悪魔の囁き

少年時代の友達と楽しかった遊び。青春時代の苦い思い出。社会人になっての挫折。現代のどん底からはいあがる波乱万丈物語です。

若葉と青葉と紅葉と

2016-08-31 10:07:06 | 日記
第一話【小さな目】


そして、おばさんに、赤と青のセロハンの貼ったメガネを渡された。
『おばさん!これ何に使うの?』
『いいところになったらかけるのだよ。そうすると、カラーになって立体感が出るのだよ』
『ホントかな?』
『アパ!かけてみな』
『右が赤で左が青になっているだけだよ』
『映画を観ながら掛けないと変わらないよ』とおばさんが教えてくれた。
そして、ドアーを開けて中に入ると立ち観まで出ていて満員だった。
私たちは、一番後のドアーの出入り口で、立ち見で観ていた。
すると、
『子供が観てはいけないよ』と隣に立っていた背広を着た30代のサラリーマン風のオヤジにからかわれた。
恐らく、営業をサボって観ていたと思う。
そして、クライマックスになると全員メガネをかけていた。
しかし、変わらなかった事を覚えている。
『面白かったな』
『やっぱり!ダラマンも連れてくれば良かったな』
『今度!声をかけよ』
『喜ぶだろうな!?』
『その代わり!口止めだけはしないとなぁ』
『それにしても!ハゲチャビンのじじいが、和服の20代の若奥さんを犯すのも良かったな』
『エロチックで、ドキドキしたよ』
『でも、可愛い17歳の女学生が襲われるのは可愛そうだったな』
『なに!あれは演技だからいいんだよ』
『結構!冷静に観ているんだな』
『俺なんか、悔しくてたまんねぇよ』
『しかし、上田吉二郎さんは憎たらしいね』
『成人映画には、必ず出てくるもんなぁ』
『悪役の名優は、なくてはならないんだよ』
『ヤクザの親分役もかっこいいもんな』
『でも!役者はいいなぁ』
『俺も!俳優になるかな』
『時代劇の提灯持ちでもいいな』
『御用、御用、御用、御用だぁ』
『近衛十四郎だって提灯持ちから始まったんだよなぁ』
『それは、顔が良かったからだよ。お前!顔が悪いからだめだよ』
『オメェだってたいして変わんないじゃん』
そして、国道から裏道の入ると、二股になっていた。
『俺、こっちからけるから』と右側の三角方面に向かった。
『じゃ、明日な』
『うん』
『グッドバイ』
そして、サンスケと途中で別れて歩いて2時間かけて家に帰った。

家に帰るとかぁちゃんが洗濯物を畳んでいた。
黙って二階に上がろうとした。
『お前!帰ってきた時ぐらい声をかけな』
『かぁちゃん!腹減った』
『昼食べたろう?』
『歩いて帰ってきたから腹は減ってフラフラだよ』
『晩ご飯のおかずを買いに行まで待っていな』
『早くしてよ』
『わかったよ』
『映画が面白かったかい?』と聞かれた。
『面白かった』
『松竹は何をやっていた?』
『成人映画だったよ』
映画館は右に東映、左に松竹と2館並んでいた。
東映はヤクザ映画で松竹が成人映画だった。
私は、ヤクザを美化するの大嫌いだったので、一度も観たことはなかった。
そして、かぁちゃんに聞かれた映画は東映ではなく松竹だったので、内容を話すことが出来なかった。
つづく

若葉と青葉と紅葉と

2016-08-27 10:29:17 | 日記
第一話【小さな目】


『楽しみじゃねぇ』
『それで!バンド組むのかよ!?』
『今のところ考えていないんだけど、出来れば組みたいな』
『ギター弾けるやつは、みんな組んでいるからな』
『一夫は、リードギター弾けるから、誘ってみようかと思っているんだよ』
『俺が!サイドギターやるのか?』
『ボーカルも必要になるから、サイドギターの方がいいんだよ』
『マサルはベースができるよ』
『それで、4人揃うな』
『そこで、練習はどこでやるかだよ』
『それなら、俺んちの風呂場の脱衣場で大丈夫だよ』
『風呂屋の営業があるじゃん。おじさんは、いいて言うかな?』
『午前中だけなら大丈夫だよ』
『それで、行くか?』
『やるか!?』
『それにしても、この部屋寒いな』
『北向きで、日が当たらないんだよ』
『それなら、1階の風呂焚き場に行こうぜ』
『そうするか』
1階の降りると40代の本物のサンスケがいた。
そして、釜に薪をくべていた。
合間、合間の時間を見ては、小さな覗き穴から男湯と女湯の客入りを確認していた。
『こんちわ!!』と挨拶したが、人見知りの無口な人で返事はなかった。
そして、本物のサンスケは外の燃料置き場に釜にくべる大きさに割った材木を取りに行った。
『サンスケ!あの穴から覗いたことあるの?』と指をさして聞いてみた。
『吉岡さんが忙しい時は、代わりに覗くよ』
『お前!幸せだなぁ』と羨ましがった。
『ハッハッハは』
『もしかしたら!番台にも上がれるの?』
『そこまでは、できないよ』
『そうだよな、座っていても、立ちパなしになるもんなぁ』
『ホントだよ!?』
『ウァハハ八八ノヽノヽノヽノ \』
『俺にも、覗かせてよ!?』とスケベ根性を起こして聞いた。
『いいよ』と気軽に言った。
『オジサン!来ないかな?』
『今、吉岡さんは外に出ているから大丈夫だよ』
『サンスケ!見張っていて』
『OK!!』と指でサインを出した。
そして、大人の目の大きさの覗き穴に、左目を閉じて右の効き目を押し当てた。
そして、精神を統一して女湯を覗いてみた。
しかし、体にお湯をかける音は聞こえても、湯気が万延していて、ほとんど女性の姿は見えなかった。
『サンスケ!霧になっていて、霞んでよく見えないよ?』と不満げに言った。
『混んでいると、男湯より、女湯の方がお湯を使うから、湯けむりが立ちやすいんだよ』
『なるほどな』
流石!風呂屋の跡継ぎだぁ!!!
運がいいと、湯船の近くで洗っている女性は見えた。
そして、髪の長いお姉さんが、肩からお湯をかけた時に、胸の谷間からお湯が流れ落ちる水滴は画像で見るより、艶かしい色気があった。
・・・・
つづく

若葉と青葉と紅葉と

2016-08-25 10:17:20 | 日記
第一話【小さな目】


『それで、いつ来るの』
『一週間ぐらい掛かるって、売り場のお姉さんが言っていたよ』

『かぁちゃん!錦糸町の駅ビルに行って、ドラムセット買ってくる』と嬉しそうに言った。
『こんな狭い部屋に、そんなの、何処に置くの』と聞かれた。
『使わないときは、畳んで押し入れにしまっておくよ』と説明した。
『いくらなの?』と聞かれた。
『2万5円だよ』と答えた。
『高いねぇ!!』と賛成気味ではなかった。
『アルバイトで金は貯めたから大丈夫』
『せっかく貯めた金なのに無駄遣いするね』
『今グループサンズが流行りだから、ドラムぐらい持っていないと話にならないんだよ』
『それなら、エレキギターにすればいいのに』
『エレキは皆持っているんだよ』
『そうなの』
『それに、この前、ガットギターを2千5百円で買ったらいらないよ』
『取り敢えずいいけど、近所迷惑だから大きい音を出すんじゃないよ』
『分かっているよ』
そして、午後から錦糸町駅ビルの5階?楽器売り場に行った。
そして、一番奥に置いてあるブラックのドラムセットに向かった。
『いらしゃいませ』と20代全般の女性店員が言った。
『すいません!このドラムセットください』
『ありがとうございます』
『これ、何時、送ってもらえますか』と聞いた。
『これは見本なので、新しいドラムセットはメーカーから送ります』
『そうですか』
『それでは、こちらで、手続きをお願いします』と言われサービスカウンターに行った。
そして、送り状に住所、名前、電話番号を記入した。
しかし、初めて書いたので、手が震えてミミズが這いつくばった字になってしまった。
『何時ごろ家に着きますか?』
『明日、送りますので、一週間ほどで着きますよ』
『そうですか。よろしくお願いします』と家に帰った。

『買ってきたかい』とかぁちゃんに聞かれた。
『うん』
『何時送ってくるって』
『一週間だって』
『それで、送り状と領収書はもらったか』
『貰わない』
『なんで、貰わなかったの』
『くれなかったんだよ』
『ばか!領収書が無かったら、送ってこなくても文句が言えないじゃないか』
『くれなかったんだから、しょうがないじゃん』
『明日行って貰ってきな』
『面倒くさいよ』
『しょうがない子だねぇ』と呆れた。
世間知らずの私が、かぁちゃんにこっぴどく怒られたことが、懐かしく覚えている。

私の家は、六人家族で、二階建て鉄筋コンクリートの都営住宅の3-8だった。
一階はキッチンとトイレに和室が四畳半だった。
そして、二階が階段をはさんで北側が二畳半で南側が四畳半だった。
そして、一階は和室には父ちゃんとかぁちゃんだ寝た。
二畳半には妹が寝て、四畳半には兄二人と私が寝た。
その為に、ドラムセットを置くと2畳は取られ寝ることが出来なかった。
つづく

若葉と青葉と紅葉と

2016-08-23 10:49:08 | 日記
第一話【小さな目】


サンスケは、本名は飯沼修。成績は中、風呂屋の一人息子だった。
四角い顔に耳が大きく、薄い眉で二重の瞼で目玉が大きかった。
鼻が大きく、鼻の下が長く、上下の唇も大きくて厚かった。
平ペったい顔面はニキビだらけだった。
そして、額が広く、ストレートの赤毛で左から7:3に分けていた。
クラブ活動には入っていなかったが、インキン田虫で苦しんでいた。
そして、無意識に背中を掻いていた。
『サンスケ!背中にもインキンが出来たのかよ』
『バカヤロー出来るわけねぇだろ』
『ウァハハ八八ノヽノヽノヽノ \』

学校が終わり、PM4時に、サンスケの家に遊びに行った。
『お~ぃ!サンスケ!居るか!?』と二階に声をかけた。
『オッ!アパ!上がってこいよ』
『こんちわ!?』と本物がいる風呂屋の覗き穴の部屋から上がった。
そして、二階に上り、エレキギターの練習をしている、サンスケノ部屋に入った。
『俺よ!昨日、錦糸町駅のデパートに行ってドラムセットを買ってきたんだ』と私は自慢した。
『ホントかよ!カッコイイ!!』
『寺内タケシとバーニーズと同じ、オールブラックだよ』
『やるじゃねぇ!いくらした!?』
『特価で、2万5千円だよ』
『安かったなぁ』
『錦糸町に遊びに行くたびに、気にいって前から狙っていたんだよ』
『よく!金もっていたしゃん』
『夏休みのアルバイトで金貯めておいたんだよ』
・・・・
夏休みのアルバイトは、工事現場で使う材木の釘抜きだった。
そして、一週間契約で、同じ学校の同級生6人で雇われた。
真夏の、炎天下の下、安全第一のマークの入った白いヘルメット被り、軍手をはめた。
そして、トンカチと釘抜きを持たされ、白いランニングシャツに半ズボンで運動靴を履き、白い手拭いを首に巻いた。
朝9時から昼一時間をはさみ、廣田と二人組みになり、午後5時半まで釘を抜いていた。

『クソ暑いな』と廣田が海からの入道雲を見て言った。
『日陰がないから、モロ、暑いよ』
『風があれば少しは涼しくなるんだけどなぁ』
『冷たい水が飲みてぇなぁ』
『バテるから、我慢したほうがいいよ』
『そうだな。終わったら、かき氷食いに行くか』
『うん』
『この板の山の釘抜きを終わらせないと休めないよ』
『監督!今日の分は何枚抜くって言っていたっけぇ』
『100枚だよ』
『あるなぁ』
二人で向かい合わせになり、縦2M横50cmの板の両サイドの釘を抜いていた。
『この板、何処に使っていたのかな?』と私が聞いた。
『ビルに建て替えるので、古いアパートでも解体したんじやないの』
『それにしても、同じ大きさだよ』
『確かに』
『それにしても多いよな』
『おそらく、江戸川区だけでなく、あちこちからかき集めて来たんだよ』
『でも、新築の家には使えないよ』
『うん!もしかしたら、ビルを建てるときに足場に使うんじゃない』
『それにしては、薄すぎない』
『そうだな。俺が乗ってもしなるものなぁ』
『二三枚重ねれば乗れるぜぇ』
『そんな面倒なことしないだろう』
『それもそうだな』
『わかんねぇなぁ』
『それにしても、暑いなぁ』
『でも、アルバイト代がいいからな』
『うん!やめられないな』
『今週の少年マガジン見た』
『見たよ』
『バカボンのパパ面白かった』
『火事の話だろぅ』
『そう、そう』
『トイレが焼けて。これが本当のヤケクソだ』と洒落を言って、クーニングやのオヤジに張り倒される話だよな』
『面白かったぁ』とどうでもいい話をしながら釘を抜いていないと暑さでぶっ倒れそぅだった。
灼熱地獄の中、1日千二百円で他のアルバイトより500円高かった。
そして、土曜日に金をもらった。
『監督!来週も来ていいですか』と関原が聞いた。
『一週間と言う約束だから、遠慮してくれ』と断られた。
そして、4人が先に金をもらって帰っていった。
『アパ!先に変えるよ』
『うん!じゃまたな』
『おぅ!!』
そして、私たちも一週間分、7千200円茶封筒に入れてもらった。
そして、監督さんに来週からもアルバイトが出来るか聞いた。
『俺たちもダメですか』と私が聞いた。
『君たちは、真面目に働いていたから、来週も来ていいよ』と言われた。
後の4人は遊んでばかりいてノルマの半分も釘抜きをしていなかった。
『良かったなぁ』
『これで、8月一杯やれば20日間で、2万4千円になるよ』
『可也遊べるな』
『ホントだぁ』
『ウァハハ八八ノヽノヽノヽノ \』
・・・・
つづく

若葉と青葉と紅葉と

2016-08-21 13:28:49 | 日記
第一話【小さな目】


昭和40年前後の時代は、新中川も水質が良く、泳ぐ事が出来た。
都心のプールで泳ぐには、行くまで電車の乗り方が解らないのと、肝心な金がなかった。
そして、中学校にプールが出来たのは、私が小学校5~6年の時だった。
夏休みに成ると、自然の中での遊びが多く、只泳いでいるだけだは面白くなかった。
潮が引くと、砂浜でシジミを捕ったり、ゴカイを掘って釣りをしたりしていた。
また、水泳器具を使わずに川で遊ぶ事が出来る便利な物を探した。
そして、一番手頃な横堀川に掛かった、450号線の片側一車線バス通りの新川口橋から飛び込んでいた。
また、表通りには都バス以外は、自転車にエンジンを付けたブルンバイク、カブ二輪車、ミゼット三輪車や2トントラックなど滅多に走って来なかった。
まして、アメ車や国産乗用車など、江戸川区でも大金持ちの社長やヤクザの親分しか持っていなかった。

駄菓子屋から20円で買ってきた、大型のベーゴマを、竹を1メールに切り節から5cmほど割いて間に挟み、アスファルトにベーゴマの角を擦り付けて駆け出した。
すると、摩擦で角が削れて、標準の大きさせて勝負に勝つように加工していた。
また、長い直線を自転車のリムを細い竹棒で転がして遊んでいた。
昭和40年代は、私の住んでいる町は夜7時頃に成ると、小売店の看板のライトも消えて、思い出したように立っている外灯の明だけになった。
そして、木製の電信柱が25メートル間隔にポツンポツンと道なりに、道路を挟んで立っているだけだった。
また、江戸川区・江東区・中央区等、高層ビルも建ち並んでいなかった。
夜に成ると、橋の上から今のダイヤモンドヴェールライトではなかったが、この時代はでは珍しい綺麗なライトを付けた東京タワーを眺める事が出来た。
私の行動範囲は、バスなど乗る金が無かったので、2時間掛けて歩いて松江町の最大の娯楽場と成る、東映の映画館に行き白黒のチャンバラ映画を観る事だった。
昭和40年頃からは放映技術も発達して来て、クライマックスに成ると、カラー画像(天然色と言われていた)に変わる様になった。
昭和39年の東京オリンピックが開催せれる頃から、白黒TVが出回ると一般家庭もオリンピック観たさに無理をして月賦でTVを買った。
私の家も無理をして月賦で白黒TVを買った。
そして、新幹線が試運転で走っているのを、一人でTVを観ていたのを覚えている。
そのために、映画館への客足が鈍くなった。
すると、更に放映技術を進歩させ総天然色と宣伝して客を集めていた。
そして、天然色とはどうゆうものか、興味新々で観に行った。
すると、市川歌右衛門の旗本退屈男の衣装が余り恰好良くて派手で綺麗なので驚いた。
私の記憶だと白黒の時は中に入るのが20円で?総天然色だと100円位だったと思うが?記憶違いかもしれない。
そして、帰りに大衆食堂の素うどんも15円か20円だったと記憶しているが、定かではない?
この時に、国際政治ニュースも一緒に10分間放映していた。
中学生になる頃は、18歳未満お断りの成人映画が松竹映画館で、白黒画像で放映していた。

『アパ!面白い映画があるから見に行こうぜ』とサンスケが言った。
『何処でやっているの?』
『松江の東映の映画館のとなりだよ』
『松竹か!?』
『そうだよ』
『あそこは、成人映画だよ』
『だから観に行くんじゃん』
『先生にバレたら怒られるよ』
『黙っていればわからないよ』
『それなら!今週の日曜日に行こうか』
『じゃ!朝8時にアパんちに行くよ』
『じゃ、待っているよ』
『おばさんに言っちゃだめだよ』
『わかっているよ』
『じゃ、8時なぁ。忘れんなよ』
『そうだ!ダラマンも誘うか?』と私が言った。
『あいつ!ドスケベだけど、口が軽いからだめだよ』
『ダラマンにし知れたら怒るよ』
『黙っていれば分からないよ』
『それに、月曜日に学校行ったら、みんなに話しているよ』
『そうだな、女子にも喋るだろうな』
『そう、だから、嫌われるから連れて行くのは止めるんだよ』
『そうだな!じゃ、やめるか!!明日な』
『ジャスト待った!!』
『なんだ!ちょうど待ったて』
『あれ!?まぁいいじゃない』
『昼の弁当はどうする』
『おむすび持ってきなよ』
『OK!』
悪友のサンスケと2人で観に行った。

そして、入口の小窓で40代のおばさんにカネを払おうとした。
100円?200円?今は忘れた。
『あんたたち、幾つだい。大人かい?』と聞かれた。
すると、サンスケは逃げて行った。
私は追いかけた。
『何やってんだよ』
『やっぱり!恥ずかしいよ』
『何言ってんだよ!自分から行こって言ったんじゃん』
『東映の映画館みたく、窓口が、おじさんだと思っていいたのが、おばさんだったからよ』
『そんなの関係ないじゃ』
『そうだよな!俺たちの顔は知らないもんな』
『しかし、歳を聞かれるとは思わなかったよ』
『意気地のヤローだなぁ。違うと言って堂々と入っていけばいいんだよ』
そして、おばさんに止められることなく、二人で入った。
つづく