に詩情豊かな演奏 ここまでテンポルバートをしていながら、演歌にならないのは、ルバートをしながらも左手は一定のリズムを刻んでいる証拠。確かなリズム感と豊かな詩情の絶妙な融合DEATH!!ペダリングのセンスも素晴らしい!!
同じフランス人なのになんでこんなにルイサダせんせと違うんだー
あ、ちなみに戦前の録音にもかかわらず驚くほどの優秀録音です、これ。文句なし!!
>以前のコルトーに関するエントリーです。よろしければどうぞ♪→こちら
<CDデータ>
【演奏】アルフレッド・コルトー(Pf)
ランドン・ロナルド指揮ロンドン・フィル→シューマン
ジョン・バルビローリ指揮 ロンドン・フィル→ショパン
【曲目】ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
【録音】1934年、1935年
【発売】NAXOS 8.110612
ルイサダせんせのショパン・コンチェルト第1番(『ジャン・マルク・ルイサダのスーパー・ピアノレッスン』(NHK教育火曜夜放送))はあまり好きになれないなあ・・・。あれはちょとくどいんではないかと思う。
コーダまであんなくどく弾かれたんじゃ、ただでさえ第1楽章長いのにあれじゃホントに胃もたれしちゃいますよぉ。
センセの演奏より昨日の生徒さんの演奏の方が全然好きだなぁ。たしかにルイサダせんせのおっしゃるように少々メリハリが欠けていたとは思うけど、タッチは生徒さんの方が美しかったし、テンポ感も実にスマートでこのショパンの若書きの作品にはうってつけの演奏だったのに。。。ワタシにはルイサダせんせの演奏は少々下品に聴こえましたですわ
今回の生徒さんはいままで出てきた生徒さんの中では一番お上手な気がいたしました。この方は磨けばもっともっと光ると勝手ながら思って観ておりましたー
まあ、ルイサダせんせのすぅぱぁレッスンの話題はこれくらいにしまして、今日もおひとつオススメCDの紹介しちゃいマス♪
ちょっと唐突かもしれませんが・・・
ロベルト・シューマン(1810-1856)ていう人はちょっと変わったお人だと思いませんか?
だって、唯一のピアノ協奏曲の第2楽章が“Intermezzo”(間奏曲)なんですもん。これってちょと不思議。全楽章の有機的な連関性を高めるための“Intermezzo”だということはわかるのですが、通常3楽章で構成される協奏曲の第2楽章に“Intermezzo”なんぞを持ってきた人はワタシの知る限りこの人だけです。
“Intermezzo”っていうのは、本来「オペラ」の幕間に器楽で演奏される間を持たせるための音楽だから、シューマンのこの曲ではもちろんすでに形式化してしまっています。なにしろ、曲全体が器楽曲ですからね。 ブラームスのピアノ小品でもこの“Intermezzo"が多用されているし、ショパンやラフマニノフ、スクリャービンといった人たちが“前奏曲”だけでひとつの連作(全24曲)を作っているのとも発想は同じと言ってよく、要するにこれらは“キャラクター・ピース”(性格的小品)と化している。
ワタシ個人としては、ショパンやブラームスのようなキャラクターピース的な扱い方は普通にしっくりくるのですが、このシューマンのピアノ協奏曲への“intermezzo”の扱いかたは少し違和感があるんです。ちょと珍しい例なので。
それにね、この第2楽章は、要は恋人同士の他愛もないやりとりなわけですよ。最初にピアノで奏でられる少し無邪気な主題が「シューマン本人」だとすれば、途中まずチェロソロから始まりストリングス全体に受け継がれていく、甘~いため息のような曲線的で女性的な主題はまさしく「クララ」と捉えてもなんの不思議はない。ただそんな二人の恋人どうしのやりとりを赤の他人が聴くことほど、退屈なものはにゃい!!(爆)
まあいずれにせよ(苦笑)、シューマン本人に第2楽章の地位をおとしめるような気がなかったのは明白にもかかわらず、このピアノ協奏曲にのみIntermezzoをもってきたこと自体やはり非常に興味深いことに思えます。彼のチェロ協奏曲の第2楽章もヴァイオリン協奏曲の第2楽章も、Intermezzoではないし、4つある交響曲にもひとつとして出てこない。
と、まあいろいろと言ってきましたが、
この曲はワタシも人並みに好きな曲で、ルプーや、クライバーン、ツィメルマン、ペライアなどの秀演をいろいろ聴いてきましたが、この少々風変わりな第2楽章については、intermezzoであるなしに関係なく、今までさして感動をもって聴いたことはなかった、というかいつも軽く聴き流してきたように思います。アルフレッド・コルトーの演奏を聴くまでは。
実は最近アルフレッド・コルトーの演奏が密かにマイブームでして、少しずつ、しかし着実にコレクションを増やしつつあるのですが、最近手に入れたものの中に、このコルトーせんせのシューマンがあったわけです。これもNAXOSヒストリカルシリーズのおかげ
ワタシがとっても素敵だと思ったのは、両端Allegro楽章ではなく、まさしくこの第2楽章Intermezzo。コルトーせんせの演奏だと、いままでかる~く聴き流していたはずのこのIntermezzoが突然、瑞々しい生命力を持った音楽としてワタシに訴えかけてくるではありませんか!!(別に大袈裟に言っているわけじゃありませんのよ) この泉のように湧き出てくるファンタジーは、もうどう説明してようのかわからないくらい素晴らしいとしか言いようがないです。特に最初のピアノで奏でられるテーマとそのテーマが再現するところを聴いただけでもう萌え萌え 言葉ではこれが限界
よく、有名な批評家の批評などを見ていると「最初の一音を聴いて、涙が溢れた」とか、歯の浮いてしまいそうな少々信じがたいような文句を目にすることがよくありますが(苦笑)、今回はワタシにもめずらしく「何かが降りてきた」のでしょうか、まさに「最初の1音」から「コルトーせんせ、素敵ぃ~」と思ったんです。ウソじゃないDEATH!!
ちなみに、このディスクにカップリングされているショパンのピアノ協奏曲第2番もとっても素敵です!それと、おそらくこの曲の第2楽章も今までワタシが聴いてきた中で最高の演奏だと思います。本当に詩情豊かな演奏 ここまでテンポルバートをしていながら、演歌にならないのは、ルバートをしながらも左手は一定のリズムを刻んでいる証拠。確かなリズム感と豊かな詩情の絶妙な融合DEATH!!ペダリングのセンスも素晴らしい!!
同じフランス人なのになんでこんなにルイサダせんせと違うんだー
あ、ちなみに戦前の録音にもかかわらず驚くほどの優秀録音です、これ。文句なし!!
>以前のコルトーに関するエントリーです。よろしければどうぞ♪→こちら
<CDデータ>
【演奏】アルフレッド・コルトー(Pf)
ランドン・ロナルド指揮ロンドン・フィル→シューマン
ジョン・バルビローリ指揮 ロンドン・フィル→ショパン
【曲目】ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
【録音】1934年、1935年
【発売】NAXOS 8.110612