江利チエミファンのひとりごと

江利チエミという素晴らしい歌手がいた...ということ。
ただただそれを伝えたい...という趣旨のページです。

【110】 火事の日の真実

2005年11月25日 | 続・江利チエミ(初期記事・後編)

前章【109】でチエミさんが火事にあった時・・・を振り返って話しされている記事を掲載しました。

しかし・・・
チエミさんという人は本当に「自分がどれだけ嫌な思いをした」とか「ひどい目に会った」とか・・・公にそんなことを決して自ら言うことのない人でした。
46年、離婚会見をしたときも離婚の理由は「健康も崩してしまい... 添っていけなかった私が悪かったのです」の一言だけでした。
みかねた雪村いづみさんは、雑誌「微笑」に「あえて紙面で訴える!」と、高倉氏に「あまりにも家庭を顧みなくなっていたこと」「特に火事以降、仮住まいのホテルにも戻ってこない」ことや、「46年の正月には居所すらわからず何ヶ月もチエミさんの元に顔を見せなかった」こと...など、大いに高倉氏に対しての不平をぶちまけ、けじめとして「一緒に食事ぐらいしてサヨナラを云うべき!」と猛抗議をしたほどでした。
また、旧知の音楽評論家「安倍寧さん」も、「離婚してよかった!これでまた自由になった!貴方は頑張りすぎた!」と紙面でエールを送ったほどでした。
(もっともこの時点で、義姉の陰謀・・・が明るみにでていなかった...ということもあるかと思いますが。)

火事のあった日の真実は、こうだったようです。

昭和45年1月21日 チエミさんはNETのスタジオでメーキャップをしていた。
「チエミさん電話です」 付き人が替わりに電話口に向います。
やがて付き人は蒼ざめた顔で戸口に戻ってくる・・・ 「お家が火事だそうです!」
「ダーリンは?」(今日はナマ放送、高倉氏は家でテレビを見ているはずだった。)
チエミさんは椅子を蹴倒すように席を立ち廊下へでた・・・
「チエミ何処へ行く!」やはり蒼ざめた兄の享さんが出会い頭にチエミさんを止めた。
「仕事だぞ!」「ナマ放送だぞ!番組に穴をあけるのか!」・・・ チエミさんはふらふらと壁にもたれた。
『歌のヒットグランドショウ』の今宵のメインは『江利チエミ・ワンマンショウ』であったのです。
再び付き人が「先生!お父様からお電話です」・・・ それと同時に番組スタッフの慌てた苦情の声がした。「チエミさん!本番です!早く!!」
享兄さんはチエミさんに「チエミ!健さんは俺にまかせろ!な、お前も天下の江利チエミだぞ!!」と諌めます。
チエミさんはスタジオに向います。

本番スタート!死のような苦痛のナマ放送「江利チエミオンステージ」を彼女は演じ切ったのです。
私もその番組を観ています。アップにした髪のチエミさんはいつものようににこやかに、ジャスチャーたっぷりに歌い踊っていたのです。
(歌のグランドショーは水曜20:00~20:55までのオンエアーだったと思います。)
「家が火事なんです!」「夫が家に居るはずなんです!」・・・こう叫んだらファンも視聴者も許したはずです。しかしチエミさんは仕事をこなしたのです。
番組のエンドマークが出た瞬間、チエミさんは衣装のまま、テレビ局の廊下を駆け抜けていった・・・
30分後、玉川瀬田のまだ火の粉があがる自宅の前に到着したのだそうです。

この悲しい話を決して後に浪花節的に語ることがなかったのが江利チエミさんです。
彼女はプロの芸人です。

火事の後、ご夫君は仮住まいのホテルには戻らず青山の事務所で眠ることが多くなる。新しい家は?・・・と相談しても「また建てて留守中に焼けたらどうする!」と取り合ってくれなくなる。役者としてストイックなスタンスであったのでしょう... 余計なことに神経を使いたくなかったのかもしれません。

この「家」を失ったことは、本当に様々な不幸の引き金になったのではないでしょうか。
あの焼失した家屋は、当時まだ大スターになる前の高倉さんが、収入に応じて月賦で立てようという提案を尊重して建てたものだったそうです。ゆえにショックも大きかったとは思うのですが・・・


この火事の後、今度は「お前も天下の江利チエミだぞ!!」と支えてくれた長兄/享さんが急逝されます。
そして離婚・・・ その影にはあの恐ろしい悪魔の義姉が介在していたのです。悪魔の企てた「横領詐欺」が発覚するのです。


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2 コメント

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宝石が・・・ (twig)
2005-11-25 20:00:54
燃えさかる火の中に飛び込もうとした チエミさんを引き留める亨さん。「放して、宝石が!」と叫ぶ チエミさん。

宝石ならまた買えばいいのにと思ったら、健さんからもらった想い出の宝石だったと。

こんな報道をされた記事があったのを思い出しました。

どんなだんな様でも、 チエミさんにとっては大切な人だったのですね。
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見破られました! (う--でぶ)
2005-11-25 20:11:10
私はどうにも元ご主人様のことが今でも... 見破られてしまいましたね。



まあ、私も45歳になったから思うのかも知れないですが、夫婦は大変... 添い遂げるのは大変... 我慢大会/騙しあい... ですけどね。

やっぱ、最後の最後は「信頼」じゃないですか!

信頼できなくなっちゃ駄目だし、男と女じゃ「男がやっぱり悪い」って思うのですよね... 

ちょっと過激な章になってしまいました。
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