Haba na haba hujaza kibaba

少し少しがいっぱいになる。

ヒグマの世界へ

2010-06-29 23:06:37 | 調査・研究


先週金曜日から札幌は晴れ続き
なんていうか…北海道なのに暑い
いや、岐阜に比べればまだ全然マシなんだけども
こっちの人曰く、今年はなんか異常に暑いらしい…そうなのか…。



調査地から見える余市岳の雪ももうほぼ溶けました~
すっかり森は初夏の装い

そんな中、金曜日の調査でとうとうヒグマの食痕発見



フキが一部なぎ倒されております。

クマ以外にも、シカヒトも食べるんですが、ヒグマの食痕の特徴は



茎の途中が食べられてて、でもスパーンと切れてなくて(シカやヒトだとスッパリ切れてるわけです)繊維のスジでつながっている…

というものだそうで。
そんな食痕がそこらじゅうに


調査する側からしてみれば、ちゃんと自分の調査地にヒグマがいるんだなぁとわかることは嬉しいことで、この辺には確実にヒグマがいるのねと思っていた…

…んですが。

廃林道を歩いていたら。





新しいクマフン発見。

え!ちょ!ま!…近くにいんの
ていうかでか!!

天気が良すぎてスケールの文字が白く抜けてしまったけど
まぁとにかくでかかった。。。
直径20~25cmくらい?
これ…
なんていうか…
ウシやーん!!
やっぱり私はツキノワ出身者(笑)なので、ヒグマのフンには度肝を抜かれましたよ
笑える大きさ。

この時期クマは草本を多く食べてるので、草の繊維だらけでフンの見た目からしてもウシのフンみたいだった…

いやぁ…ツキノワとはやっぱりサイズが違いすぎる
ヒグマのでかさを実感したよ~

ヒグマもツキノワと一緒で、理由もなく見境なしに人を襲ったりはしないけど、やっぱりまだヒグマのことはよくわからんので若干怖いですよ
散々鈴やら笛やら鳴らしながら作業しましたさ
相手がツキノワであれヒグマであれ、調査者が襲われるようなヘマはしたらいかんと思うのでね十分気をつけたいと思います~


皆さんも山に行く時はクマの領域に行くと思っといてね~
音を立てて自分の存在を周りに知らせながら行ってくださいな

盛岡中心部でクマ出没 駆除される

2010-06-27 17:56:03 | やせいどうぶつ


夕方のニュースを見ていたら盛岡の中心部でクマが出没したとのこと。
http://news.ibc.co.jp/item_13992.html

早朝5時ごろ、釣り人が河川敷でクマを発見したと。
中洲の藪に入って行ったということで、猟友会が出動して中洲で無事クマを仕留めてました。
私が盛岡でお世話になった猟友会のおじさんが映っててびっくりした
ニュースによると、体長1.5m、体重80kg、推定20歳のオスだそうです。

うーん…残念としか言いようがないね
確かに街なかにクマが出てくるなんて!ってみんなびっくりするけど、出てきたのは河川敷。
川沿いって山からずっと河畔林が続いてるから、その林づてに街まで出てこれちゃうのですよ。
だから河川敷で発見されたのは不思議ではないんだよね。
早朝で人も少なかっただろうし、街まで出てくるのは簡単だったんじゃないかなと。

残念だったのは、うっかり人目についてしまったこと。

日が昇ってきて、人が活動を始めて、街が騒がしくなってきたら、おそらくクマはこっそり山の方に帰って行ったと思うんだよね…。
ましてやこのクマ20歳。
経験が少ない若造じゃない、ベテランのクマですよ。
ウッカリ見つからなければうまく逃げてたと思うよ。

でもまぁ、見つかってしまったと。
そしたら駆除隊出動するしかないよね。
追い払うって言っても山まで延々追いかけるの難しいし、その過程でパニックになったクマが河川敷から街の方へウッカリ出ないとも限らない。

麻酔をかけて…って言っても、麻酔銃が当たってもすぐに寝るわけじゃないからね。
人間に囲まれたらクマだってパニックだから、寝るまでの数分間は周りにいる人たちが危険なわけです。
コナンくんの時計型麻酔銃のように一瞬で相手が寝てくれたら何の苦労もないよね…
麻酔銃の当たり方や薬液の量によっては麻酔が効かず寝ないかもしれないし。
だから、今回のことは残念だけど、こうするしかなかっただろうなと思います。

こういう事態を避けるためには、河畔林の山際のとこだけ部分的に伐採しちゃうとかね。
そうしたらクマは河畔林沿いに街まで来にくくはなるよね。。。

ちなみに、ヒグマでは防風林も使って、山から平野まで自由に行き来してるらしい。
たくさんある畑、その周りにはたいてい防風林があるから、移動はしやすいだろうね。
ちなみに、ちょっと前に山菜とり中にクマとばったり遭遇しちゃって襲われて死亡者が出た事故、それは防風林の中での出来事でした。


話は逸れたけど、とにかく今回の盛岡のクマは残念でした…
クマには山の中で平和に暮らしていてほしいなぁ

小惑星って知ってた?

2010-06-19 22:51:16 | いろいろ


最近(…じゃないかも?)よくぬけてるんですよ…

昨日ニュースで今話題の小惑星探査機はやぶさの話をしてたのですよ。
あれ小惑星探査機なのね。

いや、はやぶさのことは私も前から知ってたよ。
知ってたんだけど。
いつもニュースの音だけ聞きながら家事とか他のことしてたので、あんまり真剣に聞いて無かった&文字を見て無かったんだよね。
で、ものすごい聞き間違いをしててですね。
それが昨日発覚。



連発される「小惑星」という言葉、ずっと小学生だと思って聞いていたよ…!!



打ち上げ当時、何か小学生対象の「宇宙に親しもう」的な公募があって、
きっとそれに当選した小学校のその年の卒業生が何かメッセージを入れて宇宙に打ち上げたんだな~。
タイムカプセル的なね!そういうのね!


…と勝手に想像を膨らませて納得してました
ほほえましいなぁと…そりゃ回収して日本に戻ってくるのみんな楽しみだろうと…


そんな勘違いがわかったゆうべの衝撃。



他にもいろいろと。



ロイズ事件
北海道に引っ越し直後、こっちの研究所の人が北海道のいろんなお菓子屋さんを教えてくれて
どこのお店がどこののれんわけだとか、どこのお店が何にこだわってるとか、そんな話。
で、かの有名なロイズの話に。
ロイズはケーキも作ってるけど、やっぱりチョコレートが目玉と言うことで。

研究所の人:ロイズの工場のチョコレート一課は絶対他の人を入れないらしいよ~
私:えぇ!?世襲制なんですか!?

…っていうね。
「いっか」違い。
だってさぁ~工場の中に、オフィスのような「○○一課」というものがあるとは思ってなかったんだよ…
その前にのれんわけの話をしてたしさぁ~…
ねぇ

ちなみに、台風一過が台風一家じゃないことくらいは知ってるよ!



西郷どん事件
先週の日曜~火曜まで、クマ関係の会議で東京に行ってました
場所は上野。

上野は今まで何回か行ったことはあったけど、
そういや西郷どん見たことなかったなぁ
と思い、ちょっとした時間に上野公園へ行ってみた。



無事西郷どんに遭遇。
等身大サイズかと思ってたので大きさにびっくり。


しかし…


平日とはいえ人少ないなぁ…


「駅前」って言うほど駅前じゃないし…


ほんとに待ち合わせに使われてんのかな…















…!



あ、そりゃハチだわ。


っていうね。



上野公園でひとり笑ってしまいました。

北上中…

2010-06-18 22:14:47 | 調査・研究


どうもです。
手続きなどの関係でなかなか発表できなかったのですが…



わたくし…






なんと…






北海道に引越してきました!!



いや~北の果てということで、札幌はまだまだびっくりするくらい寒いっすよ
道端にはまだ若干の雪!!が。





…嘘です。
すいません。


これはポプラの種子だそうですよ。



ふあっふあ

これはこれで雪(?)だるまを作れるんじゃないか。
さすがに恥ずかしいので一人じゃトライできないけど…チキンなので

あ、これ↑はかき集めて丸めたところね。
もともとはススキの穂みたいな、タンポポの綿毛みたいな、そんな感じ。
こんなちっこくて頼りない種子が立派な木になるんやなぁ…



そしてもちろん、山のてっぺんでもないと雪なんてないよ~。
さすがにねぇ
ちなみに、今日の札幌は暑かった



そんなこんなで、ブラキストン線を越えてしまいましたよ~というお知らせでした。
ということで、今年度からはヒグマがお相手となります
ますます気を引き締めて、不意に遭遇してしまわないように心掛ける所存ですよ。



あ、北海道の先輩方(Kさん、junkenくん)、会う機会はあんまり無いかもですが、よろしくお願いしまーす

くやしい

2010-06-11 01:45:53 | 調査・研究


昨日ある研究者さんといろんな話をしたのですよ。
普段はとても気のいい人なんですが…昨日は書類を机に叩きつけるくらいとても怒り狂っていて。
そんなに簡単に怒るような人じゃないから、ほんとにびっくりした。

なんで怒ってたか、あんまり具体的なことは書けないけど、
とにかく、その人の長年の研究の成果がドブに捨てられるような事態になっているようで。

その人がいつも一生懸命研究にとりくんでるの知ってるから、悲しくて私が泣きそうになってしまった…もちろん堪えたけどさ。
あの人のやってきたことが無下にされるなんて、おかしいしょ。
そりゃ世の中うまくいくことばっかりじゃないのはわかってるし、頑張ってれば必ず報われるかというとそうでもないんだろうなとは思ってるよ。

でもさ。

その人は別に無茶なことをやろうとしてたわけじゃないし。
今までの研究成果を社会に還元しようとしてただけなんだよ。
住民と野生動物のために。
堅実に。科学的なデータに基づいて。現実的な方法で。いろんな人の同意を得て。

それがほんの一部の人たちのせいでひっくり返るなんて。
理不尽なことこの上ないよ。

私たち(…と言っても私はまだ学生だけど)は野生動物と地域住民の生活の両方を大事にしようと、社会的にやりがいのある仕事だと、誇りを持ってやってんのにな。
住民のことも、野生動物のことも、何も考えてなくて、ただ自分の「今」だけを考えてる人にテキトーなことされるなんてね。

「何年間もやってきた研究は何だったんだ」

そう思っても仕方ない話だった。
泣きたくなることだらけなんだよーなんてことも言ってた。
別の研究者さんは「もう涙は枯れました」なんてことを言ってた。
大の大人が本気で悔し泣きするなんて相当なことだよ。


そうか…普段そんな素振り全然無いから想像もしてなかったけど…きっと、げんなりするような、泣きたくなるような、そんないろんなことを抱えながら、いつも歯を食いしばってんだなー…
もちろんその人だけじゃない、きっと世の中で闘ってる人たちはみんなそうなんだろうね。




あんなに強い信念を持って日々奮闘してる人たちの言葉がなんで届かないのか?
あんなに一生懸命やってる人たちの仕事が、なぜ徒労に終わるような結果になるのか?
そんなことがあってたまるかー



聞く耳を持てー!
考える頭を持てー!!



「自分じゃない人を動かすのは大変」
昔々ある先輩が私に言ってくれた言葉だけど、ほんとにそうだと思う。
むしろ、自分に誰かが協力してくれることなんて奇跡的なことなのかもしれないね。




でもとにかく、くやしくて仕方ない。
なんでだー。