ごはんを炊いても食べる時間がなかなかとれず、
いつのまにか冷めてしまう。
そんなことがよくある。
あつあつのごはん
それはやっぱり美味しいし、ホッとする。
あつあつのごはんに対する評価は、とりわけ日本人においては高そうだ。
最近はあまり聞かれなくなったが、
コンビニでおにぎりを買うと、温めますか?と聞かれることもあった。
冷やごはんの「活用法」といって、
冷めてしまったごはんをいかになるべく美 . . . 本文を読む
モロヘイヤ、ツルムラサキ、オカヒジキ…、
そんな季節になって早くも久しい。
暦の上では立秋が過ぎ、
気が付けばヒグラシも鳴いている。
モロヘイヤを買うたびにスープにしている。
そのたびに、
あのスープを思い出す。
カンボジアで、チュレッと呼ばれる木の葉っぱ。
それと豚の挽肉で作る、あっさり味のスープ。
大好きな料理のひとつ。
ぬめりはないのに、なぜか、モロヘイヤのスープをすするたびに思い出す。
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どうしても会いたいときは、
我慢をしないほうがいい。
タイミングというものはやっぱりあって、
心がソワソワするときは、そういう頃合い。
高尾の春に会いたくなった。
いたいた。
イカリソウたち。
北側斜面に控えめに。
いつもと同じ道というのもいい。
私は結構そういうタイプ。
新しいところを狙おうとか、新しい発見を期待してとか、
そういう前にじっくり同じ道をなんどもなんども。
同じ道なのに、 . . . 本文を読む
めずらしく、
食欲がない。
これなら食べたくなるかな、
そう思って作っても、
いざ食べ始めると、なんだかもういいかな。
食べないという選択肢は、私にはない。
何かしら、挑戦する。
これならどうかな、
それがだめなら、こちらはどうですか。
自分の身体に問いかけながら、
そんな日が続いていた。
大好きな秋だもの、
やっぱりサンマよ。
そう思って買ったサンマだが、
焼いて食べたら、なんだかもういい。
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いつもの仕草。
キンマに石灰を塗りつける母の右手が、
腫れている。
これでも良くなったのよ、と母は言う。
どうしたの、かあさん。
久しぶりに村の母の元を訪れ、
分かってはいたけど、そう聞いた。
妹から少し病状を聞いていたから、知っていたけど、そう聞いた。
母のそばに腰を下ろしたその時に、
彼女の頬が少しずつ崩れ始めて。
母は泣いた。
母さんは病気になった。
歩くことすらできない。
そう言っ . . . 本文を読む
どこからともなくやって来る。
みるみるうちに視界は真っ白。
霧がかかって、周囲は白い世界に覆われた。
至仏山。
指折り数えてもいなかったのだが、母によると14年ぶり。
まだ、山頂から山の鼻へと下りられたときだった。
今回は、鳩待峠から登って鳩待峠に下りる。
同じ道を引き返す。
だのにやっぱり、山はすごい。
同じ道のはずなのに、一刻たりとも同じ表情はない。
悠然と、そこに微動だにせず佇む姿、
そ . . . 本文を読む
こんなことで目にするなんて…。
日本の新聞をめくっていたら、
「ストゥントレン」という文字を見つけた。
私の知る限りで初めてのこと。
クメール語を文字通り読めばストゥントラエンなのだけど、
それが問題なのではもちろんない。
ラオスのアタプーで起きている洪水で、
隣接するストゥントラエンにも影響が出ているという記事が、
さりげなく載せられていた。
ストゥントラエンを日本の新聞で初めて見たのがこ . . . 本文を読む
なんて素敵な表現なのか。
リュックを降ろし、一人で何かを待っているような年配の男性に、
どこか見覚えがある気がして、私もうろうろ。
あ…もしかして。
何を撮っていらっしゃるんですか。
おそるおそる話しかけてみると、
ん?と呼吸を置いて、彼が私に答えてくれた。
雲を待ってるんだよ。
予想外の返事に困っていると、
イガホウズキをね、撮ろうと思っているんだけど、
雲がかかるのを待ってるの。
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暑さを忘れてしまいそうなほど、
ひんやりと涼しい道だった。
イワタバコ?あぁそれならあそこにもあるわね。
岩にびっしりとイワタバコだから!
偶然出会った一人の女性が教えてくれた。
その日は、
どこを歩こうかなかなか決まらず、
でも彼女のその一言で、迷いが全くなくなった。
有難うございます。
御礼を言って歩き出す。
イワタバコに会いたかった。
今年は二度目。
一度目は鎌倉の建長寺。
そのとき初 . . . 本文を読む
いつも小さな言い合いになる。
だから、なんで先に魚を入れちゃうのさ。
出来あがる頃には魚身が崩れて影も形も残らないよ。
野菜を先に入れるんだってば。
でも、と私。
魚から美味しい出汁がでるんだもん。
だからやっぱり魚が先の方が美味しいよ。
じゃぁやってごらんよ。
…
ほらみたことか。魚身がなくなったじゃん。
……
カンボジアのラオ村落でスープを作る。
何気ない日常の一コマである。
ニガウリ . . . 本文を読む