上:花芽に柄がない
上:雌株の雌花 下:雄株の雄花
上:多くの葉が3裂しているが、無裂葉も混じっている。
上:ダンコウバイ 下:アオモジ(参考)
ダンコウバイ (クスノキ科 クロモジ属 学名LIndera obtusiloba 落葉小高木 雌雄異株 花期3,4月 果期10,11月頃) 球形をした花芽から6,7個~10個ほどの花が散形花序につく。花芽・花序の基部に軸柄はなく、個々の花は花柄は1cmほどで絹毛が密生、黄色い花被片が6片、雄株の雄花は雄蕊9個、葯は2室からなり弁開する。雌株の雌花は淡黄緑色の子房からひょろりとした花柱が出る。葉芽は先が尖った楕円形で花の後に展葉する。葉は広卵形で先は鈍頭、浅く3裂して窄まる。縁は前縁で基部から3主脈が出る。無裂葉も混じる。山のあちこちに生育し、秋には美しい黄葉を見せてくれる。果実(液果)はクスノキ科の特徴である次第に太くなる果柄(枝から直接出る)の先につき、緑色から赤色、後黒褐色に熟す。観察した個体は大きな成木なのに毎年ほんの僅かしか実をつけない。アブラチャンがよく似た花を咲かせるが、こちらの冬芽(花芽)には柄があり、従って花序に柄があるので見分けられる。シロモジはアブラチャンと同様に花芽に柄があり、柄の先に花序がつく。展葉すれば葉先が3裂しその裂片が外側に広がる特徴のある葉形なので容易に見分けがつく。
属名LIndera スエーデンの植物学者Johann Linder の名に因む。
種小名obtusiloba obtusi-loba 鈍頭+裂片 (鈍頭で浅裂した葉の意)