へたれなーす、時々修行日和

――心にうつりゆくよしなしごとを、気ままに綴ります。

砂漠の空

2016-11-10 | 日々是好日
には愚弟と愚妹がいる。
キョウダイがほしいとお空にお願いしたら、
ある時コウノトリが連れて来てくれた。
もうとっても嬉しくって嬉しくって、
両親より先に、抱っこをした。
3人でいつも一緒に遊んだ。

愚弟はピアノが上手だった。
争いごとがキライで、近所のワルガキに喧嘩を吹っ掛けられては、
いつも泣かされて帰ってきた。
叩かれたら痛かった、叩いたらきっと相手も痛いだろうから、
出来なかったという子。

愚妹はユーフォニアムが上手だった。
流石末っ子なだけあって、聡い。
姉のが怒られていることを、柱の陰からしっかり学習する。
それも正しくではなく、バレずにウマくする方法を学習する。
だからか、自立心だけは人一倍強かった子。

は長子として、両親を守ろう、
キョウダイは三本の矢的な話をしたりして、結束を望んでいたけれど、
の家族に訪れた危機は、呆気なく三本の矢をばらばらにした。
愚妹は都会に憧れて、どこかに行ってしまった。

昔あったナントカ建設のCM曲で、“東京砂漠”というのがあった。
の子供心に、深く突き刺さった曲のひとつ。
どうにもできない世間の冷たさ、厳しさ、悲しさ、寂しさ、
そして過酷さが、東京という都会にはあるのだというのと、
独りでは抱えきれないことも、誰かと寄り添って生きていければ、
俯かないで歩いていけて、いろんなことを乗り越えていけて、
昇る陽を見ることができるんだと思った。

愚妹にはこの空はどう見えているのだろう。
世の中の状況は、今後も良くなるとは到底思えない。
愚妹に、寄り道は多少あっても人の道を踏み外さず、
共に歩んでくれるそんな人がいれば、
姉ちゃんは取敢えず、安心なんだけれど。

どこでどうしてるのだか。

4 コメント

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東京砂漠 (むうあん)
2016-11-11 01:35:34
「東京砂漠」私も子ども頃に心に突き刺さった曲です。さくらさんとは違う意味でしょうけど、私は基本的に自分は一人なのだという意識が強かったのかもしれません。

ところで、なんで「東京砂漠」なのかというのは、都会の人間関係は表面的で乾いていると感じられ、それがまるで砂漠のようだというところからきているそうですね。

哀しいことかもしれないけれど、人間関係が乾いてくると、一人ひとりの心も乾いてくるのかもしれませんね。

あなたがいれば~ あゝあなたがいれば~
陽はまた昇る~ この東京砂漠~
結局は人は独り、 (さくら)
2016-11-11 05:24:40
故に寄り添い合うのだと愚妹には教えてきましたが、見事に振りほどかれました(苦笑)
超淋しがり屋だった愚妹が、結果的に自身で選んだこと、心配する家族より甘い顔を見せる他人を選んだとはいえ、今の人間関係の希薄さに耐えて生きていけているのかと。
本当に心配で、まあ心配するしかないのですが。

情けない姉ちゃんです
わかります。。 (こすず)
2016-11-11 23:33:19
先週娘と部屋の壁のことでケンカみたいになった時、娘が家を出ていけばいいと本気で思いました。(ちょっとシリアス。。)
でも本当に出て行かれてしまうと、心配で心配でたまらなくなるということも容易に想像できます。
ちゃんとご飯食べてるだろうか?とか、一人でひきこもっていないだろうか?とかいろいろ。
就職したら家を出ると言ってるけど、本当は共に人生を歩んでくれる人ができた時がいいなと、私も思います。

部屋の壁と心の壁 (さくら)
2016-11-12 00:48:17
愚妹はさくらと冷戦状態になった時、
壁は作れないのでベルリンの箪笥で壁を築きました。
最後の日、さくらはその箪笥を倒しました。
箪笥は壊れ、姉妹の絆もその時壊れたのかなと、
今は思います。
多少の壁は、成長と共にある程度は必要なのかもしれないけれど、少々、寂しい話ですね…。

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