富山マネジメント・アカデミー

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国連の公用語で論文を書き、外国メディアに載せること

2017年12月10日 | Weblog

日本の大学では、自然科学においては、外国のアカデミックなメディアに、英語で論文を書くのが不文律の慣習となっている。それに反し、人文・社会科学では、自国語である日本語を業績とカウントしている。これは、学問の目的として人類の総福祉への貢献という大目的に反する。自己を振り返ると、英語での口頭発表は、4回に止まる。恥ずかしい限りである。漢語では、10回以上。活字メディアでも、ほぼ同数である。これでも、まだ有るほうにカウントされる。日本が先進国なのに、その国際的な敬意は、自然科学者たちの努力で守られている。国立大学の文系は、基本的に、国際学会への発信力を基準に再編成されるべきである。それは、国立研究所にも当てはまる。

僕は非常に短い漢語論文で、毛沢東式の中国近代史の理解を完全に論破したことがある、それは、世界金本位制と清朝の銀貨本位とのせめぎあい、つまり金と銀と交換比率の変動で説明するべきだと北京で論じた。具体的な論証は、台湾の林満紅教授により達成された。貿易通貨の歴史から説明するべきで、帝国主義による植民地搾取というマルクスの搾取論を克服するべきだと示唆したことである。それは、現代では、中国がIMFの有力な加盟国として機能していることで最終的に「実事求是」されている。金銀の比価の変動が、清朝の財政破綻を呼び込み、辛亥革命という政治変動に繋がるわけである。これで、中国では、経済学の知識ある歴史家と、毛沢東式の搾取論にしがみつく政治史の歴史教育者との間に分岐が生じた。中国がIMFの有力な加盟国として機能していることに寄与したと思っている。

 

 

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