早突きの実戦と考察

相掛かり定跡の5手目の▲7八金を省略して先手がいきなり突っかけるとどうなるかを考察する部屋です。

勇み足宣言(H7-1-1)

2010-09-03 01:08:37 | Weblog
今回のお相手はヤフーで対戦したH7さん(後手)です。今回も例によって第1図は、先手の私が▲4五角と打った局面です。初手からの指し手は、これまで通り▲2六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△8七歩▲2三歩△8八歩成▲同銀△3五角▲2八飛△5七角成▲2二歩成△同銀で▲4五角です。

第1図以下、△8六飛▲8七歩△8二飛▲5二歩△同飛▲6三角成△2三歩▲8一馬で第2図。

第1図からの△8六飛はこれまでも何回か出現していて、検討の結果やはりこれは無理という結論が確定しつつあります
前回は5月のG4さんとの一局でした。「やはり手順前後(G4−1−1)」参照。
本局のここまでの進行は前述のG4さんと同一進行ですので、指し手の詳しい解説は上記記事をご覧下さい
第2図から前述のG4さんは△2三歩と2筋を受けましたが、本局のH7さんは・・・

第2図以下、△6七馬▲6三桂△4二玉▲7一桂成△同金▲同馬で第3図。

H7さんは△6七馬の攻め合いでした。第2図ではすでに後手形勢悪いですから、苦しい時は乱戦に持ち込もうとするのは悪くない選択だと思います。逆にこちらは優勢なのですから、ここでは▲7八金と受けておくのが良かったと思います
△6七馬に▲7八金と受ける形はこの戦形ではよく出てくる手ですが、この手は飛車の動きを制限してしまうデメリットがあります
しかし本局は後手がすでに△2三歩と2筋を受けてあるので、すぐに先手の飛車を飛び出す手はなく、▲7八金型のデメリットが緩和されています
その意味でも▲7八金を選択するべきでした。しかし本局の私はより積極的に▲6三桂。無論これも大変厳しく、第3図まで進んで先手は金銀得となります

後手の楽しみはここで手番となることですが、さてH7さんは・・・

第3図以下、△8九馬▲6三金△9二飛で第4図。

H7さんは△8九馬と桂を補充しました。これは正確には桂の補充というよりも、すぐに△5七桂だと▲5八金左が馬に当たるので、あらかじめ馬を避難させておきたいということだと思います
さらに今書きましたすぐに△5七桂▲5八金左の後、本譜と同じように進んだとすると、以下、△4九桂成▲同玉△8九馬▲6三金△9二飛(参考A図)となりますが、本譜第4図と比較してどうでしょうか?
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実は参考A図の変化は、先手に桂を渡してしまったために後手玉に即詰みが生じてしまっているのです
参考A図以下、▲5三馬△3二玉▲4四桂△同歩▲4三銀(参考B図)まで。

第3図の段階でH7さんがここまで読み切って△8九馬を指したのならさすがです。読み切らずに指したのなら、鋭敏な危険察知能力という他ありません
本譜に戻って第4図では参考A図と違って後手玉に即詰みはありません。しかしグズグズしていると今度こそ△5七桂が飛んできます

先手はどう指すべきでしょうか?
続きは次回です。

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