きのつらゆき(Kino_Tea)

紀貫之のごとく、気の向くままに、つらつらと、(書いて)ゆきましょう。
ブログというより備忘録。スケート関連多い。

アリョーナ・カニシェワのデビュー、JGPオーストリア大会

2018-09-02 | Skating

JGPオーストリア大会は、モーツァルトの交響曲36番でおなじみのリンツで開催された。

Alena Kanysheva
(Thank you! Mihail Sharov!)
ロシアのアリョーナ・カニシェワ (2位、191.84点)

今シーズンの出場選手で一番気になっていたのは、エテリ組の有名選手たちではなく、今回ロシアから出場したもう一人のアリョーナである、アリョーナ・カニシェワ(13歳2か月)だ。JGPデビュー戦はどうなるだろう?

JGPに出場できるほど実力のある選手だとは思っていなかったが、ロシアスケ連がJGP2戦目の出場を決定した選手。新採点方式でどのような評価を受けるのか?

アリョーナ・カニシェワSP(The Show Must Go On + ベートーベン月光

2A(r) FCSp3 3F(r) / 3Lz+3T LSp4 StSq3 CCoSp4

コストルナヤと同様に最初のエレメンツは2Aジャンプ。しかもエテリ組は誰もやらない両手上げジャンプを跳び、静かに闘争心を表したようだ。スパイラル→ブラケット→ブラケットの入りか。

キャメルスピンはやや勢いのない感じだったが、フリップもルッツもエッジエラーなく跳び、3Lz+3Tは全選手中でGOE最高点を獲得するジャンプだった。コストルナヤの3F+3T(r)のように見ごたえのあるジャンプというわけではないが、どんな軸からでも絶対に着氷してみせるという意志を感じた。ジャンプは着氷の安定を流れやスピードより優先しているのだろう。

ステップは機械人形のように抑揚のないイメージがあったが、筋力がついたのか足も上半身もそれぞれよく動いていた。姿勢が良い。レイバックスピンはしなやかで連続スピンもサイドウエイズは見ごたえがあった。全体を通して完成度の高い内容だった。(解説のテッド・バートンも言っていたと思う。)

アリョンカはかなり緊張したのか、キスアンドクライで手を握り締めていた。


アリョーナ・カニシェワFS(チャイコフスキー・交響曲第1番「冬の日の幻想」)

2A(r) 3Lz+3T FCCoSp4 LSp4 2A(r) 3Lo / 3Lz+1Eu+3S 3F+2T StSq2 3F CCoSp4

髪を編み込み、さらに髪飾りをつけたカニシェワ。綺麗な衣装とあわせて妖精、お姫様と言われているようだが、カニシェワの「勝負師の顔」を見たような気がする。フリーは持ち越しではなく新プログラム。後半まで体力が持たない選手を何名か見た後だったが、カニシェワは最後まで果敢に挑戦する演技だった。

(セカンドジャンプの動作に息つく暇もない)3Lz+3Loを至高のジャンプと考える者からすると、元々シーケンス扱いの「3-1-3」ジャンプを跳ぶのは気に入らないが、カニシェワだからしょうがない。得点源でもあるようだ。

ジャンプの着氷時の安定性を重視するのがスノーレパードのパノワコーチの指導なのか、着氷後に流れがなくなってしまい、GOEの得点が+4以上がほとんど無いかわりに、全てのジャンプを転倒、回転不足、エッジエラーもなくクリーンに跳んだ、ただ一人の選手になった。

フリーのステップは後半で疲れたからか、ショートほどには体が動いていないように見えた。

蓋を開けてみれば2位191.84点と、ジュニア1年目のデビュー戦としては良い結果だった。ザギトワ(ジュニア2年目)コストルナヤ、トゥルソワもJGPデビュー戦は190点台だった。

パノワコーチはマリア・ソツコワをJGPF優勝に導いたコーチでもあり、カニシェワもJGPF出場を目指して頑張ってほしい。




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