かみになる木のせわ日記

高知県黒潮町の楮(こうぞ:和紙の原料)産地再生の取組み。
栽培に携わる[若山楮産地拡大プロジェクト]のブログ。

若山楮蒸し剥ぎイベント終了

2013年12月17日 20時10分58秒 | 和紙
第五回目の若山楮蒸し剥ぎイベント無事終了いたしました。
お天気も良く、そんなに寒くなく、風も前日より収まって、大勢の方々にお越し頂き盛況のうちに無事終りました。

一年間、ほぼ一人で維持管理作業をして来たスタッフの芳賀君、ありがとうございました。
黒潮町佐賀北部地域協議会の皆様、お疲れさまでした。
今年は、みなさん何かと多忙で来たくても来れない方々も多い中、新旧会長のお二人が刈り取りから撤収作業までこじゃんと頑張ってくださいました。
一緒に作業する中で学ぶ事が多かったです!!
道具の扱い方のコツ、ロープワーク、杭の打ち方、そして地域の事を良くご存知ならではの私達には無理なネットワークフル活用!
そして、毎年ひっぱってきてくれた産業推進室のひとみちゃんが出産のため新しいメンバーがこれまた朝早くから動いて下さり感謝です!
土佐佐賀温泉「こぶしの里」のみなさん、マネジャーさんの暖かいご支援。
温泉前のバイパス工事のための土建屋さんまで。

そして何故か毎年現れるハレハレ本舗繋がりの若い人が今年も来ました。
5年間、いろんな旅人が関わり続けてくれてます。

写真撮ってなかったんですが、昨年から奉納フラをお披露目してくれる地元古典フラのみんな!今年も堪能させてもらいました。
そして今年初登場の「楮蒸し剥ぎ機」を引っさげてのパシフィックソフトウエアーのお二人にも大感謝です。
高知から手すき組合や原料商さんがはるばるやって来て熱い話も飛び出しました。

火番の私は竃の前から離れる事が難しく、毎年写真もあまり撮れていません。
蒸し剥ぎが終っても、まだ剥いだ黒皮をきちっと干上げたり、データー入力等が残ってるので
それらが終ったら芳賀君にも写真アップしてもらいましょう。

今年は細くて短い事から・・・
毎年使っている大豊から譲り受けた巨大な桶を辞めて
この拳の川で50年前まで使われていた小さい桶を使う事にしました。
これは拳の川では50年前の最盛期には集落全体でやるのではなく、各家で家族でやっていたサイズです。
あちこちの家で家族総出でこの時期にやっていた桶が50年ぶりに再就職。


小さくて男一人で上げ下げできるので安全!

若山楮はサツマイモの他に玉子入ります。

今年から3時間蒸す事になって朝の火入れは3時半。


竹ドームも制作6年目にして仕事場として頑張りました。
中心に蒸し上がった楮の山を前にみんなが車座で剥いでるる様はなんだかとってもネイティブな雰囲気でした。


体験で来てたお客様の中でずうっとハマっていたのが一名。
「ちょっと、この子には賃金払わないとあかんで~!ずーっと夢中で剥いでるで!」と言われてみれば知人の子供で6歳のおんなのこ!
ドーム中にはこの6歳から10代、20代~80代まで全ての世代が一緒くたでした。

写真はFBの友人達から拝借。
今日は雨で高揚してた心と身体がやっと着地です。

若山楮収穫

2013年12月10日 18時40分28秒 | 蒸し剥ぎ
若山楮の収穫が始まり、今日全ての畑の刈り取りが終りました。
今日は一年間「地域コミュニティー」授業で毎週2時間畑で御世話してくれた拳の川小学校の5・6年生の刈り取りでした。

暑い暑い夏にも草刈り鎌を使って草を刈り、刈った草を楮の株元にしっかり敷き込んで。
虫を見つけては逃がしてやり、畑の周囲に実るアケビや楮の実を食べながら、楽しい1年でした。
今年は全国一の猛暑となり雨の無い2ヶ月という過酷な中、葉を落として乗り切った楮達は細くて短い。過去最高に少ない。
そんな中で毎週2時間世話してくれた拳の川小学校の楮がダントツに太くて長かったのです。
植物はやはり世話する人の足音、笑い声に反応するのだなと改めて感じ入りました。

そして、途中からギンギンに磨いだ鎌を使う事を覚えて
道具の大事さを学んでくれました。
この拳の川小学校の校長先生の指導が素晴らしい。
今日も剪定ノコの使い方を一人一人に教えてます。
切ろうとする時、横着してやると翌年の目出しが高くなって良くない、なるべく低い所から切るには・・・自分の位置とノコのあて方と枝の見極め。
これをきっちり教えていきます。
すると、上手に切れるもんだから子供達はどんどこ切倒していきます。
支えてる相棒も切り口を見ながら枝を撓めて行くのです。


校長先生はご自分の実家の耕作放棄地に自生してる楮も育て、学校の周囲に自生してる楮も育ててます!
米も作らせ、椎茸も作らせ、毎年蒸しはぎでみんながほうばるサツマイモは拳の川の小学生が作っています。
なので覚えたらどんどん自主的な子供達。


根元を縛ってトントンと口を揃えて上を縛る。
大人でも結構コツがいるのに・・・

一人でやってのけてる女の子。
彼女は春先には怖々だったし、オシャレっこで畑なんか~だったんですが・・・
もう今日は一人でどんどこ束作りして足腰を上手に使って・・・
「そうそう身体が道具なんよ、うまいね~その足の絡め方!よっ!お母さん!!」と言ってしまった。(笑)だってとても頼もしかったので。
午前中、こんなハードな事してて、午後はマラソンしてました・・・

15日が蒸し剥ぎイベント本番です。
それまでにもう書けないかもしれないので・・・

昨年、剥いだおがらを使って古典フラをお披露目してくれた、四万十市と宇和島のフラチーム。
大所帯で参加して踊る寸前まで剥ぎまくって、職人チームになってくれた。
見たおんちゃん達は「ハワイの人かえ?」って(笑)
その後この一年間で若山楮を使って髪に飾る花を作ったり・・ついに衣装まで若山楮で作ってしまった。
写真は牧野植物園でのフライベント開幕でのお披露目です。


自分達で「コンニャク糊を塗って揉んで」という古典技法をやってのけての衣装はその後いろんなイベントで好評なのであります。
今回もまた大所帯で剥ぎに来てくれて、美味しいお店も出してくれて、踊ってくれます。

是非15日は一日ゆっくりとお越し下さい。
体験に参加してくださった方々には心ばかりですが「こぶしの里」の温泉100円引き券差し上げます。