グッドナイト・ムーン
ジャンル:家族
first up 2003/11/12 00:16
ストーリー
実の母と継母が、子どもたちを巡って葛藤する愛の物語
この映画にいくら出せますか? 5000円~~2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆☆
コメント
原題 Stepmom 継母という意味だそうです。母親が二人いると、本当は子どもにとって幸せなことかもしれない、と思わせてくれる映画でもあります。スーザン・サランドンもジュリア・ロバーツも、とてもよかったです。それぞれの母の愛情と葛藤がよく分かりました。途中は涙も出て…。
子どもに自分の愛情を裏切られるのでないかと不安に思う二人の母。そして、子どもたちのほうも、親の思いとは別の一個の人間として、やはり思い悩んだり、喜びのままに気持を表現しています。
ときには模範の、そして時には羽目を外した遊び心のようなものが、人付き合いには大切なのだなと思いました(親子関係だけじゃなくてね!)。この映画に出てくる二人の母の良さをあわせたような…。理想かもしれませんけどね。でも、親子でもカップルでも、もしかしたらそういう二つの要素が大事なのかもしれませんね。
途中で流れるアメリカの古いロック(?)が印象的でした。 Ain't any mountain enough high というのかな、どんな高い山も広い川も私があなたの傍に行くのを妨げるものはない!という、意欲的な(!)歌です。印象に残りました。有名な曲なのに新鮮でした。
途中で、死期の近づく実母が二人の子どもたちに語りかけます。幼い息子には「死んだら手品のように姿が見えなくなるけれど、本当はあなたの心の中に隠れているの。夢の中でいつでも会える。どんな楽しいことでも一緒にしましょう」というように語ります。あなたとはいつでも一緒なのよ、と。
その一方で、思春期の娘には「あなたが思い出すときだけ、いつでも一緒にいるわ」と言うのです。いつも一緒にいるというのは、大人になっていく彼女にとっては重荷と考えたのでしょう。あなたの必要なときは必ずいるわ、と言っているのです。
高い山も広い川も妨げない強い愛情を秘めていながら、それぞれの成長過程の子どもの立場にたって語りかけていました。親としての気づきが、真に強い母の愛情の形を生み出したんだなと思うと、いえ、もともと彼女のもっていた聡明な母という性質なのかもしれないけれど、とにかく感動させられました。
なんというか、今現在の私には批評するのもおこがましい内容というか、母や子や妻のあり方なんて何をか語れましょうか。ただただ、この映画のことを覚えておいて、人生の様々な局面で思い出して、役に立てたいと思うような感じです。
母と子の関係としてだけでなく、それをカップルに置き換えて考えることもできるでしょうし、たった一つのストーリによって、人生というものに登場する、色んな立場の人にとって、それぞれ相談にのってくれるような、そんな映画でした。
そしてもう一つ、とても印象的だった言葉があります。それは、継母とどう付き合っていけばよいか相談した子どもたちに、実母が語ったこと。「相手の長所をみつけなさい」というアドバイスでした。
うーん。
こういうことは、ときどき忘れちゃうのよね。
嫌なところとか、違いを探してばかりいるよりは、相手の良いところを見つけてそれを見続けた方が、人間関係は幸せなんだなぁと思います。
それができないから、世の中は大変なのですがね!
(2003/11/12 00:16 原文のまま)
2008.8.31 secondary up