里山コスモスブログ

キンシバイとハイブリッド種“ヒドコート” & ビヨウヤナギと西洋金糸梅(ヒペリカム・カリシナム)



上2段:花径、5群にまとまった雄蕊、5裂柱頭、子房5心皮

キンシバイ (金糸梅 オトギリソウ科 オトギリソウ属 学名Hypericum patulum  半落葉低木 花期6,7月原 原産地中国) 江戸時代に渡来。和名は雄蕊を金糸、花を梅に見立てて名づけられた。叢生の低木で枝が枝垂れる。葉は卵状長楕円形で2列対生する。枝先に集散花序をつけ3、5個ないし7,9個ほどの鮮やかな黄色の5弁花を咲かせる。花径3cm~4cmほどで椀状に開く。雄蕊は多数あり長さは花弁より短く、5群ににまとまり雌蕊を環状に取り巻く。柱頭は5裂する。花が大きなハイブリッド種もよく植えられている。同時期に咲くビヨウヤナギと一見よく似ている。果実はさく果で熟すと先端が割れて種子を撒く。
属名Hypericum      超・聖像というような意か。聖像の上に薬草を置いて邪悪を払った。
その薬草は西洋オトギリソウ(学名Hypericum perforatum) で、聖ヨハネの日(6月24日)の頃までに花が咲き、伝統的にその日に収穫されたため “St. John's wort” 聖ヨハネの薬草と呼ばれる。この植物は古代ギリシャの時代から薬草として利用されてきた。(日本では同属のオトギリソウが古くから薬草として利用されてきた)
他説にhypo(下に)+erice(草叢)。私が勝手に想像するに、西洋オトギリソウは、低木で荒地に叢生するheath (主にericaエリカ属の植物)に含まれる植物又は似た植物であるのかも知れない。
種小名patulum   散開した(5群にまとまった雄蕊の形容だろうか)  散開といえばプレアデス星団昴(スバル)を連想する。





上:雨に濡れて5群にまとまった雄蕊が明瞭に見える

ヒペリカム・ヒドコート (ハイブリッド種 学名Hypericum calycinum cv. ’Hidcote’)  枝先に集散状の花序をつけ3個ほどの黄色い5弁花をつける。花径は6cm~7cmほどの大輪で皿状に平開する。葉は十字対生から2列対生状の葉序まで見られる。‘Hidcote ’は作出した英国のヒドコート・マナー・ガーデン(Hidcote Manor Garden)を指す。ハイブリッド種であるが交配にキンシバイ(patulum)は関与していないようである。





茎頂の集散花序に多くの蕾がつき次々と開花する

上:ビヨウヤナギ 下:ビヨウヤナギとヒペリカム・カリシナムとの対比 (萼、雄蕊)

上3段:ビヨウヤナギとヒペリカム・カリシナム(西洋金糸梅)との対比

ビヨウヤナギ (末央柳/美容柳 オトギリソウ科 オトギリソウ属 学名Hypericum chinese  半常緑低木 花期6月 原産地:中国) 枝は枝垂れ性、葉は柳の葉のような狭長楕円形で十字対生につく。枝先に集散花序をつけ多くの蕾をつけ次々と開花する。花は鮮やかな黄色の5弁花。披針形の萼5、花弁は径5cmほどで平開し受け皿状、雄蕊は花弁よりやや長く、外方向にふわっと湾曲しながら花冠から突き出る。雄蕊は5群にまとまっていて各群35本ほどあるが、それほどには密でなく、側面から子房、花柱を見透かすことができる。5裂した柱頭が雄蕊群を僅かに抜き出ている。


上2段:樹高が50cmほどと低くグランドカバーに利用されている

ヒペリカム・カリシナム (西洋金糸梅/姫金糸梅  オトギリソウ科  オトギリソウ属 学名Hypericum calycinum  半常緑低木 花期6月 原産地ヨーロッパ東南部~西アジア) 和名に金糸梅がつくが、ビヨウヤナギに酷似した花を咲かせるので学名で呼びたい。葉は狭卵状楕円形で、2列対生状~十字対生状、枝先に鮮やかな黄色い5弁花を一個づつ単生させる。萼片は丸みがあり、花径は5cmほどで平開、雄蕊は花弁よりやや短く、放射状に真っ直ぐ伸びる。花糸がかなり密で側面から子房、花柱を見透かすことができない。柱頭は5裂。丈が50~60cmほどと低くグランドカバーに植えられることが多い。
種小名calycinum  calyx、calycis萼 (花後に萼が残ることを意味するのだろう)

コボウズオトギリ(小坊主弟切)2013-06-20


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