高知の不動産屋でのキロ君の毎日

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トラベリング第39話

2011-06-27 00:34:18 | ペット
「トラベリング」第三十九話

顔を洗って用足しを済ませたぼくは、干してあった褌とさらしを身に着けて出発の準備をしていた。

まだ明け方前だから薄暗くても、意識がはっきりしてきたから、なんという事もなかった。

請け負った荷物が置いてある納屋に行き、係りの人から受け取とって受取りを書いて渡した。

夜が明けてきたようだ明るくなってきた、まかないの人から弁当を受け取ると、深くお辞儀をして旅籠を後にしたが、

旅籠の主人から呼び止められた。くれぐれも気をつけるように念を押され、駄賃の半分と着物を渡してもらった。

ぼく達は顔を見合わせ、微笑みあった。

さあ、行こうか、皆で智恵を出し合って行けば何とかなるだろう、何か起きればその時に考えよう。

空は曇り気味だが、荷物が濡れないように細かく縫い込んだ麻の袋に入っている。

雨を感じたら大きな木の影か洞窟にでも入ればいいさと思った。

次の宿場まで恐らく7晩かかるだろう、急いで6晩か…何が起るか知れないから急ぐに越した事はないだろう。

意気揚々と歩き出したところ、シンシャが不調を訴えた。

まだ、気分が悪いらしく青い顔をして不安そうにしていた。

ぼくは、ヒビに受け取った駄賃を半分渡して旅籠に残るように言った。

ヒビは残念そうにぼくを見ていたが、シンシャを連れて旅籠の中に入っていった。

「ミノルごめん」「ミノルごめん」 シンシャの声が聞こえた。

ぼくもシンシャと一緒でないのが寂しいと感じたけれど、このまま連れて行くのは可哀相だと、スサノウと荷物を一つずつ担いで先を急いだ。

スサノウは何も言わずぼくについて歩いてきた。

ぼくの肩は荷物を担いでも傷みが気にならないほど、随分良くなっていた。

続くよ!







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