核融合と核分裂は、高校の化学の授業で教わりましたが、文系の大学や社会に出てしまうとほとんど忘れてますね~
俺ももちろん忘れていまして、福島の原子力発電所が事故を起こし、放射性物質が大気や海に出てしまい、一連の報道では、ヨウ素とセシウムだけが大々的に扱われ、それ以外の核種について触れられていないのは何故か不思議な気がしていました。
その2つだけでも放出量は、もの凄い量でしたので、そこに気を取られるあまり、疑問が沸いてきませんでしたが、最近あれ??って思うことがあって、ちょっと確認の意味で調べてみました。
先ず、核融合は、地球上でやろうとするととんでもない仕掛けが必要ですし、開発に時間と資金が大きくかかりますので、仕組みや理論が確立していても、実現は難しいのでしょう。
一方核分裂は、簡単ではありませんが核融合に比べれば、時間も労力も資金もかなり楽なためにおおよそ100年前には、10年程度で実用できる目処が立っていたため、原子炉の計画や設計がなされ、その結果広島と長崎に落とされることになる原子爆弾が製造されました。
核分裂は、その名のとおり、ある核物質を分子レベルで分裂させ、分裂前と分裂後の質量欠損がそのまま熱エネルギーになることに注目し、ウランを分裂させるのが効果的だったので、ウラン235を燃料に原子力発電が開始されます。
ただ、ウランは、自然界に存在する場合ウラン238というのが安定した分子構造を持ち、ウラン235は、全体で0.7%程度しか存在しませんので、遠心分離等の方法で235に濃縮します。(数字は質量数です。)
原子力発電で使用されるウラン235は、濃縮率5~7%程度で、原子爆弾用には90%以上のものが使用されます。(原子爆弾は超臨界状態)
このウラン235に中性子1コをくっつけると、核分裂が起こり、原子1コだけでは発電にも爆弾にも使えませんから、相当数のウランを使用します。
分裂は、ウランを2つに分割して、そこからさらに中性子が放出され、次々に核分裂が生じこれを臨界と言って原子炉の内部では、通常、計画的にコントロールされています。
さて、話を元に戻して、福島の事故後に報道されている原子炉から漏れだした核生成物は、ヨウ素135とセシウム137ばかりが強調されていますが、元素の後に付いている数字に着目してみます。
ウラン235に中性子1コをくっつけますから一瞬ウランが236の質量で超不安定になって核分裂が始まります。
(最初の模式図を参照してください)
模式図では、出てきたものは、質量数143のセシウムと90のルビジウムで、中性子が新に3コ生成され、143+90+3=236で、ウラン235+中性子1で236と同数になっています。
(模式図は、核生成物の一例に過ぎず、実際は多種多様な生成物ができています。)
次のグラフから分かることは、ウランは分裂した場合、綺麗に真っ二つに分かれるのではなく、質量数90~100の物質と質量数130~140の物質が出来上がっています。
赤線がウラン235、黒線がプルサーマル(ウラン65%プルトニウム35%)で、Srはストロンチウム90、Csはセシウムです。
核分裂生成物は、次の表のとおりで、これを見ると原子炉内部では、ほぼ同量のヨウ素、セシウム、ストロンチウムが混在していることが分かります。
おおよそ6%程度です。
同じ量だけ生成されるのに何十兆ベクレルのヨウ素、セシウムが放出されたのに、何故ストロンチウムは出てこないのか?
出てきても何処に行ったのか?
壊れてメルトスルーしている原子炉内部に未だにあるのか?
不思議ですね?
きっと嘘があるんじゃないかと思うのは、俺だけではないと思いますが・・・・
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