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うな風呂

やる気のない非モテの備忘録

DmC Devil May Cry  80点 (゜◎゜)

2013年03月15日 | ゲーム日記
天使と悪魔の間に生まれた超人ダンテは、己の出自を知らずにやさぐれて生きていた。ある日、生き別れの兄によって己の出自を知らされたダンテは、現世の征服をもくろむ魔界の帝王ムンドゥスを倒すために、股間のものをぶらぶらさせたりしながらスタイリッシュに挑む

PS3/XBOX360。カプコン(開発ニンジャセオリー)
『デビルメイクライ』の開発を外注に任せてストーリーは1をリメイク。でも本来のシリーズ展開もするよ、というまったくもって意味がよくわからない外伝的作品。アクションの気持ちよさとクールなキャラクターが売りなのに、キャラクターはいかにも洋画的なバタ臭い顔になってるし、髪型はゲイっぽいし、これあかんだろって死臭を初報から出していた本作。
ふたを開けてみると、別物としてすばらしかった。

『デビルメイクライ』のアクションの魅力は「スタイリッシュな見た目」と「多彩な攻撃の選択肢」と「上達の差がわかる操作の難しさ」、そして「考えた上で的確に攻撃しなくてはいけない敵のいやらしさ」
こうしたものがかみ合った結果、適当に動かしててもカッコよくて爽快、実際はいやらしい攻撃にトライ&エラー、しかしてその後にはさらなる快感、という二段構えの爽快感が得られるつくりになっていた。が、やはり煩雑な操作をすばやくこなす腕前がないと単調なパターン攻撃になってしまう嫌いもあった。
今作はそこから爽快感のみを抽出。多彩な動きでサクサクと蹴散らす面白さが重視されていて、トライ&エラーの面白さには欠けていたが、気持ちよく動くキャラで心ゆくまで暴れるという単純な点ではいままでのシリーズ以上の仕上がりになっている。
反面、ボスキャラなどは解法がわかるといたって弱く、パズルゲーム的な感覚の強い仕上がりになってしまっていて残念。いままでのシリーズはこのパズル的な思考とそれを実践するアクションの難度のバランスがうまくとれていて、ボスと戦うのが楽しかったからね。特にラスボスとその前のボスが弱すぎて倒して拍子抜けする感じだった。
アクションゲームとしては「爽快感はいままで以上だが、バランスは少々雑」という、国内産だったものが外国産になったときの印象そのままの出来で、良くもあり悪くもあり……という出来だった。

が、そうしたアクション面の出来はおいて、とにかくビジュアル面がすばらしかった。
今作は「現代社会に人間に化けて天使や悪魔がひそんでいる」という設定で、魔界の帝王はマフィアのボスだし、大悪魔はコーラみたいな炭酸飲料を製造販売していたり、テレビ局を経営して悪魔に有利な情報を垂れ流して洗脳をたくらんだりしている。この設定がなかなか面白いし映像としてよく表現できている(まあ、キアヌ主演の映画『コンスタンティン』のそのまんまだけど)
で、そうした悪魔が主人公ダンテに攻撃するときには「リンボ(辺獄)」という世界に叩き落としてくる。リンボというのはこの世と地獄の間にある世界というものなんだが、この表現が圧巻。
赤黒く豹変する世界。変形していくビル。地割れが走り、目の前で伸びていく道路、そこかしこに刻まれた悪意に満ちた言葉。街頭カメラは巨大な目玉となり、河水に映った都市の虚像が不気味な都市へと変貌する――こうした「現実が異世界へと変わっていく」という表現を、ステージ中で随時見せてくれて、その中を走りぬけ戦っていくことになる。これがもうたまらない。
『サイレントヒル』や『真女神転生 デビルサマナー』など「現実が異世界に侵食される」というタイプのゲームはそれなりにあるが、(そしてそのたいていのゲームがわしは好きだ)その表現の間違いなく最先端。ただの静止画やムービーとして見せるのではなく、アクションゲームとしてリアルタイムにこれだけ変わっていくというのが実にすごい。
近年の海外産のゲームには、その映像クオリティに舌を巻くことが多いが、今作はその最先端の一つ。ただ現実を模した美麗差ではなく、独特のセンスを最先端の技術で全力で仕上げたのがすばらしい。その色味の暗さやエグさはアクションとしては見辛い面も多々あり、人を選ぶデザインなのは間違いないが、この映像、特に背景を見るためだけにプレイする価値がある。
ボスキャラなどもアクションとしては物足りないが、演出を見るためのものとして割り切るなら、デザインもユニークで倒すさいの演出も見事。この辺りは『デビルメイクライ』というよりは『ゴッド・オブ・ウォー』のテイストかな。

ただし、ストーリーはいい加減。せっかくキャラはそれなりに魅力的に描けているのに、適当なうえに後味がいまいちな終わり方。人類のために戦っているのに態度がわるくてやる気に欠けるところがクールな魅力だったダンテも、今作ではちょっと頭が悪いけど基本的には素直な不良少年みたいになっているし。いやまあ、これはこれでかわいいんだけど。

全体的には「『デビルメイクライ』の動きをパクッたまったく別のアクションゲーム」という感じの出来。そういう視点で見れば操作は小気味欲動くし演出は良好、背景クオリティは業界トップクラス、という良質のアクションゲームだった。
開発したニンジャセオリーという会社は、まったく知らなかったが今までも背景クオリティには定評があったとのこと。いままでの作品もさかのぼってやってみようかな。



DmC Devil May Cry (ディーエムシー デビル メイ クライ)
クリエーター情報なし
カプコン
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