わけししょうロケ【愛媛】Matsuyama Ehime

日常から非日常まで、独特な人生の渡り方。不安定な安定の求め方。非正規上等、「いざ」という時のためにも。

愛媛県今治市上徳「チャイナダイニング彩鳳」【わけししょうロケ】シェフにお願い! 特別オーダー第2弾

2017年11月13日 | 食い呑み

以前にも触れましたが、愛媛今治は福建シンジケートがありまして、その系統の中華料理屋がたくさんあります。たどればみんな親戚筋とのことですが、和気入道自身が確認したわけではないので、確証はありません。すでに地域になくてはならない存在であり、市民の胃袋を満たす役割を果たしています。焼き鳥や焼き豚卵飯が目立ちますが、これも今治食文化を一翼を為していると指摘しておきます。

特徴としては、いわゆる日本独自の「中華料理」ど真ん中で、日本の方どなたにも受け入れられるメニュー構成となっています。例えば、中華丼や餃子定食、天津飯、八宝菜、チャンポンは取り揃えております。言うまでもなく、福建料理とは似ても似つかないのであります。それはそれとして価値があります。もちろん、和気入道もよく利用しており、このブログ内でも紹介しております。

中国に多く行っている和気としましては、やはり本場の中国料理が恋しくなることもあります。中国に行かれた日本の方はご理解いただけると思いますが、中華料理と中国料理は似て非なるものです。中国料理とはカテゴリーとしてはエスニック料理といえるかもしれません。東京などでは明らかに在日華人をターゲットにする現地100%のノリでやっている飲食店がありますが、愛媛ではなかなか難しいものがあります。まあ、未知の文化ですから仕方ありませんが、日本の人は中国人が中華丼を食べていると思ってるでしょうかね。

胃袋ホームシック? への処方箋がここにあり。毎度お世話になっております、今治は上徳にあります彩鳳さんであります。 表メニューも愛好しておりますが、久しぶりにわがままオーダーをお願いしました。備忘録的に展開することをご了承ください。今回は5人での席を設けることになっております。ついついたのみすぎてしまうのですが、余れば持ち帰りにすればいいだけのこと。

 

まずはこちら、「清蒸鱼」です。薬味をたっぷりぶちまいた醤油ベースの蒸した鯛です。あえて魚種は伝えず、お任せしました。愛媛の真鯛は養殖物、旬の天然物ともすばらしく、中国料理では比較的アッサリとした味付けにはピッタリです。いきなりのメイン登場といった感じです。

 

 

さて、こちらは「红烧茄子」。前回とは作り込みが異なり、茄子以外の野菜も使われています。定番の麻婆茄子とはちょっと違うんですねえ。肉が使われておりませんが、こちらも日本人に合うと思います。

 

今回お願いしたメニューで「梅菜」が入手できないため、シェフが代わりに出してくれたのが「卤猪肉」です。豚スネ肉の蒸し煮といえばいいでしょうか。いや〜、日本でお目にかかれるとは! 感激ですね。プルプルフワフワの箸で切れるような柔らかさ。当然、連れの皆様もビックリ。角煮とは違う美味しさです。山西省の黒酢も出していただけるので、心はすでに大陸にあります。

 

 

出てくる順序がちと違うような気もしますが、続いては「西红柿鸡蛋」と「蚝油生菜」。字ヅラでは判りにくいかもしれませんが、トマトと卵の炒め物とレタスのオイスターソース炒めです。トマトを主としますが、イタリアンではなく、れっきとした中国料理です。絶妙の火加減で調理されたシンプルでごまかしが効かない定番です。加熱用のトマトではないですが、十分に満足できます。レタスも食感を残して素材の旨味も堪能できます。



写真にはありませんが、さらに「土豆丝」(ジャガイモの和え物)、前回と違って胡麻みそ仕立ての「丸子砂锅」(肉団子鍋)、「烧饼」(焼き肉マン?)をいただきました。

日本の人には異国体験、知ってる人にはノスタルジーを。という感じで今回も大満足でございました。さて次回は何をお願いしましょうか。

でもね、グランドメニューも美味しいものがたくさんあります。まずは定番から攻めて、複数回通っていただいてお店の人とお話が進むようになってからのステップとしてお薦めします。

 


愛媛県松山市道後一万「和食たかなし」【わけししょうロケ】ランチ編

2017年11月05日 | 食い呑み

愛媛松山は「文学のまち」などと賞されております。夏目漱石「坊ちゃん」(実は漱石先生は松山が嫌いだったとか)と正岡子規(実は俳句よりも短歌に素晴らしいものがあるとか)押しでありまして。まあ、地元原住民にそんな意識があるかは怪しいものですが。ただ、市内の小学校では長期バケーションには俳句をひねる宿題がしょっちゅう出るくらい、でありますし、俳句ポストがそこいら中に設置されています。ここしばらくのトレンドとしては司馬遼太郎の「坂之上の雲」の街づくりがおこなわれています。

日本中の地方都市では中心商店街の空洞化が叫ばれておりまして、松山中心部の「銀天街」「大街道」もかつての賑わいが影をひそめてしまっていると誰もが思っているかもしれません。人出は確かに減っております、が……………。松山の商店街は滅びることはない、という論を聞き及んだことがあります。その方の論によりますと、松山市駅(伊予鉄松山駅)から2つの商店街を通って文教地区にある愛媛大学・松山大学へ通うルートになっているからだそうです。若者が通ることによって、経済が成り立っているとか。恐らく地元衆には実感がないかもしれません。ぜひとも関係各位は人の流れを調査していただき、今後の街づくりに活かしていただきたいものです。

 

さて、その松山文教地区に隣接する赤十字松山病院のすぐ東、和菓子の菊屋のはす向かいに鮮やかな蒼い壁のお店が現れました。

 

この10月にオープンしました「和食たかなし」であります。

重厚な木材の看板というか表札というか、なにかメッセージを発しているように見えるのですが。さてどんな想いを込めているのか、店内に入りますと。


木材をふんだんに使っているレイアウトで落ち着いた店内、カウンターでは大将とスタッフがテキパキと動いております。

 

土曜日の午後1時くらいに4人で入店です。本日のランチメニューは2種、「アジの塩焼き・厚焼き玉子」と「カンパチの揚げ煮」となっております。お代は800円也、和気入道はカンパチをチョイスです。

 

オーダーを受けてから焼きに入るため、ちょいと時間をいただきます。さて、ほどなくやってきました「アジの塩焼き」でございます。



串を打って焼かれたアジは泳いでいる姿のように躍動感があります。これだけ丁寧な仕事で供された焼き物は久しぶりに見たような気がします。一見してレベルの高さが判ります。今のご時勢、魚の塩焼きをストレートに押せるお店はあまりありません。シンプルであるがゆえに食材の吟味、技術の高さが要求されます。小手先のごまかしがきかないのです。

お連れは評価はいかがなものであったか。「絶賛」レベルとのことでした。まあ、そうでしょうねえ。次回以降にいただくことにしましょう。アジ以外にはカマスなども供されるとのことです。

 

さて、続いて和気殿がオーダーしたカンパチが来ましたぞ。

出汁の効いたとろみアンはバランス良く絡んで、絶妙な揚げ具合のカンパチの味をぐっと引き出す感じです。レベル高いですよ。ご飯が進みますなあ。おかわり1杯はサービスとなっております。

添えられた小鉢の炊合せは瀬戸の小エビと里芋・南京です。これまた仕事が行き届いてます。写ってませんが、小松菜の和え物も供されました。自家製のお漬物、汁椀も高い水準ですよ。

たいへん美味しくいただきました。県外から来られた方も喜んでおりました。非常に地味なメニューではありますが、隙のない造り込みは瀬戸の小魚を満喫できるのであります。定食というレベルに留まるものではありませんぞ。お店の心意気を感じます。このクオリティを800円で楽しめるのであれば、コストパフォーマンスも非常に高いといえましょう。夜の部も楽しみです。

道後の端っこに位置するこじんまりとしたお店です。路面電車でアクセスできますので、松山観光の一環として加えてみてはいかがでしょうか。一応、前もって電話でご確認ください。