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なぜ佐藤栄作元首相はノーベル平和賞を受賞したのか?

2005年10月10日 | 読書ノート

属国・日本論―Born on the planet of the apes

五月書房

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  30年以上も疑問に思い続けたことがある。佐藤元首相が何故ノーベル平和賞を受賞したのかということだ。沖縄返還はサンフランシスコ条約につぐ重大事件で,日本にとっては大きな歴史の転換点(エポックメーキングな事件)であったことは間違いない。その演出者の佐藤元首相の功労は決して小さくない。

 だが,それって日本のことだろ?おおよそ,独立の功労者にノーベル賞を与えていたら,ノーベル賞などいくらあっても足りないジャン。というのがガキながらの疑問であった。う~ん,納得できん。腑に落ちん。なんだかしらけちゃう。だって,ノーベル平和賞の受賞者って,マーチン・ルーサー・キング牧師だったり,マザー・テレサ尼僧であったり,ミハイル・ゴルバチェフであったりと,さもありなんではないか。

 ところが,沖縄返還がミサイルの照準を北京・上海からはずし,米中接近を促しソ連崩壊の遠因を創ったとすれば,とたん合点がいくのである。まさに目から鱗。長年疑問に思っていたことが氷解した瞬間であった。そうした事実が佐藤元首相の筆頭秘書官の楠田實氏の手記や沖縄返還の密使,若泉敬氏などの証言書によって論証づけられ興味深い。
 
 というわけで,副島隆彦『属国・日本論』を読み始めたが,いきなり「なぜ佐藤栄作首相はノーベル平和賞を受賞したのか」からはじめ,30年来の疑問氷解という幸運にめぐり合ったわけである。知識人の間では常識だったのだろうが,こんな事実があろうとは知らんかった。鉱脈を探り当てたような妙な気分である。 blog Ranking へ


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