昔のTBSで放送したときの加藤剛・森繁久彌版が私も記憶に新しいのですが、
映画版の「関ヶ原」もなかなかどうして見ごたえがあり面白かったです。
(ポスタービジュアル、つかってすみません>ジャニーズ事務所および関係者の方々。宣伝用とおもってください!)
きょうは横浜ブルグ13で見てまいりましたが、なかなか入りがよくて、
この手の映画としては、非常に大ヒットの手ごたえを感じる興行となりました。
特に演技陣では役所広司さん、平岳大さんがすばらしかったですね!
役所さんは、こういう家康のような役も手掛けられるようになったか、と
かつての織田信長でブレイクしたことを考え合わせると感無量でしたし、
平さんにいたっては大型時代劇スター誕生!という感じで、大変カリスマ性もあり、
見事な映画スターぶりを発揮しておられました。
もちろん岡田准一さんもなかなかの力演で好感が持てました。
いまジャニーズの中でもっとも映画スターらしいひとではないでしょうか。
原田眞人監督作品ということで、かなりテンポアップした演出で、
「関ケ原」の激闘に至るまでの経緯をドキュメンタリータッチで描いているのも
なかなか秀逸でした。ある意味今年のベスト1になるだろう作品のような気がします。
難をいえば、セリフの活舌がみなけっしてよいわけでなく、
軍議の場面など、どなっているだけの人も散見し、
ちょっとセリフの意味がよくわからないところもありました。
わたし、一応大河ドラマの衣裳もやっていましたので、
時代物はある程度わかるつもりですが、
ちょっとこの演技が続くと、人物関係が分かりづらい点は否めなかったですね。
ただ、それをあまりあるだけの異様なエネルギーが映像から放出していたことは確かで、
特に合戦シーンの迫力は、語り伝えられるものであろうと思います。
残虐な中にも戦争の真実をついていて、原田監督の演出意図は明確につたわったように思います。
またセリフがとてもいいのですが、これは原田監督と、司馬遼太郎さんの原作のみごとさに
負うところがおおきいだろうと思っています。
演技陣でほかに特筆すベきひとをあげると
滝藤賢一さんの秀吉、キムラ緑子さんの北政所、大場泰正の大谷刑部(高橋幸治さんのもなつかしいです!)などがあげられます。
また、衣裳も宮本まさえさんが独創的な世界を築き上げられていて見事でした。
音楽も富貴晴美さんという方は初めて知りましたが、ブルガリアンボイスを使った印象的な音楽で魅了しました。
やはりうれしいのは、映画人の夢がかなったということと、
巨大なスクリーンいっぱいに、合戦シーンが展開されると、いかに映えるかということで、
いかにも日本映画の王道をゆく作品にふさわしい風格があったのが感無量でしたね!
ぜひたくさんの方にこちらもお越しいただき、
ご鑑賞いただきたいと思います。
司馬文学のよさを改めて知るもよし、歴史のロマンにふれるもよし、
時代劇を改めて復興させたいですね!!!