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The Artist~(Prince) 『The Gold Experience』

2010年09月26日 17時11分19秒 | ディスクレビュー P~T
ジ・アーティスト~『ゴールド・エクスペリエンス』


プリンスはレコード会社であるワーナー・ブラザーズと権利関係で揉めたことで、1993年からの一時期、名前をシンボルマーク(男性記号♂と女性記号♀を足したようなマーク)に変えて活動していました(2000年にワーナーとの契約が切れたのを機に、再びプリンスに戻っています)。ただ、そのシンボルマークを実際にどう読むのかが不明だったために、再び名前をプリンスに戻すまでの彼は、必然的に「The Artist Formerly Known As Prince(かつてプリンスと呼ばれたアーティスト)」と呼ばれることとなりました。


さて、この『ゴールド・エクスペリエンス』は1995年に元・元プリンス(あーややこしい…)がリリースした、非常にハイテンションなアルバムです。タイトルの「ゴールド」の部分を地で行くような煌びやかなで派手なアレンジが全編に渡って施されていて、まさにタイトルに偽りなしといった作品に仕上がっています。一応全18トラックほど収録されていますが、楽曲の間に挿入されている「NPGオペレーター」はいわゆるアナウンスのみのトラックなので、純粋な楽曲は実質12曲ということになります。それでも充分に多いけど。


印象としては、全体的に1984年の出世作『パープル・レイン』とタメ張るくらいの取っ付きやすさで、もっと詳しく言うなら『パープル・レイン』に数曲足してさらにゴージャスなアレンジを加えたという感じ。楽曲の一つ一つを取ってみても、オープニングの「Pコントロール」『パープル・レイン』のオープニング「レッツ・ゴー・クレイジー」と、ラストの「ゴールド」は同じく『パープル・レイン』のラスト収録のタイトル・チューンと明らかにイメージが被ります。


ただしイメージが被るとはいえ、ゴージャスなアレンジが功を奏して(?)、『パープル・レイン』が大人しく思えてしまうほど圧巻のスケールを誇っています。特に「エンドルフィンマシーン」の熱狂的テンションは凄まじいものがあり、聴いてるこっちも所構わず「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛―――――ッ!!!」と絶叫したくなってしまうほど。ちなみにこの曲はK-1 WORLD GPシリーズのテーマ曲であり、前述の「ゴールド」もまた同番組のエンディング・テーマに使用されているので、聴いたことのある人も多いかもしれません。


[1995年発表作品]


Prince - Endorphin Machine (HQ)