さんぽの時間。

~その、ひとつ先の角まで~

覗く悦び

2005-09-30 | チラシの裏

無理して買ったものの、後悔することは間々ある。逆に「本当に買ってよかった」と心底思えることは、なかなかない。「もっと早く買っておけば良かった」と思ったのが、ツァイスの単眼鏡である。
以前から美術館などで単眼鏡をぶら下げている人が気になっていた。ちょうど読んでいた文庫本にも3×12の単眼鏡が紹介されていて、物欲がさらに刺激された。しかしツァイスである。めちゃくちゃ高い。おまけにどの店を覗いても「品切れ・入荷未定」である。無ければ余計欲しくなる。しかし定価47,000円では手が出せない。

そこで同じツァイスの4×12の単眼鏡を買った。コストダウンした機種なのだろう、倍率が高いのに値段は安く2万円台前半で手に入った。しかし天下のツァイス、覗いてビックリした。薄暗いのに肉眼で見るより、明るくハッキリ見えるのである。理屈はわからないけど、覗けば確かに感動がある。単に近くに見える、大きく見えると言うのではない。カメラのファインダー越しとは違う感動だ。まるで目玉の性能がupしたようにも思える。「ああ、これがツァイスなのか」と思った。それにこの単眼鏡は、近接では5倍のルーペにもなる。覗けばいきなりマクロモード。雑誌の付録の望遠鏡を作って喜んだ子供のころのように、本当に面白くて仕方がない。


それ以来、休日の外出時にはGRと共に必ず持ち歩いている。博物館でガラス越しに逸品を舐めるように覗き込むだけではなく、近所の公園だって今までと違った楽しみ方ができる。ケータイのカメラのテレコン代わりに使えば、デジタルズームよりよっぽどまともに撮れる。

お気に入りの単眼鏡だが、気に食わないのがネックストラップ。交換できない本体埋め込みのストラップなのだが、「安手のリボン」にしか見えないのだ。多分ドイツ人ならではの埋め込む理由があるのだろうが、交換できない仕様は唯一不満である。

3台のGR

2005-09-23 | チラシの裏

私はGRという、RICOHが発売したコンパクトカメラを持っている。GR1s、GR1v、GR21の3台だ。カメラマンでもないのに似たようなカメラを3台…。
最初に買ったのはGR1s。旅行は勿論、休日の外出時も通勤時にも常に持ち歩いている。角が摺れて来ているけどいまでも愛機だ。購入のきっかけは、GRのムック本の影響が大きい。「立ち読み→本購入→ネットで価格調査」というありがちな手順でドツボへ落ちてしまった。「これを買うとカメラも買うよな…」と思いつつ本を買っているのだから、すでに勝負はついている。
次に買ったのはGR21。21mmという超広角レンズで上手く使いこなせないけど、撮った写真のお気に入り度は高い。GR1vは、RICOHのフィルムカメラ製造中止の情報が流れて慌てて、逆輸入品を買い求めたもの。少しでも長くGRを使い続けたいからだ。

そんな具合で買ったGRだが、持ち出す機種はその日の気分で選んでいる。カミさんと出かけるときは特に注意して2台同時に持ち歩くことはない。なぜってGR21とGR1vを買ったのは内緒だから。同じ様なカメラを3台なんて、恥ずかしくて言えるわけがない。
それなのに今度はデジタル版のGRが発表されるらしい。デジカメじゃごまかせないから内緒で買うわけには行かない。単焦点の高額コンデジ購入の理解をカミさんから得られる自信は無い。さてどうしたものか。デジとフィルムを同時に使い分けられるほど器用でもないし…。とりあえず、発売されるであろうムック本さえ買わなきゃ耐えられる…かな?

休日手帳

2005-09-16 | チラシの裏


仕事とステーショナリーの関係についてはこれまで書いてきたけど、今は仕事で手帳は使っていない。「勤め人のくせに」と自分でも思うけど、手帳が無くても何とか働けている。それでも9月になるとそわそわし始める。来年の手帳が気になるのだ。伊東屋の手帳売場を覗こうか、などと考えてしまう。

仕事に使わなくても手帳は毎年買っている。能率手帳のメモ充実タイプだ。スケジュールがカレンダータイプになっていて、本文はルールドのメモ欄ばかり。巻末に申しわけ程度に度量換算表や路線図があるだけだ。私はこの手帳のことを「休日手帳」と呼んでいる。とにかく休みの出来事を書く休日用の日記なのだ。休日を中心にしたプライベートの1年の記録である。出かけたところや自腹で買った本のタイトルと著者をメモしたり、映画の感想を書き込んだりしている。映画の半券やカミさんと入った店のショップカードも貼付する。もちろんRHODIAのメモも貼っている。1年が終わるころには丸々と太った手帳に育ち、無印のヘアゴムで留めることになる。家でゴロゴロしていては、手帳に書くことがない。休みを無為に過ごしたくはない。書くことを作るために何かをする。散歩したりカミさんに付き合って買い物したり・・・・。私の場合、「休日手帳」は何かをする・何かを考えるための動機付けのひとつになっているようだ。

どこでも売っている能率手帳をわざわざ銀座の伊東屋まで出かけて買うのか? 「来年の手帳を選びに伊東屋に行く」のだ。伊東屋に出かける、これ以上素敵な理由はないだろう。