雑談の達人

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日系企業は「脱日系」を目指すべき?

2009年11月14日 | 中国の雑談
ブログの更新がすっかりご無沙汰になってしまった。

仕事が多忙を極めたためだが、振り返ってみれば、それほど生産的なことをしているわけではない。日系企業主催のゴルフコンペ、日本の本社からの出張者の面倒見、日本からの客先の出張者の観光案内… 既存の日本企業との関係維持の仕事がほとんどで、中国ビジネスの活路を開くような、前向きな仕事は、ほとんどしていない。中国の企業は、売掛金の回収が難しいので、取引条件は必ず前払いにして、無理して付き合う必要はない、というのが本社の指示である。これは、他の日系企業も同様である。

これまで、日本にとって中国は「生産拠点」でしかなかった。中国で作ったものを、日本を含めた第三国に売るというビジネスモデルである。だが、昨年のサブプライム・ショック以降、中国の位置づけは「販売拠点」へと一変した。この中国でいかにモノを売るか、具体的には、中国人のニーズ・嗜好を如何に探り当てるか、販売ルートを如何に確立するか、資金回収のノウハウを如何に蓄積するか… 現地化のためには、優秀な現地人材の確保、現地での人脈確立が急務だ。

中国で一口に外資といっても、「米国系」「欧州系」「台湾系」などがあるが、中でも「日系」が、もっとも現地化に立ち遅れているというのが、筆者の印象である。それどころか、日系現地法人の幹部は、「日系が日系らしさを失ったらおしまいだ」などと述べ、中国製品の品質管理のいい加減さをあげつらい、根拠のない優越感に浸っている。そのご自慢の日本製品は、現地ユーザー無視の過剰品質と高価格で、中国現地でのシェアはあまり確保できていないものが多い。家電などは、韓国製品と中国ローカル品の独壇場である。

「日系」はこれまで、品質と信頼を想起させるブランドであったが、もはや時代遅れの象徴になりつつある。グローバル化とローカル化を並行して推し進め、「えっ、あの会社、日系なんだ!?」と言われるぐらいの会社にならなければ、もはや生き残れないのではないか。


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