かゆみも気から

なんどもなんども取り逃がすことの多い中、
今日は、一発で蚊を仕留めた。
そういえば、なんだか鈍くさそうにも思えたのだ。
ぱちんと叩いた手の平には、
真っ赤な血が、シミになった。

食われた意識はない。
ないのだけれど、じゃあネコか？
そんな様子はみえない。
ネコかもしれないし、じゃあ？

とたんに、足首のあたりが痒くなってきた。
ここか？
違うような気もしたのだけれど、
痒いという事実はある。

かゆみ止めのリキッドをぬった。

はたして、満腹の蚊に会わなかったら、
この痒みはどこに行っていたのだろうか。
なくても痒くなっていたかもしれないし、
それは、わからないし、
そういうことは、まぁよくある。


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お皿の値段

外食というか、
まあ、よそでご飯を食べるとき、
盛り付けられた食器に見覚えがあることが、たまにある。
あ、このお皿知ってる。

わたしが知っているくらいのものだから、
かなりの量産品であることがほとんどなのだけれど、
その値段まで思い出してしまうと、
メニューに載っていた値段がその上に乗って、
親ガメの背中に乗った子ガメみたいに数字が浮かぶ。

お皿の値段で、料理の味が変わるわけでもないし、
高級料理店ではないのだし、
別に、いいのだ。
ただ単に、わたしが
あ、このお皿知ってる。
と思っただけなのだから。


0131