仕事をしながら中咽頭癌と闘う美容師のブログです

中咽頭癌にかかってしまった患者本人が検査の内容や症状を日記風に書いたブログです。また普段の日常も綴らせていただいてます。

治療終了・退院から1年後まで

2014年07月08日 | 中咽頭がん
前編の「リンパの腫れに気づいて入院・退院まで」はこちら

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2010年3月末に治療が終了し、2010年4月に退院できました。
しかし上.中.下咽頭がんの場合は、手術後や放射線療法・化学療法の後の
[ QOL(Quality of Life、生活の質) ]が、著しく損なわれることが、数々あります。
人間が生きる上で必要な機能が、うまく働かないという現象になり日常生活に、大変な負担を与えることとなりますね。
特に頭頚部は呼吸・食事(咀嚼・嚥下)などなど、さらに発声、味覚、唾液、聴覚など社会生活を送る上で重要な機能が集中しています。
この部分に障害が起きると直接QOLに影響しますね。

☆人間の脳は嫌な記憶は忘れるように、なっているのでしょうか。
だんだん記憶が曖昧になってきているので、当時書いたブログを確認しながら記載します。

退院直後は、こんな感じでした。
1)首の皮膚炎・・・ドス黒くなってただれて赤いスリ傷のようになっていた。
2)口内の乾燥・・・30分に一度位、口をゆすいだり、うがいをしないと、カラカラに口の中が乾いてしょうがない。
3)唾液・・・まったく出ないので、物が飲み込みにくく、口内炎になってしまった。
4)舌の痛み・・・しみる・少しでもからいものを口の中に入れると飛び上がらんばかりにしみて大変なことになる。ろれつが回りにくく話しにくい。
5)痰が出る・・・以前は、グレーのようなグリーンのような痰が大量発生したが、今度は白い痰が出る。夜中に痰を吐き出すために何度か起きる。
6)体力の低下・・・すぐ疲れて眠くなってしまう。何もヤル気がおきない。
7)体重の減少・・・激ヤセして、手足が細くなりすぎた。
8)貧血になる・・・立ちくらみがひどく、フラフラする。

□後遺症・副作用が次々と襲って来て、またまた戦いが始まった!
■2010年4月5日
退院する。
体が衰弱しているので2週間自宅療養する。
体重12kg減
手足・肩・胸のあたり激やせする。


1日に飲む薬の量がものすごい!(当時は、胃ろうから入れてました)
退院時に、処方された薬です。(ちなみに木のハンマーは、薬をつぶすのに使います)
まるで、体が薬の匂いがするようになった感じです。
分からなくならないように、小分け用のケースに入れ
プラス痛み止めを追加します。
↓  ↓  ↓  ↓  ↓


退院して20日後
首の皮膚炎は、治った。ドス黒くなってただれて赤いスリ傷のようになり
悲惨な状況でしたが、軟膏の効果か一皮剥け、綺麗な状態となりました。
退院してから2週間近く、自宅療養していましたが、4/17から職場復帰いたしました。
体重が12kgも減ってしまったので、体力がなくなり、すぐ疲れてしまうので、
1日3~4時間位からスタートしています。
徐々にフルタイム働けるようにしたいと思っていました。

■2010年5月06日
退院後初の診察、 採血をしてから頭頚部内科・精神腫瘍科・放射線科の受診。
精神腫瘍科に関しては、入院しているときに抗がん剤治療の際、あまりに具合が悪くなり ストレスや精神的に不安があったので、幻覚を見たり、怖い夢を見たりということが度々あり主治医にそのことを伝えたら、精神腫瘍科の医師を紹介してくれました。
入院時は、よく部屋まで様子を見に来てくれました。
もう安定剤も飲んでいないし、ストレスも溜まっていないからと言うと、しばらくこなくても大丈夫じゃない。何かあったら来て下さいとなった。

放射線科の医師・看護士さんは回復力が早いとびっくりしていた。
自分では初の経験なので、なんだかわからなかった。
頭頚部内科のカリスマT医師は、不確定なことは絶対言わず、今度のPET・ MRIで結果を診て見ましょうということだった。

■2010年5月24日
放射線の最終照射から2ヶ月経ったので、ガンの転移がないか?のPET検査と原発部及びリンパ節に転移していた部分の消失あるいは残存の有無を調べるためMRI検査をした。
放射線科では、気になるいくつかを質問してみました。
Q アゴのたるみをがひどくなって2重アゴになってます。
A (これは水分で、放射線をかけた人に共通するものということでした)

Q 味覚障害が、1~2週間前よりひどくなった。
A (徐々に戻っていくからもう少し様子をみてということでした)

Q 唾液がまったくでない。
A (個人差があるのでなんとも言えないが、1~2割回復する人もいれば、
2~3割戻る人もいる。半年から1年後にどうかという様子を見てください)

Q しこりみたいのがあり気になる。
A 口の中からとしこり部分の外側から両手で強く押され「ウゥー・・・」(これはガンの部分でないよ!)

疑問に感じていた部分がクリアーになったのでスッキリした。
来週がいよいよ効果判定でなので、良い結果であるように祈ってました、

■2010年6月1日
PET・MRI検査の結果は
PET・・・転移は認められず。問題なし。
MRI・・・原発部、リンパ節転移部とも癌細胞は消失
ホッとしましたが、2年間は経過観察をきっちりやっていかないと再発・転移の恐れもありということです。

今後は、月に1度の放射線科の診察。
3ヶ月に1度の採血・PET検査・MRI検査の実施。やはり3ヶ月に1度の頭頚部内科の受診,定期的な口腔歯科の受診が決まった。
あご・頬のむくみは 1年くらいかかるかも・・・ということでした。
頭頚部内科にて、診察後胃ろうPEGをはずしてもらいました。1ヶ月前に受診したときに検査して残存してなければ胃ろうをはずしましょうといわれていました。

■2010年6月7日
唾液腺が放射線治療によって機能しなくなり まったく唾液が出なくなってしまった。
主に唾液が出ない副作用としては、数々のものになります。

仕事中に口の中が、乾燥しきって話しづらくなったり
発音の異常・ろれつが回らない・パサパサに乾いて息苦しい。

唾液には汚れを洗い流す作用があるため、唾液が出ないと、
どうしても汚れが歯や歯ぐきにたまり、虫歯や歯周病になりやすい。

カンジタというカビが口の中に増殖しやすい(入院中にかかった)

舌にヒリヒリとした痛みが出る(熱いもの・からいものはひりひりして大変)

味覚障害が起きている(徐々に回復するらしいが1年くらいかかる見込み)

食事がなかなか喉を通らない。嚥下機能の低下(麺類はOKだが、ご飯・パンが難しい)

口内炎・粘膜炎にかかりやすい(実際に両方かかった)

唾液が出ないために口が渇いて、寝ている間に舌が上あごにくっついて苦しくなる。

その他の副作用や後遺症は
冷え性になる・ 体力の低下・ 食欲不振・痰が出る・貧血

■2010年8月下旬
PET・MRI検査を受ける
がん消失、転移なしの診断

■2010年9月
退院5ヶ月後の後遺症・副作用
1.唾液の回復・・・0%  
2.味覚の回復・・・50%
3.口内・・・開口しにくい
4.肩のこり・・・ひどい(痩せてから益々)
5.顎の浮腫み・・・硬くなっている
6. すぐ疲れる
7. 唾液が出ないためか、1週間に1回フッソを塗布していたのに新たに虫歯になった。

■2010年12月上旬
PET・MRI検査を受ける
がん消失、転移なしの診断
空気が乾燥している時期でもあったので、寝ていると口内が乾燥しすぎて夜中に2回ほどうがいをしていた。

あまりにも唾液が出ないので、新聞(2誌)に出ていた記事を読んで
有明癌研病院の漢方サポート外来を受診する。

1回目 (2010年 8月中旬)

2回目 (2010年 9月中旬)

3回目 (2010年10月中旬)

4回目 (2010年11月中旬)

結局4回通って、漢方での唾液回復ならず・・・
すぐ逆切れする医師のこともあり、通院をやめる。

■2011年3月 治療終了1年後
味覚の回復は60~70%位 戻った感じ。
辛いものは食べられない。汁物だと食べやすい。
唾液の回復はまったく感じられない。0%の感じ。
口内の乾燥・渇きがひどい状態。
食欲は旺盛になった。

早いもので、治療終了してから4年3ヶ月の歳月が経ちました。
唾液が出ないなど、後遺症はまだまだありますが、お蔭様でもうすぐ5年!
再発・転移なく来ているので、何とか乗り越えたいですね!