切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

八代目團十郎の顔 復元!

2004-12-01 11:01:26 | かぶき讃(トピックス)
今日の新聞紙上で「八代目團十郎の顔 復元!」の記事が出ていた。

八代目という人は、勧進帳を始めた七代目の息子で、明治の名優九代目の兄。幕末に活躍し、絶世の美男で人気を博したが、30過ぎで謎の自殺を遂げた。当時の人気はすさまじくて、彼の「痰」が売られたりしたほど。また死後は盛んに死絵がつくられたりもしている。(この件を扱った小説に戸板康ニの「団十郎切腹事件」という直木賞受賞作がある。)

「切られ与三郎」でおなじみの「与話情浮世名横櫛 」は八代目のために書かれた。当代人気の美男役者を体中キズだらけにする芝居が書かれたというのも、幕末の退廃美という感じで凄いですよね。

新聞記事で問題の復元された顔を見ましたが、正直なところ「んん…」という感じ。押し隈からの復元ってどのくらい信憑性があるのかよくわかりませんが、伝説は伝説のままで良かったのでは…。

因みに、今年は大阪で海老蔵の「切られ与三郎」を見ましたが、素晴らしかったなあ。こっちが新しい伝説になるから、とりあえず良しとしましょうか。・海老蔵の「切られ与三郎」 七月大阪松竹座


八代目団十郎の「押隈」発見、現存では最古か 立命館大 (朝日新聞) - goo ニュース
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9 コメント

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むむむっ。 (のりえもん)
2004-12-01 14:15:45
こんちは!



なかなか歌舞伎見てますねえー

しかも詳しいっ。



いいぞ””



ってか、日記おもしろい!



しっかりよませてもらいまーす。

ではでは。
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Unknown (deputyminister)
2004-12-01 20:36:19
利根川裕の「歌舞伎英雄伝説」を持っているんですが、切られお富さんの名前は、赤間源左衛門の妾・お富が由来なんですか? 

本では八代目のキーワードを“被虐”と表してますね。

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コメントありがとうございます。 (切られお富)
2004-12-02 10:37:55
のりえもんさん

コメントありがとうございます。

ひょっとして歌舞伎ファンですか?

今後ともよろしくおねがいします。



deputyministerさん

コメントありがとうございます。

流石に渋い本読んでますね。

名前の由来なんですが、まあ、当りなんですけど、本当のココロはちょっと違う。「切られお富」という芝居のヒロインから取っているんです。



歌舞伎の主役は基本的に立役(男)なんですが、人気演目には女形を主役に書き換えたパロディ版が書かれたりします。例えば、「女暫」「女清玄」「女団七」など。その中のひとつに「切られお富」があるんです。



元になっている芝居「切られ与三郎」の中のお富は、仰る様に赤間源左衛門の妾で、「死んだはずだよ、お富さん♪」と唄われるお富、、結構しっとりとした、しおらしい女。しかし、そのパロディ版「切られお富」では、一転して能動的な女で、与三郎の相棒・蝙蝠安を殺したりする悪婆。(もっとも、「切られお富」でも設定上は赤間源左衛門の妾なんですが。)



私は歌舞伎の女形のしおらしさには、芝居としてはともかく、実生活上は共感できないので、どうせなら歌舞伎の悪女から名前を取ろうと思って、「切られお富」にしました。まあ、桜姫も好きなんですが、ありがちなんで。(因みに、「桜姫東文章」の桜姫は<貴と賤>、<生と死、再生>、<女の楽天性>を兼ね備えた凄いヒロインだと思います。)



あと、利根川氏の「歌舞伎英雄伝説」は読んでいませんが面白そうですね。私は彼の本だと「十一世市川團十郎」という本を持っています。



それと、八代目について。当時の文献などによると、八代目は声が高く若旦那タイプの人だったよう。親孝行で町奉行から表彰されたという話もある。父親に対する反動なのかもしれません。七代目は豪奢な生活を咎められて、天保の改革で江戸を追放になったりしています。江戸復帰第一弾にやった芝居も「景清」という、牢破りの芝居ですし、そもそも勧進帳という芝居も当時としては反体制的な芝居なんですよね。またいつか詳しく書きますが。



お二人とも、今後もよろしく!





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はーーい。 (のりえもん)
2004-12-02 11:54:03
そうなんです!

最近歌舞伎見始めたんだけど

なかなか面白い!



歌舞伎座の近くに会社があるので

はまりそーーう。



にしても、さすがですね。

ほんとに。

面白い!!!
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Unknown (切られお富)
2004-12-02 15:05:03
のりえもんさん、東銀座にお勤めですか。



私は歌舞伎座の近くの喫茶YOUのオムライスが好きでよく行きます。最近行ってないけど。



歌舞伎座が近いのはうらやましいですね。
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そうそう! (のりえもん)
2004-12-02 20:58:34
YOUのは、最高よね!

とろっと、しててふんわり。

昨日も行きました。



となりのお茶漬けやさんも

安くてかなりオススメです。



ぜひぜひ行ってみてくださいね!
返信する
Unknown (めりの)
2005-07-26 02:49:52
はじめまして。

八代目の色っぽい小説、「傾く滝」、思い出してしまいました。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4124034466/merino-22/249-8107994-5219569

ひさびさに、読みたくなりました。



銀座は、プランタン地下のビゴでパルミエを買って帰るのが好きでした。



歌舞伎座、またいきたいなぁ。神戸なので無理ですが。・・・gooのID、ステキですね♪
返信する
コメントありがとうございます。  (切られお富 )
2005-07-26 20:25:23
めりのさん。はじめまして!



ご紹介頂いた小説、知らなかったんで今度読んでみます。教えていただいてありがとうございます。



それと、神戸にお住まいなんですね。わたしは行った事がないけれど、行ってみたいな。



それと、gooのIDってvirginia woolfのことですか?大好きなんです、特に評論と日記が。ジョイスより全然好みですね。渦巻くようなリズムが。あんな風な文章で芝居のことが書けたらなあとよく思います。



今後もよろしくお願いします!
返信する
一周年のお祝いを先に (めりの)
2005-07-27 03:35:26
申上げるべきでした(^_^;)

おめでとうございます!

私の処も7月末なので(まだ一年になってないんですが)なんとなく親近感が~!



歌舞伎めちゃお詳しいですね。感心しちゃいました。

私は綺麗だから観てるというか、「憂き世」のどんよりを忘れさせてくれる、ファンタジーのように思ってるというか、歌舞伎、好きです。でもぜんぜん詳しくないので、ずっとミーハーな意見を言ってるかも(^_^;)



そうです、Virginia woolfだったんでvカッコいいなぁと。



「傾く滝」は、情緒性のあるせつない系のお話しでした。

美少年なんですよね、八代目。

好きな作家さんなので、良かったら図書館ででも借りてみてくださいませ!(さっきなにげにみたら、うっかりアフィリエイトのURLはっててすみません、図書館にあると思います、文庫ででも。)



・・・海老蔵さんの与三郎なんて鼻血とまらなくなりそうですわ。(チケ、とれないだろうなぁ)



神戸もいいところなので是非!
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