こんな本を読んでいる

日々出版される本の洪水。翻弄されながらも気ままに楽しむ。あんな本。こんな本。
新しい出会いをありがとう。

続 カラシニコフ

2005年03月09日 | 読書ノート
 『戦争の犬たち』(わしは読んどらん。)を書いたフォーサイスは,「簡単な武力行使で転覆してしまう国家」を「失敗国家」と呼んでいる。アフリカには相当数の失敗国家があり,武力闘争に明け暮れ国家のていをなさない。

 紛争のたびに,誘拐され虐待され戦士に養成される子供たち。わずか15分で手入れの行き届くカラシニコフ。その扱い安さ故に弾除けと突撃隊に子供を駆り立てる道具になる。シオラレオネ,モンロビア,ソマリアと失敗国家は,こうした幼い犠牲者を量産する。マンデラで独立を勝ち得た南アフリカ共和国も例外ではない。皮肉なことに独立後に殺人事件が激増し,もはや手のつけられないレベルまでにエスカレートしているという。アパルトヘイトの重しがなくなって,黒人の貧困さが逆にクローズアップされている。とても悲しい現実だ。

 ソマリア北部での非武装化の成功を他の国も学んでほしいし,国連のパブリック単位での武器廃絶運動の成功も祈りたいと思う。猪口大使も言っていた。「仮に条約締結にまで至らなくても,武器廃絶条約の議論に加わっているだけでも,死の商人たちへの牽制になるし,国際社会の支援が得られると」(村上龍『人生における成功者の定義と条件』NHK出版の中の「猪口邦子」さんのパート。2004年10月ブックレビュー)

 第2次世界大戦下ドイツとの戦闘で負傷したことを教訓に,接近戦を制し祖国を勝利に導くためにと,カラシニコフさんが作製した自動小銃は,その完成度の高さ故に瞬く間に世界に流通したが,同時に子供をはじめとした多くの犠牲者もだしてきた。もともとは欧米列強に植民地化され国境を勝手に決められた人災でもある。解決に向かって多くの人々の知恵を勇気が必要になる。(カラシニコフ続々カラシニコフ(支援という名の押し付けだけは厳禁だ!)


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1 コメント

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アフリカ問題は根が深いですね (eivl2005)
2005-03-09 10:54:29
はじめまして。

カラシニコフの記事は大変興味深かったです。

私もブログでアフリカについて触れたのですが、幼稚な文と安易な切り口が恥ずかしく思えます。

アフリカの国境線などは無理がありますが、今更いじったら部族同士の対立がますます激化するでしょうし・・・。本当に根は深いですね。





すこし前の話題で出てきたダビンチ・コードがますます読みたくなりました。でもすこし値が・・。
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