
神となり、オリュンポスを滅ぼした男クレイトス。彼がまだ人間であった時代、復讐の女神エリニュス三姉妹に狙われていた。アレスの誓約下の狂気と幻覚の中、クレイトスは自らを取り戻すために女神たちに立ち向かう――
PS3。ソニー(開発はサンタモニカスタジオ)。
ギリシャ神話をモチーフにしたアクションアドベンチャーシリーズ。
本編が三部作で完結したというのに、外伝外伝外伝でこれが外伝三作目のシリーズ六作目。綺麗に完結したのにいつまで続けんだよ、という気持ちがあってプレイ前はだいぶ冷めていた。
そもそも『ゴッド・オブ・ウォー(以下GoW)』と言えば、アクションとして目新しい部分は特にないが、超絶的なグラフィックとそれに反したロードレスな作りで当時としては圧倒的な没入感が話題になったシリーズ。PS2当時の作品としてはその技術力とグラフィックはまさに圧倒的で『GoW2』は間違いなくPS2最高のアクションゲームの一つだと思う。
が、今はHDDにインストールするのが当たり前のPS3/XBOX360世代の終盤。美麗なグラフィックもロードレスなつくりもさして珍しくなくなったし、『GoW』が業界に与えた衝撃が大きかっただけに、多くの作品にインスパイアされ、類似品が世に出回った。それでも2010年にPS3で出た『GoW3』では他を引き離していたが、その後の他社のグラフィック表現も素晴らしく、さすがにここまで来て衝撃を受けるのは無理だろう。そうなってしまったら、後に残るのはアクションゲームとしては凡庸な作りだけなんじゃなかろうか?
……そんな風に考えていた時期が、うなにもありました。
いやあ、すごい。まさに格がちがう。
圧倒的なスケール感と、そこに筋肉だけで立ち向かう臨場感。
見せられているのではなく、まさに体験している感覚を生み出す演出力。
これだけ大作を長年作っていればスタッフなんてかなりの部分が入れ替わっているだろうに、なぜここまでのクオリティを維持できるのか。
他の作品にうんざりするほど真似され、多くのユーザーに不要と嫌われるQTEが、なぜ今シリーズにおいてはこんなにも臨場感あふれるものとなるのか。
とにかく、あらゆるものがでかい。スケールが桁違い。そしてそれを表現する演出力のレベルがちがう。山のような巨人に身一つで立ち向かっていることを実感させるカメラワークと闘い方。天を突くような建造物を力づくで動かしていると思わせる仕掛けの作り方。まさに神代のスケールに身体一つで挑んでいる実感がある。多くのゲームメーカーが衝撃を受け、真似しようとし、しかしたどり着けなかった領域をさらに越えてくる。もう呆れるほどだ。
一度スタートしたら、クリアするまで圧倒的なスケール感に飲み込まれ続けるしかない。この感覚は『GoW』にしか生み出せないのだと、改めて思い知った。
しかしアクションゲームとしては難点がいくつか。
まず結局、闘い方がいつも通りで代わり映えしないというのが一つ。今作では武器が基本のブレイズ・オブ・カオスのみなので、マンネリ感もひとしお。さらにそこに変化を加えようとしたのか、ダメージを受けないで攻撃しつづけると溜まるレイジゲージが満タンになったとき使える攻撃方法が増える。増えるというか、その増えた攻撃っていままでのシリーズだと普通に使っていたやつじゃないですか。ただの制限されていただけじゃないですか~。という感じで、この制限システムがいまいち謎めいている。なぜそこで制限したのか。
次に演出重視すぎてわかりにくいシーンの多発。特に前半はカメラが引きすぎて自キャラがほとんど見えない状況下で激しい攻撃に晒される場面が多いので「こんなの難しいとかそういうんじゃなくて無理だろ!」と製作者に文句をつけたくなる。
また、これ良し悪しでもあるが、いよいよネタが切れてきたのか、敵がもはやギリシャ神話的なデザインではなく、なんかよくわからないけど醜悪なグロデザインになっている。デザイン単体で見ると秀逸なのだが「ギリシャ神話でおなじみのあのモンスターや神様と戦える」という当初のシリーズコンセプトから考えると、脱線しすぎではないかと思う。
最後に、無駄に複雑なストーリー構成による没頭感の欠如。今作のストーリー展開は現在→過去→現在→過去と繰り返して進行していくのだが、忘れた頃に切り替わるので状況把握がしにくいし、その複雑な構成にしたところでなにかストーリーに深みが生まれたかと言うと、そんなことはまったくなく、ただ没入感を阻害するだけのものとなっていた。せめて回想は一回で済ますべきだったとおもうのだがなあ。また、ストーリーの時間軸的に仕方がないとはいえ、いまいちスッキリしない終わり方でもあった。
こういった面もあるので、完成度としては前作までより劣るとは思う。
が、近年、GoWフォロワーのゲームをプレイすることも多かったにも関わらず、それをはるかに突き放した仕上がりに衝撃を受けたので高評価。
また、マルチプレイにも対応し、これがまたかなりの力の入った作りなので、マルチ好きのプレイヤーにはたまらない。(まあ自分はマルチは興味ないのでプレイしないけどね)
多少の不満点はあれど『GoW』が最高のアクションシリーズであり、クレイトスさんこそが力の象徴であることを証明した本作。やはりPS3ユーザーならマストプレイだと思った。
PS3。ソニー(開発はサンタモニカスタジオ)。
ギリシャ神話をモチーフにしたアクションアドベンチャーシリーズ。
本編が三部作で完結したというのに、外伝外伝外伝でこれが外伝三作目のシリーズ六作目。綺麗に完結したのにいつまで続けんだよ、という気持ちがあってプレイ前はだいぶ冷めていた。
そもそも『ゴッド・オブ・ウォー(以下GoW)』と言えば、アクションとして目新しい部分は特にないが、超絶的なグラフィックとそれに反したロードレスな作りで当時としては圧倒的な没入感が話題になったシリーズ。PS2当時の作品としてはその技術力とグラフィックはまさに圧倒的で『GoW2』は間違いなくPS2最高のアクションゲームの一つだと思う。
が、今はHDDにインストールするのが当たり前のPS3/XBOX360世代の終盤。美麗なグラフィックもロードレスなつくりもさして珍しくなくなったし、『GoW』が業界に与えた衝撃が大きかっただけに、多くの作品にインスパイアされ、類似品が世に出回った。それでも2010年にPS3で出た『GoW3』では他を引き離していたが、その後の他社のグラフィック表現も素晴らしく、さすがにここまで来て衝撃を受けるのは無理だろう。そうなってしまったら、後に残るのはアクションゲームとしては凡庸な作りだけなんじゃなかろうか?
……そんな風に考えていた時期が、うなにもありました。
いやあ、すごい。まさに格がちがう。
圧倒的なスケール感と、そこに筋肉だけで立ち向かう臨場感。
見せられているのではなく、まさに体験している感覚を生み出す演出力。
これだけ大作を長年作っていればスタッフなんてかなりの部分が入れ替わっているだろうに、なぜここまでのクオリティを維持できるのか。
他の作品にうんざりするほど真似され、多くのユーザーに不要と嫌われるQTEが、なぜ今シリーズにおいてはこんなにも臨場感あふれるものとなるのか。
とにかく、あらゆるものがでかい。スケールが桁違い。そしてそれを表現する演出力のレベルがちがう。山のような巨人に身一つで立ち向かっていることを実感させるカメラワークと闘い方。天を突くような建造物を力づくで動かしていると思わせる仕掛けの作り方。まさに神代のスケールに身体一つで挑んでいる実感がある。多くのゲームメーカーが衝撃を受け、真似しようとし、しかしたどり着けなかった領域をさらに越えてくる。もう呆れるほどだ。
一度スタートしたら、クリアするまで圧倒的なスケール感に飲み込まれ続けるしかない。この感覚は『GoW』にしか生み出せないのだと、改めて思い知った。
しかしアクションゲームとしては難点がいくつか。
まず結局、闘い方がいつも通りで代わり映えしないというのが一つ。今作では武器が基本のブレイズ・オブ・カオスのみなので、マンネリ感もひとしお。さらにそこに変化を加えようとしたのか、ダメージを受けないで攻撃しつづけると溜まるレイジゲージが満タンになったとき使える攻撃方法が増える。増えるというか、その増えた攻撃っていままでのシリーズだと普通に使っていたやつじゃないですか。ただの制限されていただけじゃないですか~。という感じで、この制限システムがいまいち謎めいている。なぜそこで制限したのか。
次に演出重視すぎてわかりにくいシーンの多発。特に前半はカメラが引きすぎて自キャラがほとんど見えない状況下で激しい攻撃に晒される場面が多いので「こんなの難しいとかそういうんじゃなくて無理だろ!」と製作者に文句をつけたくなる。
また、これ良し悪しでもあるが、いよいよネタが切れてきたのか、敵がもはやギリシャ神話的なデザインではなく、なんかよくわからないけど醜悪なグロデザインになっている。デザイン単体で見ると秀逸なのだが「ギリシャ神話でおなじみのあのモンスターや神様と戦える」という当初のシリーズコンセプトから考えると、脱線しすぎではないかと思う。
最後に、無駄に複雑なストーリー構成による没頭感の欠如。今作のストーリー展開は現在→過去→現在→過去と繰り返して進行していくのだが、忘れた頃に切り替わるので状況把握がしにくいし、その複雑な構成にしたところでなにかストーリーに深みが生まれたかと言うと、そんなことはまったくなく、ただ没入感を阻害するだけのものとなっていた。せめて回想は一回で済ますべきだったとおもうのだがなあ。また、ストーリーの時間軸的に仕方がないとはいえ、いまいちスッキリしない終わり方でもあった。
こういった面もあるので、完成度としては前作までより劣るとは思う。
が、近年、GoWフォロワーのゲームをプレイすることも多かったにも関わらず、それをはるかに突き放した仕上がりに衝撃を受けたので高評価。
また、マルチプレイにも対応し、これがまたかなりの力の入った作りなので、マルチ好きのプレイヤーにはたまらない。(まあ自分はマルチは興味ないのでプレイしないけどね)
多少の不満点はあれど『GoW』が最高のアクションシリーズであり、クレイトスさんこそが力の象徴であることを証明した本作。やはりPS3ユーザーならマストプレイだと思った。
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