アマチュア無線とJARLと私JA3HXJ

新しい次代を迎えたJARL・・・
アマチュア無線の行方を映し出す鏡になるのでしょうか!

身の丈に合った組織!

2012年02月12日 | 日記
野次にはユーモアを感じるものもあり結構元気づけられるものがあります。しかし所詮ヤジですから好意と友情にはほど遠いものがほとんどです。
何の予告もなく、定期便でもなく誰とも約束事もなく始めたこのblogの主旨は最初のあいさつ時点で明確にしています。
週刊誌ではないのですから、記事がない日に無理に発行する義務もないということをお断りしながら・・・。

新組織になって真っ先に手をつけたことは、組織の屋台骨である財政執行の現状観察と、実際にバランスを採る作業の開始です。
ふたを開けて中身を覗いたままを速報として流せば、一部からは喝采を浴びるかも知れませんが、誤解と直結する事から現時点では適切ではありません。この理由などは説明するまでもなく、難しく複雑な要因が絡み合っていることもそのひとつです。
ただ、何もできないだろうとという、外野からの野次にはそうではないと闘志が湧きます。

現状を説明すればするほど、誤解や解釈の相違が生ずる恐れを抱きますが、これまで聖域とされ開かずの間に保管されていたJARLのすべてが財政面の課題を精査することにより浮かび上がります。
内部の問題だけではなく、対外的な契約行為の実情もようやく日の目を見ようとしています。ここから得られる成果は当然ながら、会員にすべてに還元されるものでなくてはなりません。
やがて本物の組織が姿を現します・・・私の思いはこの全容をお伝えする日を待ち望んでいます。

きょうお話したいと思ったのは「身の丈に合った運営を・・」のご意見がきっかけです。思わずJARLの身の丈ってどうなのだろうと考えました。柱の傷に刻まれた成長期の子どもではなく、私と同じようにただ縮んでいくのでは、すでに夢もなく努力の甲斐がありません。

新組織になったJARLが最初にやることが”身の丈に合った運営”だという提言は大いに賛同できます。
収支バランスを図り赤字体質や無関心な運営を排除することが正に身の丈を意識することで、これを実行してはじめて価値が生じます。
ご指摘の一つにハムフェアの例えがありましたが、この運営については私自身は関与していないのでよくわかりません。無責任なようですがこの運営会議に出たこともなく論評ができないのです。ただこれまで常態化していた1千万円を超えるJARLの負担金が、努力によって徐々に減少して数百万レベルになった推移は評価しています。
しかし、大きな行事であり本来は収支の整合性が得られるもので無くてはならず、マイナス計上は本来許されないことです。
この運営には在京の理事や支部に携わる人たちが実行委員として関わり、専務理事をトップとして運営されていますが、この背景には結構複雑な経緯と歴史があり今日にいたっているようです。
同時に、他の団体との兼ね合いもあり一気に改革したりなくしたりすることは相当な決断を要します。
新しい組織になった機会に動員数に見合った会場の選び方や、運営方法に今一度メスを入れることは必要であり何よりこれらを見直す勇気が委員会に無ければ何も変わらないでしょう!

手前味噌の事例になりますが、関西アマチュア無線フェスティバルは今年で17回目を迎えます。
17年前、大阪の狭山市で、支部の集い程度の小さな集まりからスタートしました。予算もありません・・・支部の関係者の意欲と、ジャンクの持ち込みが唯一興味をそそるイベントでしかありませんでした。
現実に担当者から「来年は止めましょうか・・」の提案があったほどです。
止めるのは簡単でしたから、「止めるのは止めよう!」ということでとにかく継続を決意しそれに加え工夫を重ねてきました。
毎年ビジョンとスローガンを掲げ単なるジャンク市に終始することなく、未来のアマチュア無線を意識したアカデミックな企画を継続してきました。
実行委員長もその時々の企画に応じ交代しながら、動員数に応じて会場も変わっていきました。総会などでおなじみの池田市に定着したのは、大阪府支部の有志の力でもあり、行政の理解が得られたことも理由です。
その後連盟からわずかながら支援が得られるようになりましたが、入場は無料のまま赤字を計上することはありません。
ハムフェアの入場者数と比較しても一人あたりの経費の差は歴然であり、コスト意識のあるイベントとなっています。
ハムフェアに出展しているブースからも多く協力いただいていますが、ここで聞かれることはハムフェアはあまりに出店料が高く採算が合わないという声です。
出展料が高く、出展者に不評でしかも主催者に赤字負担を強いるなら問題ありといえます。

KANHAMに携わる者の関心はもちろんハムフェアにあります。毎年例外なく関西地方本部のブースを設け情報を得ようと努力を重ねています。日頃の活動を紹介しながらハムフェアから何かを学ぼうという意気込みに溢れています。
この成果がKANHAMに形として表れ紛れもなく身の丈に合わせた企画となっています。
ハムフェアがこのような形になれば、豪華さが消えみすぼらしいという声につながるかもしれませんが、ハムフェアはまず過去の慣習からの脱却への挑戦であると言えます。

毎年海外からの招待客を迎えそれなりの出費をしてきたことを悪と決めつけることはできませんが、ただ見栄を張るための出費があるという指摘には素直に耳を傾け、そうでないというなら収支のバランスを計る根拠を添えて説明する必要がありそうです。
関西アマチュア無線フェスティバルの会計簿は毎年私の目を通過しますが、その書類の厚みは10センチ近くあり膨大なものです。
交通費の補助もなくすべて手弁当で行われる行事が、快いボランティアの手に支えられているのは誇りに思っています。

きょうの午後は、今年のKANHAMの委員会の初日です。こんなに遅く始めて大丈夫かと言われますが、セオリーに沿って17年間も努力を重ねているのですからこれ自体が優秀なマニュアルです。
一度お越しいただき、身の丈にあった行事をご覧ください。

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4 コメント

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応援しています! (JN1NVQ)
2012-02-13 00:21:31
こんばんは。私が『身の丈に合った運営を…』と
提言したことが取り上げられて驚いています。
同時に、長谷川さんのような前向きな方に取り上げていただき
今後の運営のネタとしていただけるのであれば
それは大変光栄なことと思っています。

関ハムは勿論、西日本ハムフェアも低予算で運営され、
かつ、参加者に楽しんでいただいている現状から
決してビックサイトという豪華な施設でやることだけが
イベントではないと考えているのは私だけではありません。
私もクラブブースに過去3回出展させていただいた経験から
ブースひとつ出展するための出展料に加え、バカ高い
電気工事代と使用料…しかも業者は”特定業者”
※これはビックサイト側の問題でしょうが…。

よく言われていることでは、『ハムフェアは総務省や業界団体の
お偉いさんを接待しなければならず、格好がつかない』という
弁解があります。これこそ”己の身の丈を知ってるのか!”と
言いたいのです。ならば関ハムや西日本ハムフェアは貧乏くさい
ので総務省関係者は呼べないとでも言いたいのでしょうか?
この理屈が仮に通れば、関東の傲慢としか言えず、関西・九州の
熱心なハム達に対する侮辱と思われるでしょう。

これからのJARLは若い人達にアマチュア無線という趣味が
こんなに楽しいんだぞ!という魅力をアピールしていくことが
必要です。10代会員への会費減免をやっていることが
活動とは到底思えません。魅力ある団体であれば正規料金でも
入会するはずです。終身会員問題、カード転送料問題…と、
JARLが抱える問題は大変深刻なのはみんなが分かっている
はずです。民間企業ならとっくに倒産している今の状況に
陥った現在も保守派と呼ばれる方達の抵抗…って何なのでしょうかね。

個人的にはJARLは一度リセットして新たな団体が
JARLに取って代わるのが理想、と思いますが
戦前からアマチュア無線家の代表として現在まで頑張ってきた
団体です。本気で『我れこそがアマチュア無線家の代表』と
胸を張って宣言したいのなら、今までのしがらみから
キッパリ決別する宣言を先にすべきです。
総務省との決別、JARD、JAIAとの決別…JARLは
純粋にアマチュア無線をどうすれば世に広められるか、
若い人達に興味を持ってもらえるか、社会に貢献できるか、を
考える団体として生まれ変わってもらいたいものです。
勿論、私も一会員として言いっぱなしではなく
必要ならば汗を流したいと思います。長谷川さん、頑張ってください!


de JN1NVQ
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身の丈・・本来の意味 (JA1KSO)
2012-02-13 04:15:46
「身の丈にあった組織」 この言葉の意味をJARLそしてその組織をリードする理事の方が理解していないのではと驚いてしまいました。
JARLの理事の方々はJARLの身の丈がどれほどなのかが何十年の歴史の中で理解していないのでしょうか。
アマチュア無線の世界においてJARLの身の丈はある時期では世界でもっとも高かったのです。 そして現在でも世界でもトップレベルであり何よりも日本では他を寄せ付けない圧倒的な立場にいる組織なのです。
今までのようなご用組織ではない組織に変わった今、自らがその組織の大きさと責任を認識し自覚すべきなのです。
それを自らの身の丈をもっと低いレベルに置くような認識では到底JARLなど再生できないと感じます。
JARLに見合った身の丈でやるべきことはまず「アマチュア無線の権益を高める行動です」 これは日本で他を寄せ付けない数の会員を擁する組織であるJARLにしかできないことでもあるんです。
ハムフェアーだとかJNだとかQSL転送などは二の次の業務でありJARLが行う主たる事業ではないはずです。 勿論、会員はこれらも求めるかもしれませんが、ほぼ全ての会員が求めていることは「アマチュア無線の権益を高める行動です」 

今、総務省は猛烈な行政改革の波のなかでもがいています。 その為に、電子申請を猛烈に推進しています。 電子申請ライトが求めているものはスムースな再免許手続きです。
逆に言うと今一番恐れているのは大量の変更申請なのです。 特に、手数料収入もない変更申請に現場は戸惑いを感じています。

我々の悲願は世界的には常識になっている「アマチュア無線包括免許制度」なのです。 ここで単に「包括免許制度」と言わないのは日本の免許制度の殆どが既にこの「包括免許制度」になってしまっておりそれはもし我々に適用されたらアマチュア本来の自由な改造などの実験に規制が加えられてしまう制度だからです。

総務省の電波行政は今大きく変わろうとしています。 それは旧来の電波利用即ち、周波数をキャリアとしてそれに重量する形で情報を交換するものから周波数自体がデータとなる新たな電波利用が主になりつつあるからです。 我々の使っている電波は前者のものでありそれが大きく変わるとは考えられません。
そうした環境の中で行政のスムースな運用にアマチュア無線にもこの「包括免許」の完全適用が考えられています。既に、99%は技適による包括免許です。ただ200Wを超えるものや変更などにおいてはこの適用外であり個別申請が行われています。 行政の業務簡略化には全てを「包括免許」にするかまたは「アマチュア免許包括免許制度」にするかです。 もう10年いやそれ以上前にこの前者の「包括免許」が提案され現場では法律案まで作られていましたがJARLはアマチュアの目的には合致しないとその全面適用は見送られました。
しかし、現在は行政の立場からはどちらかにしないと現場での運用に支障が出てしまうくらい切羽つまっているのです。
今こそJARLはその身の丈にあった行動をして我々の悲願である世界標準の「アマチュア無線包括制度」実現に向けて全力投球をすべきであり末梢的なことはどうでもいいんです。 もし、今行動しなければ我々が期待しない「包括免許」への完全移行が実現してしまうかも知れません。
もしかしたら我々に残された時間は少ないのかも知れないんです
返信する
背景説明 (JA1KSO)
2012-02-13 04:43:35
日本で「包括免許制度」が導入されるようになったのは免許一括管理システム、パートナーズが総務省で導入されるようになってからです。
無線局の免許状況を一括して管理するためにはその制度が簡略化されなければなりませんがアマチュア局の場合はこの簡略化ご遅れていました。
これがアマチュアに完全適用されていないことを確認するために特定のアマチュア局に関する情報公開を求めました。
結果はその局についてのデータがパートナーズで管理されていなく保管されている紙の書類を調べなければならなかったことです。
公開を求めたのは変更に関わる全ての技術的資料であり、受け取ったのは申請時に使われた書類のコピーです。
情報公開法に基づく公開申請であり総務省もその主管庁として対応するしかなく中にはその書類を探し出すのに1ヶ月もの時間を要したものもあったと聞きました。
総通によっては申請書類をマイクロフイルム化していたところもありましたがそうでないところは大変でした。
その後も何度か情報公開を求めてみました。
即ち、今アマチュア無線も完全なデータ管理をする必要に追い込まれており煩雑な書類を必要とする変更手続きでは行政に支障が出てしまうのです。
現在我々に適用されている電波型式の包括指定もその一環として採用されたものであり、全ての申請に個別の電波型式が記入されてしまったら管理しきれないのです。
現在も200Wを越える申請では多くの煩雑な要素があり総務省として頭の痛いのがこの「200Wを超える局」の免許なのです。
これをどう扱うかで「包括免許制度化」と「アマチュア無線包括免許制度化」には大きな違いがあるのです。
即ち、200W超を廃止して包括免許にしてしまうかそれとも全てを含めたアマチュア無線包括免許制度にしてしまうかのどちらかです。
今のままでは前者の可能性が高いですね。 もしこうなったらJARLの存在意義なんてありません!
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追伸 (JA1KSO)
2012-02-13 05:00:12
追伸

私が情報公開を求めた当時ですが、全総通からCD化されてきた資料では確か200Wを超える局の総数は約2000局であり全アマチュア免許の0.1%にも満たない数でした。多分現在は総局数が減少しておりその比率は高くなっているでしょう。
0.1%なんだから無視してしまえという考え方と2000局もいるのだから大事に扱うべきという見方もあり我々は後者の考えを前面に出して新たな制度の導入を求めるべきだと思います。

興味のある方は今の時点で総数やその免許の情報を公開請求してみたらいかがでしょうか。制度は変わっていないので全ての局の設備情報は公開されるはずです。(終段管の種類や数も)
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