バタフライ・エフェクト

いや～、おもしろかったなぁ。
全然ノーマークで期待してなかったんだけど、かな～り面白かったです。
「君を救うために僕は何度でも過去に戻る」なんて渋くつぶやく予告編だったので、なんかちょっとだけＳＦ設定の恋愛映画ぐらいに思っていたのだけど、もっともっとも～っと面白かった。

とにかく発想が面白いし、はじめ３０分ぐらいの少年時代のシーンが、単にたびたび記憶を失う少年で、なんだか身の回りで不思議なことが色々起こって子供の頃から霊感（？）みたいなものが強いっていう説明なんだと思って見ていたら、これが後半の話の伏線にキッチリなっていて最後にはきれいにおさまるんですよ。もう一瞬たりとも見逃せません。というか、展開が速くてなおかつショッキングなシーンと不思議なシーンが続くから、この残酷でキツイ少年時代の部分だけでグイグイ映画に引き込まれます。まだこの映画の本質であるバック・トゥー・ザ・フューチャー的な過去をいじくる話は出てこないのに、すでに少年時代だけでかなり面白いのです。ドキドキドキドキ。

それと、毎回毎回、「現在」の状況が大きく変わるんだけど、そのたびに特にケイリー（ヒロイン？の女の子）の状況が激しく変わってて、それを役者さんが全部演じわけてるのが凄いですね。疲れた田舎町のウェートレスでしょ、ピチピチキャピキャピの女子大生でしょ、それからそれから。。　あまり書くとネタバレになる（すでに思いっきりネタバレだけど）ので、これ以上書きませんが、あの演じわけはスゴイですね。見てて面白いし。その意味では、主役のエヴァンを演じた役者さんだけはいつでも同じ人格なので楽だったかも。彼以外の全員が毎回演じわけてるんですからねぇ。すごい。

とにかく、神様みたいな力を持っててもそんなにうまくはいかないんですよね。あっちを立てるとこっちが立たないんですよね。そんな全員が全員ハッピーな世界なんて出来るわけがないわけで。というか、やればやるほどひどくなっていく感じがね、もーどーすりゃいんだぁぁぁ、って感じで。こんなんなら最初からやらない方がよかったのではと思いつつ、今度はどうなっちゃうんだろう、ってワクワクワクワク。

いったん、これで終わりかなって思うというか、あ～そのオチだったのかぁって思うシーンがあって、それはそれであそこで終わっても良く出来た映画だと思うんだけど、そうじゃないんですねぇ。それが良かったです。

終わり方がまたよいですねぇ。そうか、そう来たか、と。しかも、エヴァンがそれを思いつくためには、その前に何度目かのトライのときにケイリーから話を聞く必要があるわけで。つまり、それまでの何度もやってみたトライが無駄になってないのがよかったなぁ。

あ～、これもう一度見たい、ホントに。
いやぁ、面白かった～。
見終わったあとに、２～３回、本当に「面白かったぁ」ってつぶやいちゃったもん。
掘り出し物でした。日本でヒットしたのでしょうか？　面白いですよぉ。
今年の上半期ベスト１かも。「ミリオンダラー・ベイビー」は正統派の１位ということで。でも正直言って、「バタフライ・エフェクト」の方が好みです。ので、１位だ！

一つだけわからなかったのは、少年時代の美術の授業中に将来の夢ってテーマでなんであの残酷なショッキングな絵を描いたのかがわからなかった。その後のわざと手を傷つけるのは、キリスト教の熱心な信者であるあの彼に自分の話を信じさせるためっていうのはわかるんだけど、なんでその前にあんな絵を描く必要があったのでしょうか。誰か教えてくださ～い。