富山マネジメント・アカデミー

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富山県に喫緊の大学院博士レベルの研究拠点

2017年11月22日 | Weblog

地方大学の振興により地域社会を高度化しながら活性化する基本的な考え方は間違いではない。ただ、それは2つの方向軸がある。1つは、雇用人材の確保のためである。大学4年あるいは修士2年の卒業生を地元優良企業が採用する「就業の産学連携」である。普通の行政職の方は、4年制大学の卒業経験があるので、このレベルの雇用には理解が及ぶ。問題は、何百人という理工系の博士号を取得した方の先端学術と先端産業技術の関係に理解が及ぶか否かである。

富山の場合、極めて限られた分野しか、大学院博士課程の「後期研究指導」の審査を合格した先端研究者がいないことが深刻な問題である。ただ、このレベルとなると、石川、福井、富山、新潟、長野の量的な格差はない。不思議にも、地域の解決課題が明解な分野が先端化している。長野では、繊維の研究がそうである。新潟では、脳梗塞など脳の病気のデータが豊富なので、そこが先端である。食生活の関係だろうか。そして、福井では、原子炉の関係、被爆医療が際立っている。富山では、医薬品の開発につながる基礎研究に先端性がある。

そこで、富山では大学連携は、実はほとんど意味を持たない。学生、教員のレベルが違いすぎる。連携にはならない。富山大学が大学院大学ではないが、一部は医療と薬業の面で、全国の先端研究の一環を担える体制が組める。独立大学院といって、学部教育を担当しない研究主眼の大学院が必要である。石川県の場合、北陸先端科学技術大学院が存在する。富山県の場合、北陸先端医薬品工学研究大学院が絶対に必要である。

 

 

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