近藤大介のアジア・スケッチ

アジア・ウォッチャーの近藤大介が、東アジアについて分析する。

韓国政府の機密費

2006-07-22 11:52:10 | Weblog
 情報公開の進む韓国で、20日付の朝鮮日報が、韓国政府の機密費を公表した。日本では機密費と呼ぶが、韓国では特殊活動費と呼ぶ。それによると、日本の外務省にあたる外交通商部の特殊活動費は、年間16億8000万ウォンで、日本円に直すと約2億円である。職員が4000人とすると、ひとりあたり毎月4000円しか使えない。これでは、相手と2回コーヒーを飲んで終わりである。
 それに較べて、大統領秘書室の特殊活動費は、年間108億5600万ウォンもある。外交通商部の10倍以上だ。しかも秘書室で機密費を使うのは、大統領以下30人ほどなので、彼らひとりひとりは外交官の1000倍もの機密費を握っていることになるのだ。つまり、盧武玄政権は、究極の内向き政権なのである。
 ちなみに、国防部はさすがに北朝鮮と対峙しているだけあって、1514億1500万ウォンを計上している。気になる国家情報院は、秘密となっている。彼らと長年接している経験からして、おそらく、500億ウォン規模ではないかと思われる。しかも、金大中政権時代は、金正日への裏金運びに加担されたこともあるくらいだから、純粋に北朝鮮を監視しているばかりとは限らない。
 いずれにしても、「政府の予算の流れを見ればその国が見えてくる」と外務省の経済関係者から聞いたことがあるが、それは真実のようだ。