図書館の東野圭吾さんのコーナーでまだ読んでない本があるーと思って手に取った一冊。
性同一性障害やジェンダーをテーマにミステリーの要素もたっぷり含んだ盛りだくさんなストーリーです。
主人公よりその妻に感情移入して読んだんだけど、それはやはり私が女性で
女性的観点で物事を捉えるからなのでしょう。
登場人物それぞれに生活があり、感情があり…細かく描かれています。
そんな人間クサイ人たちが複雑に絡み合う話。無条件なハッピーエンドではないけれど
最後には、それぞれが抱えていた問題に、ある形の終結をむかえている。
途中はこの話どこへ落ち着くのかと思いましたが、読み終えて納得。
もちろんその先も彼らの生活は続いてる。当たり前なんですが。
だからかな、日常生活からかけ離れた状況にもかかわらずリアルに思える。
そうそう東野さんの著作「サンタのおばさん」が作中で舞台化されているという話になってます。
これはある種のファンサービス?この本を知らなくてもなんら支障はないし。
でもこういう趣向は大好きです。
東野さんの、期待を裏切らない読み応えのある一冊でした。