「トラベリング」第三十九話
顔を洗って用足しを済ませたぼくは、干してあった褌とさらしを身に着けて出発の準備をしていた。
まだ明け方前だから薄暗くても、意識がはっきりしてきたから、なんという事もなかった。
請け負った荷物が置いてある納屋に行き、係りの人から受け取とって受取りを書いて渡した。
夜が明けてきたようだ明るくなってきた、まかないの人から弁当を受け取ると、深くお辞儀をして旅籠を後にしたが、
旅籠の主人から呼び止められた。くれぐれも気をつけるように念を押され、駄賃の半分と着物を渡してもらった。
ぼく達は顔を見合わせ、微笑みあった。
さあ、行こうか、皆で智恵を出し合って行けば何とかなるだろう、何か起きればその時に考えよう。
空は曇り気味だが、荷物が濡れないように細かく縫い込んだ麻の袋に入っている。
雨を感じたら大きな木の影か洞窟にでも入ればいいさと思った。
次の宿場まで恐らく7晩かかるだろう、急いで6晩か…何が起るか知れないから急ぐに越した事はないだろう。
意気揚々と歩き出したところ、シンシャが不調を訴えた。
まだ、気分が悪いらしく青い顔をして不安そうにしていた。
ぼくは、ヒビに受け取った駄賃を半分渡して旅籠に残るように言った。
ヒビは残念そうにぼくを見ていたが、シンシャを連れて旅籠の中に入っていった。
「ミノルごめん」「ミノルごめん」 シンシャの声が聞こえた。
ぼくもシンシャと一緒でないのが寂しいと感じたけれど、このまま連れて行くのは可哀相だと、スサノウと荷物を一つずつ担いで先を急いだ。
スサノウは何も言わずぼくについて歩いてきた。
ぼくの肩は荷物を担いでも傷みが気にならないほど、随分良くなっていた。
続くよ!
顔を洗って用足しを済ませたぼくは、干してあった褌とさらしを身に着けて出発の準備をしていた。
まだ明け方前だから薄暗くても、意識がはっきりしてきたから、なんという事もなかった。
請け負った荷物が置いてある納屋に行き、係りの人から受け取とって受取りを書いて渡した。
夜が明けてきたようだ明るくなってきた、まかないの人から弁当を受け取ると、深くお辞儀をして旅籠を後にしたが、
旅籠の主人から呼び止められた。くれぐれも気をつけるように念を押され、駄賃の半分と着物を渡してもらった。
ぼく達は顔を見合わせ、微笑みあった。
さあ、行こうか、皆で智恵を出し合って行けば何とかなるだろう、何か起きればその時に考えよう。
空は曇り気味だが、荷物が濡れないように細かく縫い込んだ麻の袋に入っている。
雨を感じたら大きな木の影か洞窟にでも入ればいいさと思った。
次の宿場まで恐らく7晩かかるだろう、急いで6晩か…何が起るか知れないから急ぐに越した事はないだろう。
意気揚々と歩き出したところ、シンシャが不調を訴えた。
まだ、気分が悪いらしく青い顔をして不安そうにしていた。
ぼくは、ヒビに受け取った駄賃を半分渡して旅籠に残るように言った。
ヒビは残念そうにぼくを見ていたが、シンシャを連れて旅籠の中に入っていった。
「ミノルごめん」「ミノルごめん」 シンシャの声が聞こえた。
ぼくもシンシャと一緒でないのが寂しいと感じたけれど、このまま連れて行くのは可哀相だと、スサノウと荷物を一つずつ担いで先を急いだ。
スサノウは何も言わずぼくについて歩いてきた。
ぼくの肩は荷物を担いでも傷みが気にならないほど、随分良くなっていた。
続くよ!