江利チエミファンのひとりごと

江利チエミという素晴らしい歌手がいた...ということ。
ただただそれを伝えたい...という趣旨のページです。

◆ koniさんが・・・ 

2018年02月03日 | 江利チエミ(続編)

幻の名盤 江利チエミ「ハイカラークラブ」でのLIVE:スターダスト をアップしてくださいました。

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ハイカラークラブ/サンデー・ジャズコンサート

>1956年 「ハイカラークラブ」
 Jazz界の高揚と親睦を目的としてスターダスターズ リーダー  渡辺 弘さん 画家の東郷青児氏(レコードのデザイン)の呼びかけで「ハイカラクラブ」が結成...
産経ホールで3日間、発会コンサートを... TBSラシオ
 “SUNDAY JAZZ CONCERT” で放送される...
    
レコジャケ...東郷青児さんだったことを改めて気がつかされました。(ちなみにこのページの画像:雑誌表紙も東郷画伯による江利チエミ肖像画です。)

1956(昭和31)年4月15日 大手町・産経ホールで開かれたこのハイカラークラブ「サンデージャズコンサート」...
 このLPのライナーノーツをご紹介します。

High-Colour Club、高尚な色あいを思わせるような、純鑑賞のジャズ音楽演奏を目的として、このクラブが誕生したのは1956年の早春でありました。以来、このクラブの趣旨は各分野の非常な声援と大きな協力を得て、ここに1956年4月15日、東京大手町の産経ホールでその結成を記念するコンサートが開催され、キング・レコードは昼夜の全演奏を録音、そのうちのすぐれたものをレコード化することとなったものです。

最近われわれの大きな注目と関心を浴びたコンサートにロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールで行われた英国ジャズ界あげての催おしがあります。また同様英国のテッド・ヒース楽団の如きはロンドン・パレイディアムにおいて100回を記念するサンデイ・コンサートを開き、LPとなってこれも全世界の注視をあつめております。

実際の演奏において、いいジャズ音楽を作りあげて行こうというのは、アメリカ以外の各国における一つの流行のようで、この点ではおくればせながらもハイカラー・クラブは仲間入りをしたと申せましょう。

各国におけるレコードによるジャズ研究はなかなかさかんで、フランスのホット・クラブをはじめとして英国、欧州各国、オーストラリア、インドなどにおのおの連絡を持つクラブがあり、わが国にも、Hot Club of Japan が存在していることは周知であります。アメリカにおいても United Hot Club of America が活動しております。

ここで皮肉というか、愉快というか、本場アメリカのジャズ研究団体は、実は欧州各国に先べんづけられてできたものであるということです。世界に先がけてジャズ研究の口火を切ったのはフランスでありました。これはアメリカが、ジャズの良さをその距離があまりに近いために看過していたともいえるでしょうし、またあまりに恵まれ過ぎているからともいえましょう。あるいは逆にみて苛酷な商業斗争、生き馬の目を抜くようなすさまじい動きがそうさせていたともいえるでしょう。

レコードをはなれた実際演奏の面においても多少はこういった傾向があるようです。真剣な鑑賞意欲をもったコンサートはアメリカにももちろん有りはしましたが、他の国のコンサートと比べるとどうも一本の骨が不足しているきらいがあります。あたかも金持の子供の勉強振りと、苦学生の勉強にはおのずから身の入れ方がちがうといったようなものを思わせるのです。ラジオのダイヤル一つを回すことによって好みの楽団をキャッチでき、気軽にナイト・クラブに出入りすればそこには必らず世界的な楽団の演奏が聞かれる、レコードにしろテレビにしろまたしかりで、何一つ不足を覚えないために前進がはばまれるというわけです。

もちろん、技巧、力両の面からは本場のものに一歩を譲らねばなりません。しかしいかに技術的にすぐれていても商業意図に支配された気薄な精神のものと、多少技術的に難はあっても真摯な欲求に燃える精神とでは、むしろ後者を尊いものに見なすのが順当でありましょう。

アメリカの一部を除いてのコンサートが、最近このようなジャズ・スピリットの問題でとかくの批難をこうむっている矢先、英国と期を同じくして、わがハイカラー・クラブのまじめな意図が世界各国に紹介されることは、大いに意義のあることといわねばなりません。
この録音はまことに水ぎわ立った音でとられておりますが、現地の録音ではこれ以上のものを望むことはおそらく不可能でしょう。

《作品と演奏》
ババロア(Babaroa)フランスでできたプディングに似たお菓子で、作者の半間厳一はこのお菓子の持っているミルクと砂糖と香料の作り出す独特な風味と、ほのかな恋愛に通ずるような淡い甘さとを考えて書いたといっております。
馬子歌(Song of Pack-Horse Man)馬子歌はケニー・グラハムの書いた“ハイチ島のお祭り”(HAITIAN RETUAL)を基として川上義彦がそれに日本古来より親しまれている馬子歌のハーモニーをあてはめたものです。“長い道中で雨が降ったならば、おれの涙と思ってくれ”というわびしさをこめて書かれたものです。
エアー・メイル・スペシアル(Air Mail Special)
あなたの思い出(Memories of You)
ローズ・ルーム(Rose Room)

この三曲はいずれもベニー・グッドマンの十八番曲として有名なものです。ことに、いま映画B.G.物語が紹介されてジャズ・ファンの間に大きな関心がもたれているところから、わが国での唯一のB.G.信奉者、鈴木章治がこの三曲をとりあげたものです。演奏中あなたの思い出(Memories of You)は映画におけるB.G.とは全く同じ演奏というジャズ・ファンへのお愛きょう的演奏、他の二曲は、B.G.の編曲を用いてはおりますが、これは徹底したB.G.イミテーションではなく、そこに特有の鈴木章治らしいフィーリングの出ていることを知らねばなりません。いい意味でのイミテートは結果において創作に通ずるものであることを知らされる演奏であります。
マン・イン・ザ・レインコート(The Man In The Raincoat)
ある夜海老原啓一郎が題名も聞かされずにラジオで聞いた曲のメランコリックな味がどうしても忘れられなくて思い出しながら書いてみた。それは後になってワーウィック・ウェブスターの作ったこの曲であったわけです。かなり前にヒット・パレードにもランクされて歌われた曲ですが、ハーレム・ノクターン、グリズビーのブルースに通ずるような哀愁のにじみ出た曲で全パートを彼のアルト・サックスが美しい音色で泣いております。
 
スターダスト(Stardust)
パーマネント・ヒット~永久のヒットという言葉がアメリカでよく使われますが、この曲などはまずその筆頭で、もはやアメリカ国民の歌とでもいったほうがいいかも知れません。ここでの大きな特色は江利チエミのチェンジ・オブ・ペースで、今までのあくの強いニグロ・フィーリングをはなれた正面切って歌うバラード歌手の良さがあふれていることで、この境地への進出は彼女の一つの精進を示すものとして喜ばしいことです。

マンボ・デ・フルート(Mambo De Flute)
モダーン・ジャズの発展はハーモニーをひろげる理由からいろいろのクラシカルな楽器の登場をうながしましたが、これもそれをとり入れた一つ。アフロ・キューバン色のマンボ・リズムと柔軟なフルートの音色をたくみに対応させたソフィスティケートなムードがききもので、テナー・サックスで抜群の才をしめす松本英彦が、フルートに持ち換えての器用さを見せております。
フー・パークス・ザ・カー?(Who Parks The Car?)
原曲はウパパダ~Oop・Pop・A・Da!~でディジー・ギレスピーの当り曲。ここではこのメロディーをそのまま用いて松本英彦と山崎唯のバップ・スキャットで興味ある熱演をくりひろげます。松本はスキャットを歌う途中、自分のハンケチでテナー・サックスを吹くかっこうを見せ大いに聴衆を沸かせております。奇抜なアイディアと訓練をつんだ上での熱演は本コンサート中の白びでありました。
フロア・ショウ(Floor Show)
原曲はカウント・ベイシー楽団の当り曲でしたが、これをピアニストの佐藤愛子はリズム・エンド・ブルース風の編曲に直し、それに原信夫のテナー・サックスを浮き上がらせております。独奏楽器とバックのアンサンブルとの対照もみごとですが、何よりもこの楽団のフレッシュな若さを持った音が聞くものの心をとらえます。

《出演楽団とメンバー》
 渡辺弘とスターダスターズ
 (指揮)渡辺弘、(アルト)六島佳郎、小林又二、(テナー)小島福治、荒川実、(バリトン)旗本淳、(トランペット)松田信一、増田義一、石岡九十九、(トロンボーン)鶴田富士夫、岸川雅美、滝沢裕次、(ピアノ)三浦進、(ギター)阿部章二、(ベイス)工藤竹治、(ドラムス)古田豊

 鈴木章治とリズム・エース
 (クラリネット)鈴木章治、(ヴァイブラフォーン)松崎竜生、(ギター)永田暁雄、(ピアノ)鈴木敏夫、(ベイス)吉場常雄、(ドラムス)原田勇

 渡辺晋とシックス・ジョーズ
 (ベイス)渡辺晋、(テナー)松本英彦、(ヴァイブラフォーン)安藤八郎、(ピアノ)山崎唯、(ドラム)吉野公彦

 原信夫とシャープス・アンド・フラッツ
 (指揮、テナー)原信夫、(アルト)向井周、工藤正人、(テナー)森剛康、(バリトン)原田忠幸、(トランペット)森川周三、河本豊弘、本木英夫、(トロンボーン)谷山忠男、浜水俊朗、田中彰、(ピアノ)佐藤愛子、(ベイス)山下高司、(ドラムス)武藤敏文
 アルト・サックス、海老原啓一郎

 歌、江利チエミ

 
          (解説・河野隆次.)<---このLPに収録されている司会も河野さんです。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お身体大切に (konidolfine)
2018-02-03 22:16:48
ご病気大変でしたね。
定年まで2年とのこと、なんとか踏ん張ってお仕事をお続けください。
私はあと4カ月で一足お先に定年です。
お互い頑張りましょう。
では、またチエミさんのことでお世話になりますので、宜しくお願いします。
このLIVE盤 パート2.3...とあって... (う--でぶ)
2018-02-04 08:15:58
koniさま、ありがとうございます。
細々...生きてる間は続けます(笑)。

このLIVE盤のパート3
収録曲は少ないのですが「チエミ再び」です...

第一面)
  マン・イン・ザ・レインコート 
          海老原啓一郎(アルト・サックス) 
                 渡辺弘とスターダスターズ  

  ロック・アラウンド・ザ・クロック
          江利チエミ
              原信夫とシャープス・アンド・フラッツ

第二面)
  アヴァロン
           鈴木章治とリズム・エース
昭和31年4月11日のコンサートは、当日のコンサート(昼/夜)をキングレコードが録音して「良いものをセレクト」してレコード化して、NHK、JOKR(ラジオ東京)がそれぞれ中継放送または録音をとる...といった当時としては例をみないスケールの大きなものだったのだそうです。

さて、河野隆次さんのライナーノーツのチエミさんの部分だけを引用します。

>江利チエミの歌う「ロック・アラウンド・ザ・クロック」は今までもだいぶラジオその他でジャズ・ファンにはおなじみと思われますが、コンサートにおける聴衆の興奮と、その興奮から生まれるエキサイトした演技、この循環が従来の演奏に全く聞かれなかった迫力を示しております。
これはジャズのコンサートにだけ生じる現象で、もちろん、まじめなコンサートでなければですが、スタジオの録音では期待できないふん囲気なのです。

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このライナーノーツが表現しているように「江利チエミのステージング=ナマのうたいっぷり」は本当にドラマティックでエキサイティングでありました。

チーチャン!!...客席からの掛声 拍手
    シャープの演奏 そして江利チエミのうたいだし...  手拍子をとりながら...
スキャトも「これぞ江利チエミ!!」... スタジオ録音のものは「やはりノリがおとなしい」...ゆえに「照れくさく感じる」という意見もありますが・・・
なまのチエミにそんなことはありません!!
   体でリズムをとって表情豊かに歌う姿が浮かびます。
 まさしく名演!!...なのであります。
ロックアラウンドザクロック (う--でぶ)
2018-02-04 15:03:35
https://www.youtube.com/watch?v=A3MOOdDk_ts&feature=youtu.be

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