危ない女党首。

「投票率は51％か……前回より8％増えたのか……まあ、その分がほぼ全部都民ファーストの会に入ったって、ところかな？」

「（そわそわ）」

「何をそわそわしてる？」

「Fateの話じゃないのね」

「別にいいじゃないか？

しかし……自民の自失点があったにせよ。

この判断は、良いのか悪いのか？

豊洲移転と築地維持の判断は、詰まるところ優柔不断な性格の表れじゃないか？

東京オリンピックに関しても、随分と軋轢を産んでいるし……

これでも支持できる首都の方々もなかなかの面の皮だね」

「そういう見方をすればね？

でも最終的に決断してるじゃない？

そこは評価しておかなきゃ！」

「その決断が間違っていれば？

今、都議会が小池新党で牛耳られて、対抗勢力は烏合の衆だ。

さっきも言ったけど『優柔不断』な決断をして苦労するのは、都民だよ？

これが、都民だけが苦労するなら、僕だって苦言を呈することはないけど……

小池百合子は国政を見据えている。

この感覚で国政を動かされたら、僕達にも実害があるよ……

どうにも、彼女は左派的なところが見え隠れするし……

こういう『戦う女性』は、結局ワンマンで協調性が無いから……怖いよね？」

「協調性がない？

聞き捨てならないな！

喧嘩を売ったのは自民党でしょうよ！」

「ああ、売ったな……

でも、結局その仲の改善をしようとしなかった。

それは自民利権の破壊を目指すという目的は理解できる。

で？」

「でって？」

「利権を破壊して、何するの？

停滞をするならいい。

でも、彼女の政策……と言うよりも、今後、都の財政を逼迫するような決断が多いんだ。

国とは違って、都の借金は、都民に帰ってくるよ？」

「それは、どっこも同じじゃない？

国だって借金まみれなんだし……」

「日本は担保もなしに借金はしないよ……

担保が税収じゃないってだけで」

「へ？」

「日本は海外資産は世界一なんだ。

……だったかな？

僕も案外いい加減だし、自信はないけど……

他国に貸し付けたお金とかが多いんだよ。

それを含めて国債刷ってるんだから、国の借金が、国民に返ってくることはまず無い。

でも、都政はまた違うでしょう？」

「それでも東京都は借金少ないよ？」

「余裕がないところがオリンピックを招致しないでしょう？

最終的に円刷ってる返せる国に対して、地方自治体がそんなことできないでしょう？

今、東京都の抱える問題は金食い虫ばっかりだよ。

人口集中による医師不足や待機児童問題。

大企業の本社が集中しているから、仕事などで訪れる人達のための宿泊施設。

これは僕も経験があるよ……

同じホテルが取れなかったから、止まる宿をいちいち変えて仕事したんだ。

宿泊道具一式持ちながら移動するのは、煩わしかったよ……

特にこれからオリンピックもあるから早急に何とかする必要があるよね……

旅客船を使う〜とか言ってる人いたけど……

オリンピックの時だけの問題じゃないんだよ？」

「……つまり、首都機能移転と人口の分散させないといけないってこと？」

「そういうこと……ただ、これが非常に難しいんだ。

下手なことをすれば、東京都だけの騒ぎではなくなる。

国そのものを揺るがしかねない……

さて、あきらくんや？」

（←御堂あきら）「え？」

「今、国政を担ってる党は？」

「自民党です……あ！」

「自民党の勢力が、弱くなったのは喜ばしいことじゃない。

逆に小池政権の弱点だよ……

国と協調しないといけないのに、その国を担っている自民党と協調しない……

となると、どうなると思う？」

「良くないと思う！」

「ま、今はその認識でいいよ……

さて、この体制でどうなるか……

意外とやってみないとわからない感じなのかな？」