ノブドウ 野葡萄
画像 ノブドウ(野葡萄) 2013-08-07 | 樹木 花と葉と果実
ノブドウ (ブドウ科 ノブドウ属 落葉性蔓木本 雌雄同株 花期7月頃)
ノブドウ属に分類されブドウの仲間ではない。葉は無裂~3,5裂、葉の反対側に巻き髭or集散花序を出す。花は黄色で5弁花は早期に脱落する。
ノブドウの実は淡緑色~白色、紅紫、青紫、紺碧色と色彩が鮮やかで、かつ大きさが不揃いである。毒々しい色彩でひと際大きく肥大したものが見られる。これはノブドウミタマバエの虫えい(虫瘤)である。割って中を観察するとタマバエの幼虫が発見されるか、幼虫が巣食い脱出した痕跡が見られる。
タマバエに産卵された果実はその刺激作用によって色彩変異を起こし、条件が整えば虫えい(虫瘤)となって肥大するのであろう。色彩変異を起こしているが大きさは通常である果実を割って観察するとちゃんと種子が出来ている。それらは色彩変異が起こるものの、虫えい(虫瘤)化は起こらず、子房・種子の成長・成熟に致命的な影響が生じなかったと考えられる。
ノブドウの色彩変異をノブドウの果実本来の色だと解説する者がある(研究論文はなく根拠不明)。
未成熟果が淡緑色であることは異論なかろうが、タマバエに産卵されない果実が果たして何色に熟すのか定説がない。
私は10月(果期)に全株白色(白黄色)に成熟した個体を発見・撮影したことを根拠に、若い果実は淡緑色で、タマバエに産卵されなければ、白色~白黄色(本来の色)に熟れると思う。いずれにしても、タマバエから隔離して栽培(種子から育てる)すればすぐに結果が分かるだろう。
ノブドウはめくらぶどうとも呼ばれる。宮沢賢治の作品「めくらぶどうと虹」には “めくらぶどうの実が虹のように熟れていた”とある。