下:イヌマキの雄花序と球果・花托
ナギ (梛 マキ科 マキ属orナギ属 学名Podocarpus nagi or Nageia nagi 常緑高木 裸子植物 球果類 雌雄異株 花期5,6月 果期11月頃) 樹皮は不規則に薄く剥がれ斑模様となる。マツ目に分類されるが葉は針葉ではなく、広葉樹のような楕円状広披針形である。革質で先は鈍く尖る。葉は対生であるが、十字対生、2列対生または2列互生状の葉序も見られる。葉脈は中央脈(主脈)がなく、多数の平行脈が筋状にある。縁は全縁。雄株の雄花は円柱形で前年枝の葉腋に2,3個が束生する(未見)。雌株の雌花は前年枝の葉腋に1,2個の胚珠をつける。種子鱗片が胚珠を包み込んで球果に成長する(球果類に分類されているので球果と表現する。イチョウと同様に種子というべきか不詳)。球果は直径1.5cmほどの核果状で、秋に熟れると粉白色の外皮が褐色になる。この外皮を除くと淡褐色の核がある。大きさはギンナン又はカヤの実ほどである。イヌマキは球果の下部に肥大化した花托がありこれが赤紫色に熟れる。ナギの花托は肥大化しない。
ナギは凪に通じその葉が船乗りの航海安全のお守りにされたり、又葉が引裂き難いことからチカラシバとも呼ばれ、縁結びに信仰され、神様のよりしろとして神社などに植栽されることが多い。
熊野速玉大社(熊野新宮)境内のナギの神木:国の天然記念物で、推定樹齢千年。平清盛の嫡男の平重盛手植と伝えられる。男女の縁が切れないようにと女性がこれの葉を拾って帰り、鏡の裏に入れる習俗があったようです。
属名Podocarpus podo(接頭語-柄のある)+carpos(果実)。種子鱗片が肥大化して種子を包み込む意だろう。Nageia 和名ナギからくる。
種小名nagi 和名のナギのラテン文字表示
マツ 裸子植物門(球果植物類) マツ綱 マツ目 マツ科 マツ属アカマツ、クロマツ・アカマツ
ナギ 裸子植物門(球果植物類) マツ綱 マツ目 マキ科 ナギ属orマキ属 ナギ
イチョウ裸子植物門 イチョウ綱イチョウ目イチョウ科 イチョウ属イチョウ (イチョウの実は種子であり、葉は広葉にも針葉にも属さない)