Twinklestar-river-nouvelle blog

つれづれに映画や日々感じたことを書いていきます。

映画「グッドナイトムーン」

2008-08-31 22:24:58 | 映画 Films 2005-2003


グッドナイト・ムーン
ジャンル:家族
first up 2003/11/12 00:16

ストーリー
実の母と継母が、子どもたちを巡って葛藤する愛の物語

この映画にいくら出せますか? 5000円~~2000円

音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆☆

コメント
原題 Stepmom 継母という意味だそうです。母親が二人いると、本当は子どもにとって幸せなことかもしれない、と思わせてくれる映画でもあります。スーザン・サランドンもジュリア・ロバーツも、とてもよかったです。それぞれの母の愛情と葛藤がよく分かりました。途中は涙も出て…。

子どもに自分の愛情を裏切られるのでないかと不安に思う二人の母。そして、子どもたちのほうも、親の思いとは別の一個の人間として、やはり思い悩んだり、喜びのままに気持を表現しています。

ときには模範の、そして時には羽目を外した遊び心のようなものが、人付き合いには大切なのだなと思いました(親子関係だけじゃなくてね!)。この映画に出てくる二人の母の良さをあわせたような…。理想かもしれませんけどね。でも、親子でもカップルでも、もしかしたらそういう二つの要素が大事なのかもしれませんね。

途中で流れるアメリカの古いロック(?)が印象的でした。 Ain't any mountain enough high というのかな、どんな高い山も広い川も私があなたの傍に行くのを妨げるものはない!という、意欲的な(!)歌です。印象に残りました。有名な曲なのに新鮮でした。

途中で、死期の近づく実母が二人の子どもたちに語りかけます。幼い息子には「死んだら手品のように姿が見えなくなるけれど、本当はあなたの心の中に隠れているの。夢の中でいつでも会える。どんな楽しいことでも一緒にしましょう」というように語ります。あなたとはいつでも一緒なのよ、と。

その一方で、思春期の娘には「あなたが思い出すときだけ、いつでも一緒にいるわ」と言うのです。いつも一緒にいるというのは、大人になっていく彼女にとっては重荷と考えたのでしょう。あなたの必要なときは必ずいるわ、と言っているのです。

高い山も広い川も妨げない強い愛情を秘めていながら、それぞれの成長過程の子どもの立場にたって語りかけていました。親としての気づきが、真に強い母の愛情の形を生み出したんだなと思うと、いえ、もともと彼女のもっていた聡明な母という性質なのかもしれないけれど、とにかく感動させられました。

なんというか、今現在の私には批評するのもおこがましい内容というか、母や子や妻のあり方なんて何をか語れましょうか。ただただ、この映画のことを覚えておいて、人生の様々な局面で思い出して、役に立てたいと思うような感じです。

母と子の関係としてだけでなく、それをカップルに置き換えて考えることもできるでしょうし、たった一つのストーリによって、人生というものに登場する、色んな立場の人にとって、それぞれ相談にのってくれるような、そんな映画でした。

そしてもう一つ、とても印象的だった言葉があります。それは、継母とどう付き合っていけばよいか相談した子どもたちに、実母が語ったこと。「相手の長所をみつけなさい」というアドバイスでした。

うーん。
こういうことは、ときどき忘れちゃうのよね。
嫌なところとか、違いを探してばかりいるよりは、相手の良いところを見つけてそれを見続けた方が、人間関係は幸せなんだなぁと思います。

それができないから、世の中は大変なのですがね!


(2003/11/12 00:16 原文のまま)
2008.8.31 secondary up

映画「二番目に幸せなこと」

2008-08-31 22:18:52 | 映画 Films 2005-2003

 
二番目に幸せなこと
ジャンル:人間
first up 2003/11/24 23:35

ストーリー
恋人を失った二人が、子どもが出来たことにより、セカンド同士の生活を始める物語

この映画にいくら出せますか? 1000円~~1500円

音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆

コメント
原題は The next best thing. 
今日のBS2シネマでした。皆さん見れましたか!? マドンナとルーパート・エヴェレットが友人関係を保ったまま、二人の間にできた子どもを育てるパパとママとして生活する、というお話です。

しかもルーパートはゲイの役なので、二人は夫婦にはならないけど、子どもの親として3人の共同生活を始めます。最後はいろいろ起こるのですが、複雑な家族関係もここまでくるか!?という感もあります。

こういうのを見てると、友人として最高の愛情をもてるのに、どうしてそんな男女が一緒に暮らしていて、互いに身も心も愛し合うようになれないのかなぁというのが、不思議でした。

憎まれ役の、マドンナの元彼役は、もしかして最近BSで水曜夜10時にやっているドラマ「エイリアス・二重スパイの女」に出てくるCIAオフィサーではないかしら!?…と思いましたが、未確認です。(ドラマではいい人なんですよー。気になる方はドラマのほうも見てみてね)

マドンナは大人のかわいさがあって、素敵ですね。ちょっとはかなげなところもあり…。今年の9月にペンギン・ブックス(アメリカ)からThe English Roses” という絵本が出ています。絵は別の人が描いてますが、マドンナがお話を書いているそうです。5つのお話を、子どもにも、そして大人に達した子どもたちにも読んでほしい…とメッセージを寄せています。

5冊組で本の収益はすべて子どものためのチャリティーに行くそうですよ。表紙しか見ていませんが、イラストのセンスも抜群のようなので、英語版しかないようですが、いつか覗いてみたいですね。(イラストは別の人が描いてます)

センスのよい人は、声も容姿も才能も、すべて素晴らしいです。クールだなぁぁ。

おっと、映画のラストシーンはあんまりよくないです。


(2003/11/24 23:35 原文のまま)
2008.8.31 secondary up


映画「マンハッタン殺人ミステリー」

2008-08-30 22:26:02 | 映画 Films 2005-2003

マンハッタン殺人ミステリー(ウッディ・アレン)
ジャンル:サイコ・サスペンス
first up 2003/11/12 00:10

ストーリー
ニューヨーカーの夫婦が日頃付き合いのない隣人の家で起こる事件に自ら巻き込まれながら推理する物語

この映画にいくら出せますか? 2000円~~2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆

コメント
私も見ました!!先月ケーブルテレビのCSN1で何度も放映されてましたよね。ニューヨーク英語の早口も体験できます!実は「マンハッタン」よりも見ごたえがあり、ウッディ・アレンらしいのが、こちらのほうだと思います。ダイアン・キートンとのコンビが効いてるのも、勿論こちら。ダイアンらしい役柄ですよね。私は先月はじめて見たのですが、80年代のファッションが、今見ても違和感がなくて驚きました。お洒落ですよね。でもよくみると、間違いなく、ジャケットにベルトを巻いたり、スパッツの上からスカートをはいたりするのは、かつての流行だったかなぁと思い出したりします。

隣人が死体を棄てに行くシーン。
聞き覚えのあるジャズナンバーは「シングシングシング」なのですね。名前が思い出せなかったんです。確かに、いい味だしてました。いたずらな感じにバンバン音をたてて流れてましたよね。ピュルルともいってたかな!?
あれは誰の演奏だったのだろう…。

ウッディ・アレンって、ニューヨークを愛し、映画を愛してるぅというのを、彼の作品上に出すんですね。だからあの演奏も、きっと超有名な人が吹いて叩いてるんだろうな。

そういえば、古い映画館でチェイスするシーンは、オーソン・ウェルズの(だったよね?)「上海から来た女」をもじってるんですよね、きっと。これも最近どこかのテレビで放映されていたので、たまたま見て。そのあと殺人ミステリーを見たので、あー、あれだ!と分かって楽しかったです。スノッブに楽しもうと思えば、もっともっと楽しめてしまいますよね。

実は、私は今までなかなかウッディ・アレンに馴染めなかったんです。それがこの映画を見て、好きになり、それで「マンハッタン」を見ることにしたんですよ。お正月休みには、その他の映画も見たいと思っています。



2008.8.30 secondary up

映画「マンハッタン」(ウッディ・アレン)

2008-08-30 22:19:16 | 映画 Films 2005-2003

マンハッタン(ウッディ・アレン)
ジャンル:人間
first up 2003/11/12 00:07

ストーリー
ニューヨークに住むうだつのあがらない40代の放送作家が、17歳の少女との愛により自己に目覚める物語

この映画にいくら出せますか? 2000円~~3000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆

コメント
BS2でニューヨーク特集をやってました。ウッディ・アレンの代表作の一つで、冒頭のオマージュが本当にスタイリッシュで美しくかっこいい。ジョージ・ガーシュイン作曲の「ラプソディ・イン・ブルー」ではじまるモノクロの画面。そして小説仕立てのナレーション!! 典型的なニューヨーク賛辞であるにもかかわらず、とても心惹かれる部分です。

ストーリーは中年の男性による自己啓発(?)の物語で、17歳の少女との恋愛を通して、自己に目覚めていくというお話。ふ~ん、という感じでしたが、その中にニューヨーカーっぽい生き様が、あちこちに散りばめられています。

たとえば、ウッディ・アレンの元妻(メリル・ストリープ)がレズビアンを公表しながら離婚後の生活を出直していたり、妻とは別の恋人がいる生活を続ける友人がいたり、係りつけの精神科医がいることが日常的なことだったり…。レズビアンや愛人生活や精神科医がニューヨーカーらしいということではないのですが、多様な人種が自己責任のもとに寄り集まっている街、そういう多様さを支えられるのがニューヨークらしさだろう、という意味です。

そして、17歳の高校生でさえも(失礼!)自立した生き方を既に確立しているのです。

この17歳。顔が最初は好きになれなかったのですが、映画が終わりに近づくにつれて、すごい魅力的に見えてきました。

あの大都会で家にも帰らずに40歳後半の(しかもちょっとうだつがあがらなさそうな)男と付き合っているのです。17歳にして、すでにかっこよく自意識を形成しながら、自己の生きる姿勢を偽りなく確立しているという、本当に、頭が下がります。彼女と同じくらいに大人になれてるのだろうかと、ふと考えちゃいます。

そしてすごいことに、彼女は決して背伸びをしていない。もちろん、多少はしているのかもしれないですが、無理してて危なっかしいという不自然なものではないのです。自分に正直というか、17歳の瑞々しい感性を素直に伸ばしているという。若いのに確固とした大人の部分と成長途上の若々しさ。そんな二つが混ざりながら彼女自身も一層大人の部分を増やしていくという、それが終盤に彼女をとても美しく見せたところなのかもしれませんね。
とかく日本では、幼いほうが愛嬌があるととられがちですけれども、成熟することを躊躇する必要はないということかもしれません。

ウッディ・アレンはいつもどおり、少々神経症気味の役をうまく演じてます。夕暮れの橋のたもとの有名なシーンも、よかったですよ。あのときダイアン・キートンが飼っていた犬は、ダックスフントでしたよね。

そんな有名なシーンと、ニューヨーク気分を味わうために見てみました。

かつて私がニューヨークにいったとき、最初のときはスリに遭い、次のときは体調を崩してほとんど観光もできず、私にとっては曰くつきの街です。
アメリカはちょっと苦手なのですが、それでもなんとなく、ニューヨークの雰囲気が好きです。もちろんいいところのほんの一部しか知らないのでしょうが、普通の風景が街並が写真や映画のまんまの、絵になる風景で驚きました。

自由の街、ニューヨーク。街が人をかえるという、そんな凄い力を秘めた街です。



2008.8.30 secondary up

映画「ワンダーランド駅で」

2008-08-30 22:07:46 | 映画 Films 2005-2003

ワンダーランド駅で
ジャンル:ラブストーリー
first up 2003/11/03 13:11

ストーリー
出逢うはずの運命の二人が、同じ町ですれ違いを続けるが、運命の導きにより遠回りをしながらも出会い、恋がはじまる物語

この映画にいくら出せますか? 1000円~~1500円

音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆


コメント
運命論…。運命の人と結ばれるなんて、あまりにロマンチックすぎて苦手かなぁと思っていました。でも、そんなことはなかったですよ。とても穏やかな気持で見ることができました。決してコメディではないのですが、物語を味わった後には、恋愛論としても考えさせるものがあったと思います。

主人公の女性は、人生に冷ややかな感情を抱いていました。母親が出した恋人募集の新聞記事をきっかけに、自分の抱えている孤独から抜け出そうと、いろいろな方法を試してみることにします。

①自分の希望に沿う人を積極的に探すこと
②誰かから望まれたら応じること
③運命にみちびかれて表われる人を待つこと

この三つが彼女が試したことでした。
最終的には運命が最良の結論を出してくれたわけです。

先日、イギリス中世文学のひとつジェフリー・チョーサーの「カンタベリー物語」を読んでいたら、生まれた日の星の位置によってその人の運命が定められている…という発想が、よく出てきました。この映画も、ある種そういう考えが表われているのかなぁと思いました。

西洋ではその昔、性格も宇宙の4元素によって例えられていたらしいです。ちょっと東洋医学の考え方にも似ていますがね。

映画のなかでR.W.エマソンという名前がよく出てきます。この人は、アメリカの初期の頃の文学者です。読んだことはないですが、エマソンの自然観は、映画の主人公とその運命の人に共通するもののようです。

一日のうち一回は美しいものを見るとよい。主人公は父にそう教えられて、時折海の輝きを見に来ていました。

どことなく、人間と自然のあいだに広がる大海原に抱かれ、たゆたうように運命に導かれる…そんな運命論は、人間本位のそれとは違って、宇宙や地球の一部分としての人間、という感覚を提示しています。なんだか日本人の自然観にも似ているような気がします。

運命の人も同じような自然観を持っていました。もがいても成せないときは、ふと運命に委ねてみるのもよいかなぁと思ったりしますね。

自己の意志と、それを超えた存在の一部としての自己とのかかわり。そんなことを感じさせる不思議な映画です。



2008.8.9 secondary up