江利チエミファンのひとりごと

江利チエミという素晴らしい歌手がいた...ということ。
ただただそれを伝えたい...という趣旨のページです。

◆ 江利チエミ 絶頂期のババルーと真室川音頭

2021年01月30日 | 江利チエミ(続編)
チエミの全て2枚組みの民謡集LP...
1枚目=ジャズ・ポップス・ラテン&オリジナル 2枚目は民謡という構成のベスト盤LPです。
わたしが最初に手にした彼女のLP...
1枚目のババルー、そして2枚目の真室川音頭...これに強くひかれました!!

この2枚目のラインアップは...
A面 1)常磐炭鉱節 2)五木の子守唄 3)八木節 4)阿里屋ユンタ 5)ソーラン節 6)奴さん
B面 1)おてもやん 2)木曾節 3)串本節 4)真室川音頭 5)田原坂 6)鹿児島おはら節

真室川音頭に魅了された...
それはシャープス&フラッツの伴奏との共演の素晴らしさと、そのビッグバンドをグイグイと引っ張っていくダイナミックなチエミ節にビリビリビリ...っと痺れてしまったせいだと思います。編曲/山屋清先生。
私にとって今でも、もっとも江利チエミさんらしい民謡=真室川音頭 です。

ちなみにこの真室川音頭...どこかで聴いた事がある??似てる??
答えはチエミさんのレパートリーのなかにありました。
ナット節...この歌が原曲なのです。
ナット節は樺太や北海道の缶詰工場で女工さんが「労働歌」として歌いだしたのがその原曲。
この歌にも「カムチャッカ小唄」という樺太・千島で歌われていた「原曲」があります。
それが「お座敷歌」となって、合いの手で「ナット ナット!」と囃すことから「ナット節」と呼ばれるようになったとか...
戦前、真室川町は鉱山が栄えていました。また、軍によって山形県真室川町に空港を建設することに...北海道から出稼ぎで多くの労働力がかり出されました。そこで「ナット節(カムチャッカ小唄)」が変化したものが「真室川音頭」の原型です。
戦後、お座敷歌としてちょっとエッチな歌詞になってしまったものを地元の旅館の女将が手直しし、それが話題となって「新民謡」としてレコード化され広く日本中に知られるようになったとか。
キングの先輩「林伊佐夫さん」も「真室川ブギ」としてリリース、ヒットしました。

ためしにチエミさんのナット節にあわせて真室川音頭を歌う...と納得できます。
(同様に「よさこい節」にあわせて「新土佐節」も歌えますよ! チエミさんと同時デュエット...しかも違う曲で... チエミvsいづみ・タイトルマッチの醍醐味です。途中の 間の違い さえ会得すればコレなかなか楽しめます!!)

チエミさんの民謡を評して、「北の暗い民謡より、南の陽気な民謡が似合う」といった解説者のコメントを読んだことがありますが... 私はそうは思わない!
陰音階の北日本の労働歌にも、粋で洒落たものは多くあります。
労働歌+北の民謡+お座敷歌(=ゆえに粋)...これこそ江利チエミ十八番である!と。
さのさ、奴さん、深川くずし...といった江戸俗曲、熊本の遊郭の女郎さんのストライキを歌った「東雲節」に、ナット節とこの「真室川音頭」... よくよく考えると、私の好きなチエミの民謡・俗曲は、「江戸っ子で下町生まれの粋な江利チエミ」のイメージとぴったりはまるものでもあるようです。

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1 コメント

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Unknown (twig)
2021-02-01 18:09:40
私もこの2曲
初めて買ったLPがこの二枚組
これだけビックバンドを、それこそぐいぐいと引っ張って行ける歌手はいないと思います。

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