毎年12月12日に京都市にある清水寺で発表している「世相を現す漢字一字」というのをご存じだろうか?
昨年は「変」だった。あれは清水寺が趣味でやっているように思っている人も多いだろうが、実は「財団法人日本漢字能力検定協会」というところが主催している。文部科学省(生涯学習政策局生涯学習推進課)所管の公益法人で言わずと知れた「天下り」機関だ。
日本漢字能力検定協会
ここで「漢検」をやっている。文科省の天下りだから、ここで級位が認定されると、何と!高校などの正式単位として認められるのである。
そんな「権威」のある資格にもかかわらず、「検定のやり方が簡単でいい加減だ」と以前から噂されていた。
利益禁止の「漢検」20億円もうけ、経費3倍の検定料も
≪「日本漢字能力検定協会」(京都市下京区、大久保昇理事長)が、利益を上げることが認められていない検定事業などで、過去5年間に計約20億円の利益を得ていたことがわかった。≫
天下り理事への給料や退職金支給以外にも20億円も儲けるとはとんでもない団体だが、他の天下り法人に比べれば可愛いものである。それにしても、チクったのが文科省の役人というのは不思議だ。役人のくせに何故「先輩」の顔に泥を塗るようなことをやらかしたのだろうか?
普通ならこの程度の小遣い稼ぎはまず表面化しない。
まさに「変」である。
麻生首相の誤読レベルは? 漢検が調査
≪漢字の誤読を繰り返し、野党などから罵声を浴び続けている麻生太郎首相。果たして首相の間違えた漢字は何級程度のものなのか。文部科学省所管の財団法人「日本漢字能力検定協会」の調査によると…。
麻生首相は先月、「頻繁(ひんぱん)」を「はんざつ」、「未曾有(みぞう)」を「みぞうゆ」、「踏襲(とうしゅう)」を「ふしゅう」と相次いで誤読した。
これが支持率急落の大きな原因になったとの見方が強いが、夕刊フジでは首相が間違えた漢字のレベルがどの程度のランクなのか同協会に調査を依頼。有識者らに各漢字の学力レベルを分析してもらった。≫
何と、天下りのくせに麻生首相に恥をかかせたのである。今回の発覚は「意趣返し」の可能性が高い。
この団体は天下りのくせに反骨精神が旺盛なのだろうか?
それとも、単に間抜けなだけか?
そういえば昨年は「偽」だったな。
今年の漢字 2007 世相を表す漢字1字は 偽 に決定
≪今年の漢字 2007 世相を表す漢字1字は 偽 に決定今年の漢字は、清水寺で「世相を表す漢字1字」が発表されました。
今年の漢字は、日本漢字能力検定協会が募集しているもので時代に合った漢字1字が選出し清水寺貫主 森 清範が縦1・5メートル、横1・3メートルの巨大な和紙にしたためます。
2007年をあらわす 漢字は 偽 に決定しました。≫
ということだ。身内ネタで決めているのだろうか?
漢検だけではなく、自民党が政権を執っている関係か、日本の「資格」は胡散臭いものが多い。詳しく知りたい人はここを見るのがよろしかろう。
資格
読売に天下り先をすっぱ抜かれた文科省はHP上で開き直った。
4月3日(月曜日)付け読売新聞の報道(文部科学省関係 天下り先1,078法人 国費支払い6兆円)について
漢検本部近くの人らしく、やたら漢検の事情に詳しいブログです。
「漢検」こそ、「変」
(追記)
この記事を関して、
「漢検は天下りなんかいないだろう。むしろ、天下りを受け入れてないから文科省に嫌がらせされているんじゃないか?」というご指摘を多方面からいただきました。
漢検さんの理事と評議員に関しては以下のリンクで確認できます。
漢検の概要
理事はお飾りの感じが強いですね。一方評議員は公立教育機関の学者さん達が名前を連ねています。天下りの定義は「公務員が退職して別の法人に就職する」ことですから、この協会の場合は「兼任」ということになり、確かに「天下り」には該当しないですね。
「文科省とゆかりの深い人たち」とでも表現すればよかったですかね。
大学や研究機関等の教育系の公務員の場合、立場が特殊なので一般公務員とは区別して考える必要がありそうです。
漢検と他の天下り機関と較べると癒着度はかなり違うようです。
一般的な天下り機関は最初から役人主導で作られますが、漢検に関しては大久保氏の発案に文科省が乗った形だと思います。今までは優遇されていましたから、それなりの関係を維持していたと思われますが、現在はご覧の通り。
天下り批判が強い現況で文科省が「天下り受け入れ強要」までする根性があるかは疑問の残るところです。
で、本ブログとしては「天下り」という表現はいささか不適切であったと認めますが、実質的には「天下り」と変わらないのではないか思っております。
最新の画像もっと見る
最近の「本文」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2005年
人気記事