ヲノサトル責任編集・渋東ジャーナル 改

音楽家 ヲノサトル のブログ

君は他にはいない

2009年01月20日 | 映画/映像

注文していたビデオが届いた。ずっと前から探していたが日本では未発売のため、アメリカ版のVHSを入手してみた(DVD化はされていない) 1942年のミュージカル映画 『ICELAND』



ストーリーは1行で書けるほど単純。
「若くハンサムなアメリカ軍人が駐留先の現地女性と恋に落ちる話」

要するに、南太平洋だの極東だのアフリカだのといった「未開の地」に赴いた文明人(=アメリカ人)の主人公が「原住民」の美女に惚れられる…といった類いの、典型的なエキゾチズム映画なのである。

この映画の場合、舞台は北国アイスランド。

と言ってもハリウッドのスタジオセットで撮影したのが一目でわかるチープな背景。トゥーマッチな民族衣装、フォークロア"風"の音楽、地元民(を演じるハリウッド俳優)たちのわざとらしくナマった英語など、突っ込みどころ満載なところもB級エキゾ映画ならではの味わい。

主人公が駐留米軍人で現地の熱烈な歓迎を受け、美女に求愛される…というやけに都合の良い展開には「軍人になれば君も世界中でこんな良い思いができるぞ!」と若者をリクルーティングする意図があったのかもしれない。1942年という製作年度を考えると。

ちなみに主演女優ソニヤ・ヘニーはノルウェー出身。フィギュアスケートの金メダリストからハリウッド女優へ転身したという。この映画の見どころは、彼女のアイスダンスだけと言って良いだろう。映画の趣向としては、水泳選手から女優に転身したエスター・ウィリアムズが主演した『水着の女王』など一連の"水泳モノ"にも似た「一芸ミュージカル」の系譜。(ソニヤ嬢が主演の"スケートミュージカル"は他にも何本か作られているらしい)

さて、なぜ今となっては超マイナーなこの映画を取り寄せてまで観たかったかと言うと、劇中に流れるこの曲をオリジナルで聴きたかっただけなんですね。


「ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー」
(作詞作曲: マック・ゴードン & ハリー・ウォーレン)



いちばん有名なのはたぶんチェット・ベイカーの歌ったバージョンだけど、個人的にはシャーリー・バッシーの絶唱が心に響く。





  「君は他にはいない」

  これが2人で踊る最後のダンスだね
  今夜のことも すぐ昔話になってしまうだろう
  でも 別れの今 言っておきたいことがある

  こんな夜はこれからも 何度だってあるだろう
  そのとき僕は 他の誰かと一緒かもしれない
  他の歌を歌っているかもしれない
  他の秋が来る 春も来る
  でも 君は他にはいない

  キスする唇は他にもあるだろう
  でも 君がしてくれたキスのように僕の心を震わせはしない
  夢ならいくらでも見られるだろう
  でも その夢は決して実現しない 永遠に 絶対に
  だって 君は他にはいないんだから






最新の画像もっと見る

コメントを投稿