吾輩はハムである。

吾輩はハムである。名前はまだ無い。

お年玉である

2011年01月02日 | 日記



 吾輩はハムである。
 名前はまだ無い。



 日が落ちて、吾輩がいつもの運動を始める時間に起き出したら、何やら飼い主が「年が変わった」と騒いでいる。
 何事かと思ったら、人間の方で勝手に決めている暦というやつが、新しいものに変わったらしい。

 俗に言う新年なのだそうだ。



 なんでも、新年になると人間は嬉しい気持ちになるらしい。
 それで、飼い主もやけにニヤニヤしていたというワケである。

 そうは言っても、暦などというものは人間の理屈であるから、ハムである吾輩には関係がない。
 酒を飲んで浮かれている飼い主は放っておいて、吾輩は日々、世界平和のために静かに崇高な思考を巡らすのである。



 と、思っていたのに、飼い主が吾輩の思考の邪魔を始めた。

 吾輩のゲージの蓋を開け、ニヤニヤと笑いながら吾輩を見つめているのである。
 基本的にこの飼い主は悪い人間ではないし、吾輩のお世話もよろしくやってくれるのであるが、 正直、これには「気持ち悪い」の一言である。

 おまけに、吾輩のゲージにクルミを入れて、「お年玉」などと“ろれつ”の回らぬ言葉で言っている。
 吾輩が何度も「これはクルミである」と教えても、「オトシダマ、オトシダマ」を繰り返すのである。


 どうも吾輩の飼い主は、新年に飲む決まりとなっていると主張しているお酒とやらを飲み過ぎて、物事の名前すら忘れてしまったらしい。

 先行きの不安なことである。

朝寝である

2010年10月13日 | 日記

 吾輩はハムである。
 名前はまだ無い。



 今朝も、慌てふためきつつ出かけていく飼い主を尻目に、吾輩は朝のまどろみの時間を過ごすのである。

 吾輩が飼い主の家に戻って一週間が過ぎた。

 飼い主の仕事場もなかなか快適ではあったが、ここでは飼い主が窓を開けていることが多いから、色々な臭いがするのである。



 朝の陽光の臭いがする。

 草の隙間の臭いがする。

 美味そうな虫の臭いがする。

 雨の臭いがする。

 お日様の臭いがする。



 風が吹き込むと、台所にある食べ物の臭いがする。

 飼い主が買ってる魚の水槽の臭いがする。

 トイレの芳香剤の臭いがする。

 飼い主が脱いだ靴下の臭いがする。



 畳の臭いがする。

 土壁の臭いがする。

 飼い主が干していった布団の臭いがする。



 これらの臭いが時に混ざり合わさり、時に競い合って、吾輩の鼻先をくすぐるのである。

 これらの朝の臭いをかぎつつ、吾輩は朝寝をするのである。

春眠暁を覚えずである

2010年10月11日 | 日記


 吾輩はハムである。
 名前はまだ無い。


 近頃、とんと涼しくなった。
 吾輩にとってもたいへん過ごしやすい季節である。

 夜などは、飼い主の家の外からかすかな虫の鳴き声が聞こえてくる。
 たいへん美味そうである。

 毎晩、吾輩は虫を食って満腹になる夢を見て、満足な気分で眠るのである。


 とは言え、まだ吾輩のすみかの中ではまだ暑い日もある。
 従って、今の季節、吾輩の寝床は回し車の中である。
 適度に冷たく、毛皮をまとった吾輩には、非常に心地よい場所なのである。


 そして今日も、慌ただしく飼い主が出勤するのを尻目に、吾輩はのんびりと涼しい朝の空気を感じつつ眠り続けるのである。

 春眠暁を覚えずであるのである。

帰還である

2010年09月26日 | 日記



 吾輩はハムである。
 名前はまだ無い。



 たいへんのご無沙汰である。

 近頃はようやく気温も下がり、あちこちで虫の鳴き声も聞こえるようになった。
 吾輩も一安心である。

 今年の夏は極めて気温が高かった。
 自称暑さには強い飼い主も流石に根を上げたらしく、今頃になってデパートへエアコンを買いに行ったらしい。
 しかしながら、今さら購入したところで、取り付けは11月になるということらしいので、なんとも呑気なものである。



 この地獄のような暑い季節の間、吾輩は飼い主の仕事場へ行っていた。

 吾輩はハムスターであるから、あまり周囲の環境が変わるのは望ましくないので動きたくなかったのであるが、飼い主が頭を下げてお願いしてたので、寛大な吾輩としては、仕方なく了承したのである。



 飼い主の仕事場も省エネとやらで夜間は空調は入っておらぬのだが、それでも大きな建物だけあって、あまり高温にはならぬ。
 今から思えば、今年は非常に暑い夏であったから、我ながら先見の明があったと思わざるを得ない。
 せいぜい30℃という環境で、吾輩は今年の夏を比較的快適に過ごしたのである。



 そうやって快適に過ごしつつも、ようやく飼い主の仕事場の環境に慣れておったのに、近頃になって急に気温が下がってきた。
 飼い主の家も、30℃を超えることはなくなってしまったのである。
 かくして、吾輩は、飼い主の自宅へと戻ってきたのである。

チャンネルである その2

2010年03月13日 | 日記



 吾輩はハムである。
 名前はまだ無い。

 今日は飼い主が吾輩のゲージの掃除をした。
 せっかくだからと、日頃の恨みを晴らすべく飼い主の手にまとわりつき、指などを甘噛みしてやったのであるが、なにやら飼い主の眉毛が8時20分になってしまった。
 どうやら逆効果だったようである。


 そんな状態であるから、またもや飼い主はカメラを取り出し、吾輩の写真を撮影したようである。
 このブログの右下に、「わがはむチャンネル」というリンクがあるので、吾輩の可愛さに悶えていただければ幸いである。


 そう言えば、飼い主対して、吾輩の写真をもっと取れとせがんでいる人間がいるようであるが、もっと厳しく言ってやっていただきたいと思う。

 吾輩の飼い主は、仕事も遊びも何事も全神経を向けて望むという、いい性格なのではあるが、その反面、一つのことに集中すると周囲が見えなくなってしまうのである。
 吾輩のお世話は忘れないで欲しいと思う、今日この頃である。