こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

『デジタル日本人』を買った

2005年06月18日 | 読書ノート
 古本屋をぶらついていたら,高城剛さんの『デジタル日本人』があった。105円と安かったので早速買った。高城さんは,以前,仕事で講演お願いしたことのある方だ。講演の依頼をするため,神宮前の「ゴールドフィンガー」という事務所まで行った。会って話してみると,小柄だけど,エネルギーが弾ける魅力的な人で,。)職場の新人が薦めた人選であることの不安が一気に吹っ飛んだ。(フォーマルな会議での基調講演だったので手堅い著名人の選ぶのがセオリーだったが当時はまだちょっとした冒険だった。こんな場面でも,結構,新しいことにチャレンジしていたのだなと懐かしく思い出した。

 実際,基調講演での高城さんの小気味良いテンポのしゃべりは,怠惰に流れ勝ちのシンポジウムを活気づけたし,パワーポントの変わり目に肉声で効果音が入るのが印象的だった。プレゼンテーション手法としておもしろい型をみせてもらい,その点からも勉強になった。随分,得をしたなと思ったし,出席した人からも好評を得た。皆が満足感を得られた良い基調講演だった。

 そして,この『デジタル日本人』。講演依頼の話が持ち上がった時事前勉強で読んだものだった。それまで高城さんのことは何も知らなかったので,自分の中で人選に踏ん切りをつけた本だった。(絶版だったので図書館で借りて読んだ。)

 同氏の主張には,デジタルの特性である「サビアタマ現象」(どんなテレビでもレコードでも最初の30秒くらいの印象で好悪を決めてしまうような傾向)などのように,メディア・クリエーターならではの観察眼による,おもしろい話・分析が多いが,私が特に気に入っているのが第三の土地論。

 情報革命の進展に伴って,これから個々人は場を固定する必要がなくなってくる。将来は,居住する場と仕事をする場にリラクゼーションを楽しむ第三の場が付け加わり,第一と第二の場との移動・往来がはじまり,新たな人の流動が起こるという主張だ。英国式スローライフはこの第三の場として”英国の伝統という資産”を提供するもの。

 そんな観点から言えば,情報通信環境に恵まれた”瀬戸内海の島”あたりは絶好の第三の場。空港からも近いし,東京から最速で行けるスローライフが楽しめる島;大崎上島町,なんてことになればいいのになあ。

 

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