私は長女の石神井高校の卒業式に出席しました。
まず感じたことは式次第にも体育館ステージ上の看板
にも「第62回卒業証書授与式」と書いてあって、
「卒業式」ではないことに、都教委や管理職の意向を
感じました。
我々組合員の?教員の感覚では(私は埼玉県の特別支援
学校の教員をしています)
「卒業式は最後の授業だから、卒業生はもちろん、在校生
や教職員等みんなで作り上げるもの」という捉え方なの
ですが、お上は
「卒業証書を授与するという厳粛な儀式である」という
捉え方ですね。それが式次第にも現れていて、卒業生
入場、国歌斉唱、校歌斉唱、証書授与、校長式辞、
都教委挨拶、来賓祝辞、在校生代表の言葉、卒業生代表
の言葉、卒業生の歌、という形式的な流れで終わり。
その後に運動部を中心とした在校生が会場に駆け込んで
きて、ステージにも上がって、みんなで卒業生に贈る歌
を歌って、感動的でしたし、卒業生がそれぞれクラス
ごとに担任の先生の名前を大きな声で呼んで、花束を
渡して「ありがとうございました」と言い…、
こういうのも卒業式の大事な一部分だと思うのですが、
あくまでも式が終わってから、という押さえでした。
話が戻りますが、国歌斉唱で座ったのは、私から見え
る範囲では私一人でした。
それと印象的だったのは、校長式辞や都教委挨拶が
例によって抽象的な内容で、きっと生徒の心にも響いて
いないだろうなと思われたのに対して、来賓祝辞を述べ
た年配の同窓会長の話は書いたものも見ず、これから
生徒達が出て行く社会の厳しさにも触れた、辛口の話
でしたが、心に響くものがありました。
また、何より卒業生代表の生徒の話が、代表としての
一般的な話ではなく、自分が経験した体育祭での怪我の
こととか、部活のソフト部でのこととか、やはり具体的
な話の方が感動的なのだなと感じました。
最後に皆様はもう当たり前と感じていらっしゃると
思うのですが、体育館の周りの壁に張られた紅白幕の
ことです。埼玉県の多くの?特別支援学校では、まだ
紅白幕は張られておらず、その壁には、小学部、中学部、
高等部、卒業生、在校生とそれぞれが作った壁画が貼ら
れます。またその合間に「卒業おめでとう!」といった言葉だったり、鳩が飛んでいる絵だったり、色々な飾り
が飾られます。つまり、例えば高等部の卒業式には小学
部の児童は出席しないのですが、みんなで祝うという
気持ちの現われとも言えます。これが高校だったら、
やはり出席できるのは高2のしかも一部の生徒らしいの
で、高1の生徒が何かを作って飾ったり、美術部の生徒
が部活の先輩の卒業を祝う作品を飾ったり、やはりみんな
で作り上げる卒業式、という雰囲気が大切と思うのです
が…。でも残念ながら東京都では紅白幕と決められて
いるようですし、埼玉の特別支援学校でも、管理職の
意向で次第に紅白幕が増えてきています。
とにかく「厳粛な雰囲気で、儀式として」が大事であり、
そういう中での「国歌斉唱」なのですね。
となり県のトトロ