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平面では片目で見たほうが立体的

2006-07-23 23:02:29 | 視角と判断

 図は画像検索で得られた地球儀の写真ですが、光が当たっている角度はそれぞれ違っています。
 どれも立体感はあるのですが、明暗の差が比較的少ない左の地球儀がやや立体感にかけます。
 右の写真のように左下から光が当たっている場合でも立体感を強く感じますから、光が上から当たっている場合に立体的に見えるというわけではなく、陰影が強いほうが立体感を感じるようです。
 
 本物の地球儀のように立体的なものを見る場合、片目を閉じてみるとやや立体感は失われます。
 片目を閉じれば両眼視差による遠近感が感じられなくなるためですが、この場合のような写真を見るときはそのようなことは起こりません。
 むしろ片目を閉じたほうが両眼で見た場合よりもはっきりと感じられます。
 写真を両眼で見た場合は、写真の像は平面なので両眼視差は生じないので、両眼視差だけが手がかりであれば奥行き感は感じられないはずです。
 しかし明暗の差とか遠方のものが小さく見えるといったほかの手がかりによって奥行き感を得ることができるので、両眼視差がなくても奥行き感を感じることはできます。
 それでも、両眼で見ているときは両眼視差がなければ、陰影などほかの奥行き感の手がかりがあっても本当の奥行き感を感じません。
 
 片目を閉じて見たほうがより立体感を感じて、リアルに見えるのは、両眼視差を当てにしていないからです。
 両眼で見る場合は両眼視差があることが前提になるので、これがなければ単に奥行き感を感じないということでなく、奥行き感がないと感じるので、他の手がかりと競合してしまいます。
 片目で見るときは、両眼視差がないので他の手がかりは邪魔をされないので、両眼で見た場合よりも写真は立体的に見えるのです。

 両眼で見る場合でも親指と人差し指で輪を作り、その輪を通して写真を見るようにすると、写真がよりはっきりと見え、立体的に見えるようになります(指の輪を顔から少し離して両眼で写真が見えるようにします。このとき像はややちいさくみえます)。
 両眼で輪の中から見るときは両眼の視野が狭められ、やや寄り眼になったような感じになり、三次元のものを見るときは遠近感が失われますが、写真は立体感がまします。
 三次元のものを見るときと、写真のように平面の図を見るときとでは眼の使い方が違うので、平面図での見え方を、三次元で見るときの見え方と同じ原理で説明しようとすると混乱が生ずるのです。

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